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第335回平成29年2月定例会代表質問

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1.真の行財政構造改革について

 (1)人口減少社会における社会の担い手づくりについて

 最終2ヵ年行革の特別委員会での議論の中で明らかになったことは、社会保障関係費が増え続ける中で、地方一般財源総額が平成27年度と同水準に据え置かれても、平成30年の収支均衡については、財政運用を含めてめどは立った。しかし、平成31年度以降もこの状態が続けば、新たな財源を見つけるか、真の行財政構造改革を行うかであるということでした。

 それでは真の行財政構造改革とは何か。最終2ヵ年行革プランに対する意見開陳でも申し上げましたが、第一に、生産年齢人口の見直しを通じた社会の担い手の拡大です。地域創生戦略では、「団塊の世代が75歳以上となる2025年度以降、15~74歳を『拡大生産年齢人口』として、地域経済を含め広く地域づくり活動の担い手となるよう、その取組を進める」こととしています。また、高齢者問題の研究者でつくる日本老年学会でも、「高齢者を75歳以上に、65~74歳は准高齢者、現代人は10~20年前と比較し、加齢に伴う衰えが5~10年遅く『若返り』がみられる。65~74歳では活発に活動できる人が多数を占め、社会一般の意識としても高齢者とすることに否定的な意見が強い。その上で、高齢者の年齢を75歳以上に引き上げ、65~74歳は就労やボランティア活動ができるように後押しし、『社会の支え手』として捉えなおすべき。」としています。

私は、最終2ヵ年行革プランにおける老人医療費助成事業の廃止や県立施設高齢者減免要件の見直しなどはその考え方の一環であると捉えています。持続可能な行財政構造の構築には、健康寿命の延伸を進め、医療・介護費の大幅な削減を目指すとともに、さらなる参画と協働を進め、社会や行政の担い手を増やす施策の充実が必要不可欠と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 【答弁者】井戸知事

ご指摘のように、社会や地域と積極的に関わる意欲をもった元気な高齢者の存在が重要になります。

15~65歳未満の生産年齢人口をみると、2015年の335万人から2040年には268万人まで減少すると見込まれています。地域創生戦略で示しましたが、仮に生産年齢人口を75歳未満まで延ばせば、2040年でも341万人と現在を上回ることになります。平成27年の国勢調査では、本県の65~75歳未満の就業率は31.8%にのぼっています。人手不足が構造的課題となっている現状からみても、高齢者のさらなる就業を政策的に推し進めていくことが不可欠ではないでしょうか。

 このため、定年引上げ等に向けた国の施策に加えまして、本県でも、高齢者の就業機会の創出に向けて、各種事業を展開しています。県内34拠点で活動するシルバー人材センターの就労開拓等を支援しています。また、シニア起業家の事業の立上げや、コミュニティ・ビジネスの起業・就業支援を行っています。能力開発を通じた就業促進の取組としては、介護分野の資格取得ですとか就農技術の研修にも取り組んでいます。

 一方、ご指摘にもありましたが、地域づくりの担い手としての高齢者の活躍にも期待が寄せられます。地域活動に必要な知識等を学ぶ機会を提供する高齢者大学や、シニア世帯が子どもの見守りや一時預かり等を行う地域祖父母モデル事業に加えまして、来年度29年度から新たに、シニア世代が子育て世帯へのふるさと伝承事業を行う。また、地域住民が世代・性別を問わずに助け合いを行う地域相互見守りモデル事業(地域となり組事業)を推進することといたしております。これらは全て、高齢者の地域参画を促すことに繋がると考えています。

 高齢者の社会や地域での活躍は、高齢者自身の健康寿命を延伸させ、医療や介護等の社会保障費の削減にも繋がると言われています。元気な高齢者の社会参加を、雇用政策だけでなく、地域活性化、生きがい創造、健康づくりなど、様々な側面から総合的に推進して、人口減少下でも活力のある兵庫地域の実現に取り組んで参りますので、よろしくご指導ください。

 (2)人口減少を見据えた社会基盤・地域整備について

第二に、行革特別委員会では組織やハコモノの抜本的な見直しを主張してきました。例えば、(公財)兵庫丹波の森協会の丹波県民局との業務の一体化により、業務上はもとより、住民サービスの観点から効率化を図ること、また、地元による多額の運賃補助を必要としている但馬空港については、但馬地域への交通アクセスが格段に改善している中において、現実的な認識に沿った抜本的な見直しを行うべきことです。新西宮ヨットハーバー(株)についても、県はいつまで経営に関与を続けていくのでしょうか。収益性が求められる事業については、運営を民間に任せるべきです。これらの組織・ハコモノの見直しを本格的に進め、質的な改革を成し遂げなければなりません。

この様な基本的な認識の下、人口減少を見据えた基幹道路ネットワークの整備について質問します。本県では、従来からミッシングリング解消を目指し、国やネクスコ等関係機関と連携する中で道路整備に取り組んできました。もちろん、県土発展という観点からみるとミッシングリング解消に取り組むことは理解をして参りました。一方で人口減少に伴い交通需要も減少していくことが確実です。県としてもこれらの社会状況を前提に計画を見直す時期に来ています。従来の社会基盤整備プログラムは、成長経済を前提とした計画作りでありました。これからは、人口減少を前提に、新たな社会基盤・地域整備を考えるべきであると考えます。この度改めて「ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画(仮称)」を策定するに当たり、人口減少や交通需要の減少をどのように評価し今後の計画に盛り込むのか、ご所見をお伺いします。

 【答弁者】井戸知事

人口減少を見据えた基幹道路ネットワークの整備についてのお尋ねがありました。基幹道路ネットワークは、社会経済・県民生活の基盤となるものであります。

例えば、①阪神高速湾岸線の整備を契機に、臨海部では大型物流施設が10年で約5割増加いたしています。今後の大阪湾岸道路西伸部の整備により、一層の地域産業の活性化が期待できます。②北近畿豊岡自動車道の延伸に伴い、但馬地域の観光入込客が約3割増えています。また、ある町では、山陰近畿自動車道を利用して、5つの小学校の生徒が年10回程度、スクールバスで集まり合同授業を行うなど、交流の拡大も進んでいます。③南海トラフ地震等による自然災害時には、救援活動や物資補給などを行うための緊急輸送道路としての役割も担うことになります。

ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画の策定にあたっては、将来交通量とともに、これら基幹道路の幅広い役割も考慮し、検討を進める必要があります。また、今後策定する「兵庫2030年の展望」で描かれる「兵庫の将来像」の実現に向け、地域間連携のあり方なども想定し、概ね30年後を見据えた基幹道路ネットワークの姿を示してまいります。

なお、将来交通量の予測でありますけど、人口だけでなく、GDP等の経済情勢、免許保有率などの要素を考慮して算出することになります。直近の全国推計では、平成42年と17年の比較で、人口が概ね10%減少すると見込んでいますが、一方で交通量は3%の減少にとどまると見通しております。したがいまして、人口減少だけの要素では、交通量は決まらない、その辺も十分に踏まえる必要があると考えています。

今後とも、本格的な人口減少・少子高齢化社会においても、活力を保ち兵庫の元気を支える、基幹道路ネットワークの役割を求めてまいります。

なお、丹波の森協会が指定管理を担っております。丹波の森公苑は、丹波県民局職員が常駐しておりまして、県民運動、青少年健全育成、消費者行政などの業務を民間と一体的に行っております。

コウノトリ但馬空港については、今後、北近畿豊岡自動車道が豊岡まで延伸されましても、2時間かかりますから空路で40分で結んでいる効果は大きいのではないか。また更に、東京便などの就航を見通したときには、やはりその役割は十分果たしていくことになるのではないかと考えます。

新西宮ヨットハーバーは、「県民誰もが利用できるパークマリーナ」としての役割を果たしています。引き続き、単年度収支の黒字を維持しながらご指摘のように、今後の県関与のあり方についても検討してまいります。

 

(答弁後①)

基幹道路ネットワークの整備について、コメントだけさせていただきます。確

かに人口減少だけでなくて、色々な要素があるというふうに思います。ただ、私の質問の趣旨は、今後の31年以降の行財政を見た場合に、非常に厳しさが予想されますので、そういう意味で少しでも投資を有効に、投資をしていただくという観点で質問をさせていただきました。

 

(3)県政150周年記念事業等について

第三に、限られた財源の中での持続可能な行財政運営実現のために、スクラップの意味での既存施策の見直しだけではなく、ビルド部分、つまり新規施策展開時における優先順位の明示のほか、既存施策の方針転換を行う際の丁寧な説明が欠かせません。特に投資事業の実施にあたっては、将来にわたって維持管理費が発生するため、その判断には、より一層の慎重さが求められます。我が会派では、県政150周年記念事業や、小野市市場地区開発等の企業庁の施策展開について色々と指摘してきましたが、人口減少社会へ進む今だからこそ、ビルド部分に関する意識改革をさらに進めるべきです。

100周年記念事業は、戦後復興から高度成長への時代でありました。そして未来への兵庫県民の希望の象徴として、県民会館、芸術文化協会、こども病院が建設・設立されました。現在、あるいはこれからは、低成長・人口減少社会、経済の縮小社会であります。この厳しい社会情勢の中で、150周年記念事業は、ひょうごの未来に向けて県民の気持ちを一つにする事業を行うべきであります。そのためにも、シンボル的な施設ではなく、五国、県民局単位、あるいは各部局でそれぞれにおいてソフト事業を中心に展開すべきであると考えます。例えば、先日も「めざせ歴史遺産 銀の馬車道 鉱石の道」フォーラムが3市3町の住民の総決起で開催されましたが、播磨・但馬の150周年事業として展開するなど考えられます。部局の1例では、県立高校で考える県政150周年記念事業などもなかなかなものと考えます。当局のご所見をお伺いします。

 

【答弁者】井戸知事

 県政150周年は、現在の社会全体に漂う閉塞感とか不透明感を打破し、兵庫の未来を切り拓く新たな一歩を県民とともに踏み出す契機にしたいと考えます。このため、実現すべき兵庫の姿を「2030年の展望」として明らかにし、県民と共有するとともに、その実現に向けた取組を記念事業としても展開してまいります。

 記念事業の基本方針や事業計画は、地域夢会議や県民モニター調査などを通じて幅広い県民の意見を収集しながら、有識者等からなる企画委員会で議論した上で、とりまとめてまいります。具体的な事業については、ご指摘の銀の馬車道など各地域の歴史・文化資源を活用したイベントやさまざまな地域づくり活動のほか、阪神・淡路大震災からの復興やふるさと学習など各部局の取組を継承・発展させる施策を盛り込みたいと考えます。また、県庁発祥の地などの地域資源を活用しながら、県民に兵庫の歴史を伝え、交流人口の拡大や地域の活性化に資する事業を検討してまいります。

 記念事業を幅広い世代の県民との協働により展開していくためには、県民や地域団体、NPO等が記念事業のコンセプトに沿って自主的に行うイベント活動を展開していただく必要があります。このような活動に対して、県として助成をしていきたいと考えます。特に若い世代に向けては、小学生の作文・図画コンクール、中学生向けのマンガ「ひょうごの歴史」の作成、県立高等学校での全校での兵庫の未来を考察する取組などを行ってまいります。

 兵庫の未来は県民とともに創り上げるものであります。県政150周年の節目に、兵庫の向かうべき方向を考え、県民誰もが誇りと愛着を持つことができる兵庫づくりにともに取り組んでまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

2.地域創生の真髄について

 平成27年4月1日に施行の兵庫県地域創生推進条例に基づき地域創生戦略大綱が策定されて、2020年までの目標として9つの基本目標と70の施策の全県対策、さらに各県民局・センターでの地域別対策が策定されています。また、各市町においても総合戦略が策定されています。その総合戦略策定に当たっては、それぞれ総合戦略会議が開催されています。さらに兵庫県では、地域創生アクションプランが策定され、戦略の3本柱である「自然増対策」「社会増対策」「地域の元気づくり」ごとに、平成31年度までの年次目標値の達成状況を明確にするため、9つの基本目標のもとに設定した70の施策ごとに、成果指標である「総括KPI」を設定するとともに、平成28年度当初予算及び平成27年度補正予算(緊急経済対策等)の中から、70の施策の「総括KPI」を達成するために必要な主な事業について、取組指標を設定されています。また、「地域創生」トップフォーラムが、平成28年2月16日にラッセホールで開催、県地域創生NEWSレターの発行、地域創生リーフレットの作成などの取組を進められています。

 県民・市民との協働による戦略大綱の策定、アクションプランによる成果目標の設定、各種広報・啓発活動と精力的に進められています。戦略大綱などの計画づくりやアクションプランは、素晴らしい中身・出来栄えになっていると思います。

知事は新年交礼会の中で、計画づくりよりも、県民が夢や希望を感じるビジョンを示すことが大事であると仰っていました。また、以前からふるさと意識の醸成を仰っています。私は神河町の戦略会議に参加をさせて頂きましたが、どうしても戦略大綱の策定にタイムリミットがあるため、やはり計画づくりに終わっていたのではないかと思います。これまでも、地域の協働社会づくりを進めるチャンスは、市町村合併、スポーツクラブ21事業、県民交流広場事業、地域の夢推進事業などがありましたが、合併特例債や補助金獲得のための計画づくりに終わったのではないかと思います。地域創生は、これからの県民・住民の協働作業で地域を考え作っていく最後のチャンスだと考えます。 

私は、人口減少、東京一極集中になった根本的な原因は、経済活動にあると考えます。その自由主義経済の中で、この現状を変えるためには、私たちの価値観を問い直すことが必要ではないでしょうか。自由主義経済の下での物資的豊かさだけではなく、地域循環型経済を確立して、自然環境の豊かさや自然の恵みでの生産活動、これらをベースにした起業、牧歌的な地域コミュニティ、新たな農村コミュニティを創造することではないでしょうか。都会も田舎も県民・住民の協働で、人と人がつながり、命と絆を大切にした人間社会を再構築することではないでしょうか。ご所見をお伺いします。 

 

【答弁者】井戸知事

 地域創生とは、人口減少下でも、地域が活力を持って自立し、地域社会での支え合いやふるさとへの愛着に立脚した生活と心の豊かさを実現することに繋がると考えています。

 地域創生戦略でも、「2060年の兵庫の姿」として、地域に根ざした地場産業、農林水産業、生活支援産業が、人々の暮らしを支え、地域経済を循環させる。これとともに、絆によって共に支え合う価値観が広がり、様々な縁でつながる社会が形成される姿を、描いています。

 そして戦略では、起業・創業や商品開発、異業種交流、集落再生などをめぐる地域での新たな主体的な取組を後押しして、地域での循環型経済の構築を促進することとしています。青少年を対象とした地域での社会体験、自然体験の機会提供や地域づくりのリーダー養成などを通じて、絆の形成やふるさと意識の醸成を積極的に進めようとしています。これらの取組は効果の発現に時間がかかるかもしれませんが、主体的、持続的な地域づくりを実現していくうえでは不可欠なものだと認識しています。

 他方、東京一極集中のゆがみを是正し、加速化する人口減少に歯止めをかける対策も必要です。東京に続き神戸市内に昨日ですが、カムバックひょうごセンターを開設しました。大学生の県内就職支援や既卒者・UJIターン者の流入促進などに取り組む「ひょうごで働こう!プロジェクト」を推進して参ります。流入増加・流出抑制を図って参ります。

 2020年までの戦略期間における社会増対策などの喫緊の課題への対応と、地域経済の活性化や絆の再生等、中長期的な取組を車の両輪のように推進することで、持続的な経済基盤の構築と地域社会の確立とを図り、地域創生の最終目標である地域の自立を確かなものとして参りますので、これからもよろしくご指導ください。

 

3.県立大学の今後の目指す大学像と経営について

 法人移行3年が経過して、組織及び業務全般にわたる検証の実施が行われています。その中で理事長と学長の一体型でも、「メリットである機動性を発揮して、概ね計画に即した成果を挙げたものと評価できる」とされています。ただし、大学改革(教育・組織・ガバナンス)については、「国による様々な改革が矢継ぎ早に打ち出されていることから、特に教育面を中心に取組の加速化が必要である。」とされています。さらに、「3年間の取り組み、残された課題を踏まえると、多様な学部・研究科等を有する分散型キャンパスという本学の特性により、他大学よりマネージメントが難しい要因となって、理事長兼学長が、経営・教学両面にわたる重要課題のすべてに十分なリーダーシップを発揮することは困難であったことは否めない。」とされています。そして、平成29年度から、理事長と学長の分離型への移行となっています。

 神戸商科大学・姫路工業大学・看護大学のOBの皆さんからは、兵庫県立大学に移行してからは、一体化することによって旧大学の良さが埋没するだけでなく、知名度も下がっているのではないかとの声を聞いています。

それは一流企業への就職状況にも表れています。週刊ダイアモンド2014.10.18号では、関西地元17社(積水ハウス、大和ハウス、武田薬品工業、神戸製鋼所、京セラ、シャープ、日本電産、パナソニック、村田製作所、ダイキン工業、川崎重工業、京都銀行、近畿日本鉄道、NTT西日本、JR西日本、関西電力、大阪ガス)の就職者数は関西の大学で20位です。また、地元16社(積水ハウス、大和ハウス、武田薬品工業、神戸製鋼所、京セラ、シャープ、日本電産、パナソニック、村田製作所、ダイキン工業、川崎重工業、京都銀行、近畿日本鉄道、JR西日本、関西電力、大阪ガス)の役員数では5位です。このことは、旧大学時代には地元関西の大手企業に多くが就職するだけでなく多くの役員を生み出したと言うことです。近年多くの公立大学が誕生していますが、兵庫県立大学も、企業の人事には新設校と思われているのではないでしょうか。一方、日経グローカル2014.12.1号の全国の地域貢献度ランキングでは、2012年55位、2013年26位、総合順位12位と上位に位置しています。

そこで、兵庫県立大学として目指す大学像と、その経営方針について伺います。

 【答弁者】井戸知事

 県立大学は、学際的な取組、地域との協働、産学の連携の推進など、学生や地域にとって魅力ある大学づくりを目指して、平成16年度に旧三大学を統合しました。また自主的改革を目指して、25年度には独立行政法人に移行したものです。この間、まず、教育面では、グローバル教育プログラムや防災教育ユニットなどによる科目の充実を図っております。あわせて、会計研究科や地域資源マネジメント研究科等の大学院の開設をいたしました。2つに、研究面では、次世代水素触媒共同研究センターや周産期ケア研究センターを開設して充実を図りました。3つに、社会貢献面では、先端医工学研究センターを核とした医産学連携の推進や、県内五国を活動フィールドとする地の拠点整備事業、COC事業等による地域創生推進などに取り組んでいます。

 こうした成果として、就職率は景気動向に関わらず、統合前、平成15年の96.2%とほぼ同水準で推移し、27年度は統合後最高となる98.2%となっています。偏差値も、統合直後に一旦下がったのですが、その後回復し、経済、経営学部など統合前を上回る学部も出てまいりました。例えば、平成15年の商科大学時代、55でありましたが、平成26年は経済58、経営59との水準でございます。

 企業人事担当者の大学イメージランキングを見てみますと、関西各私立を抑えて全国15位になっています。就職支援に熱心な大学ランキングでは全国7位、更に地域貢献度ランキングも全国3位と、統合から10年以上が経過して、県立大学の認知度や評価は全国的に高まってきているのではないかとも言えると思います。

 しかし、今後18歳人口が更に減少していくわけであります。大学間競争に勝ち、選ばれる大学になるためには、中期計画に基づく大学改革を加速化させる必要があります。まずは経済、経営学部の再編、これを行う必要があります。環境人間学部のコースの再編も行ってまいらねばなりません。情報系大学院の統合も視野に入れております。このため、この4月から理事長と学長を分離し、理事長は法人経営に、学長が教学に専念し、それぞれが連携しながらリーダーシップを発揮し、責任と職務を全うする体制へ移行させていただきます。

 今後とも、旧三大学の伝統と総合大学としての強みを生かしながら、教育、研究、社会貢献の各分野において個性、特色豊かな大学となるように、県も積極的に支援してまいります。特に来年度からは、学長と理事長を分離した責任体制の遂行にあたりますので、成果を期待したいと考えております。

4.働き方改革について

 働き方改革、1億総活躍社会の創造が議論されていますが、兵庫における現状はどうなっているのか。兵庫県が率先して進めることが行政としての使命と考えます。次の2点についてお伺いします。

 (1)時間外労働の現状と規制について(企画県民)

 第一は、時間外労働の現状と規制についてであります。電通高橋まつりさんの過労自殺で、改めて長時間労働の実態が明らかになり、残業上限・罰則導入の議論がされています。労働基準法では労働時間を1日8時間、週40時間までと規定しており、企業は労働者に残業をさせるには労使が合意して協定(36協定)を結ぶ必要があります。厚生労働省は36協定の残業を月45時間、年間360時間までとしていますが、労使で合意すればこれを上回ることが可能となっており、上限に取り決めはありません。事実上青天井となっています。厚生労働省は、脳・心疾患を労災認定する基準を、発症前1か月におおむね100時間の残業があったことを目安の一つとしており、「過労死ライン」と呼ばれています。80時間を下回る残業でも過労死と認定される場合もあります。

 兵庫県では、36協定の残業を月45時間、年間360時間、特別な場合月100時間としておりますが、平成27年10月17日の決算特別委員会での竹内英明議員の質問に対して、人事課長から、 「平成26年度の職員の勤務時間については、知事部局の対象人数が約5,400人である。総時間数が82万時間、手当の支給実績については24億円となっている。また、お尋ねの年間1,000時間を超えて超過勤務をした職員であるが、これは人数で18人である。上位ベスト3ということであるが、最も超過勤務時間の多かった職員は、年間1,422時間、手当額にして約370万円を支給している。2番目に多い職員は、年間1,186時間で約430万円。3番目に多い職員は、年間1,167時間で約320万円というふうになっている。」との答弁がありました。また、行革特別委員会の議論の中では、時間外勤務時間が年間360時間を超える職員は約550人ことでした。実に1割の職員であります。

 ある民間企業の商品の発送作業では、包装のビニール袋を机の下から机の横にセットすることで1工程9秒の短縮を行い、1日200工程で30分の時間短縮を可能にした取り組み、また、ありとあらゆる工程の見直しで時間短縮と生産性の向上を果たしたという報道がされていました。行政と民間の労働実態は異なりますが、工夫をすれば時間短縮を生み出すことが可能ではないでしょうか。

そこで、県職員の労働実態をどのように考えておられるのか。また、具体的に時間外労働を減らす方策を考えているのかお尋ねします。

【答弁者:荒木副知事】

県民の要請に応える県政を進めるためには、職員が健康に働くことが重要である。その一つとして、超過勤務の縮減に取り組んでいる。

これまで、組織、事務事業の見直し、総務事務システム等のICTの活用、タブレットを活用したモバイルワークの導入など、業務の効率化、事務改善に取り組んできた。

こうした取り組みにより、知事部局における職員1人当たりの1ヶ月の平均超過勤務時間は、3割の定員を削減する中でも、約12時間、年間に直すと約140時間で、ここ数年、ほぼ横ばいに推移している。

しかし、災害の復旧復興業務、予算編成、人事異動などの内部管理事務を担う部署では、業務が一時に集中することから、長時間の超過勤務が発生している。その是正が課題である。

このため、県において、超過勤務の縮減に関する規則を制定し、改めて県独自の上限目標を設定していく。そして全ての課・事務所で超過勤務の実態や要因を点検し、①適切な労働時間の管理、②業務量の縮減・仕事の進め方の見直し、③タイムマネジメントに対する職員の意識改革に取り組んでいく。超過勤務が長時間発生している部署については、特定の時期や個人に集中している業務を改善していく。総合的に取り組んでいく。

 (上野議員)

3割職員が減った中でも平均の時間が月12時間ということで、少ないということだが、実はサービス残業も大分あるのではないかというのを心配している。サービス残業にならない職場の雰囲気づくりも含めて、実効ある長時間残業の縮減に取り組んでいただきたい。

(2)育児・介護休暇について

育児・介護休暇の取得についてでありますが、これも民間の取り組み事例ですが、遅刻、中抜け、早退を30分単位で取得可能にしたところ、こどもの送り迎えや親の介護の対応に対してイライラすることがなくなり、仕事に集中できるようになり生産性が向上したということです。育児・介護と仕事の両立支援は、大企業を中心に制度の普及が進んでいます。しかし、職場が休暇を取りにくい雰囲気であったり、実情に合った制度になっていない等の理由で、制度があっても充分活用できているとは言いがたい状況が多々見受けられます。県職員規定では、有給休暇、特別休暇、無給による育児・介護休暇が1日、半日または1時間単位で取得できますがテレワークも含めて、職員のその取得状況、制度に対する満足度、事務作業の効率などの効果をどのように分析しているか。また、改善すべき点などはないのか、ご所見をお伺いします。

 【答弁者:荒木副知事】

 子育て・介護等、職員の生活事情に配慮した勤務ができるよう、他府県に先行して平成27年8月から在宅勤務を実施しました。この1月時点で19人、延べ169回の利用がございます。また、28年5月からはフレックスタイム制を導入しました。同じように1月時点におきまして、24人の職員が利用しております。さらに、この29年1月には、育児休業等の対象となる子どもの範囲の拡大、最長3年間取得できる介護時間を設定するなど、休暇・休業制度の充実を図っています。

 その取組みを推進するために、「男女共同参画兵庫県率先行動計画」の中で、育児にかかる休暇・休業の取得率を数値目標として定めています。

 制度の充実に加え、利用の促進が必要です。そのため、制度の周知徹底、職員の意見を踏まえた運用の改善、さらには職員が気兼ねなく制度を利用できる職場づくりを進めてまいります。具体的には、利用の手引き等による普及の啓発、研修等を通じた管理職の意識改革、さらに今年度からは、男性職員と所属長が育児に関する休暇支援制度の取得計画について面談を行う「子育てサポートミーティング」を実施しています。新たな取組みも開始したところです。

 こうした取り組みを通じて、働きやすい職場風土の形成に努めてまいります。

5.本県におけるキャリア教育について

 子供の貧困と奨学金問題、学ぶことの保障が活発に議論され、いよいよ給付型奨学金の創設も始まります。私たちは、貧しくても勉強して社会に貢献したいと考える意欲を持った若者達を、是非とも応援したいと考えています。

 人間にとって進路を決めることは大変重要なことであります。それは幼稚園・小学校のお受験に始まり、中・高・大学受験と続きます。さらに、社会参加、この世界・日本の社会の中で自分は何を成すべきかと続きます。特に、中学から高校、高校から大学へは、人生にとって特に大切な進路選択の準備期間となります。

 過去においては、貧しいから中学あるいは高校を卒業し就職をして、夜間・通信教育で高校・大学へ通う苦学生がたくさんいました。また、中学から高校の選択において工業・商業科等の職業科の選択も非常に難しいことであります。中には「僕は勉強苦手やから職業科を選んで大学には行かず就職します。」という方もいました。

 私は、自分の進路を自分で決めることができる教育と進路指導が重要と考えます。現行学習指導要領の理念、「確かな学力」と「生きる力」を養い、「豊かな心」と「健やかな体を」育むの「生きる力」です。そのために職業観にとどまらず人生観を養うキャリア教育が重要と考えます。さらに、これからだと思いますが、アクティブラーニングによる授業への移行が必要であると考えます。教育長のご所見をお伺いします。

 【答弁者:高井教育長】

 社会や産業の構造が激しく変化をして、将来の予測が困難な世の中に対応するためには、生徒自身が、自分の人生に一定の見通しや目標を持って、その実現に向かって個性や能力を生かして学びを深めることが大切です。中学校や高校における進路指導におきましても、生徒自らの意志と責任で、人生観とまではいかないかもしれませんが、一定の将来像の上に、主体的に進路を選択し、自分らしい生き方を実現しようとする視点が重要でございます。

中学校におきましては、安易に試験の点数だけで行ける学校を選択するというのではなく、高校の行いますオープン・ハイスクールや学校説明会等を通して得た情報などを元に主体的に進路選択を行うよう、各学年において計画的な指導に努めているところです。また、高校進学後においても進路選択の可能性が広げられますように、近年、普通科目と専門科目の両方を学べる総合学科を県下に15校設置をしております。また、かつては専門学科へ行くと基本的には就職というのが一般的でしたが、今日では、工業、商業などの専門学科の生徒の約44%が大学や専門学校などに進学しておりまして、高校進学後にも様々な生き方を学んだり、多様な進路選択が可能となっているところです。

小・中・高の各学校では、児童生徒のキャリア形成を支援するため、自分の成長を振り返ったり、将来の生き方について考えたりする学習に、度々答弁に使わせてもらってますが、キャリアノートを使っておりますが、その際に議員ご指摘の通り、そうした学びがより深まりますように、あらかじめ自分で考えたことを生徒間で意見交換をしたり、議論したりすることで、新たな考え方に気付いたり、あるいは、様々な事象の中から課題を見つけ出して、その解決方法を集団で探究していくといったような、いわゆるアクティブ・ラーニングの視点を今後さらに取り入れてまいりたいと考えております。また、トライやる・ウィークをはじめ、各種の体験活動と各教科の学習とをキャリア形成の視点から体系的に結びつけて、学校の教育活動全体を通じて行うキャリア教育の実践研究も今年行っていきたいと考えています。

今後とも、生徒が長期的な展望を持った進路選択を行い、自分らしい生き方を実現できますよう支援してまいります。

 6.災害時のスムーズな交通確保を見据えた県警の取り組みについて

 昨年、4月には熊本県で震度7の大地震、10月には鳥取県で震度6弱、11月には、東北地方で再度マグニチュード7.4の地震に見舞われました。

 本県においても、南海トラフ地震が今後近いうちに高い確率で発生すると言われています。また、地球温暖化・異常気象による豪雨被害や豪雪被害などが多発をしています。

 大規模災害が発生した場合、発災後72時間を境に生存率が大きく低下すると言われており、救出・救援活動は、まさに時間との闘いであります。災害応急対策を的確かつ円滑に実施するためには、人命救助や緊急支援物資の搬送等に従事する車両が速やかに被災地へ入ることが肝要であり、こうした車両の通行を確保するため、災害対策基本法では、一般車両の通行禁止・制限を交通管理者である公安員会が路線と区間を緊急交通路して指定することが規定されています。

本県においても、阪神地域16路線、但馬・丹波地域9路線、東・西播地域22路線、淡路地域2路線が緊急交通道路に事前指定されています。熊本県では風水害などの広域災害を想定した計画は立てられていましたが、直下型地震の想定はしておらず、各地で混乱が生じたと報道されています。また、大規模災害時には、停電による信号機の減灯等により車両事故が増加する傾向が東日本、熊本でも確認されており、救援活動の障害となっています。

これらに対して緊急交通路を指定するときには、災害の発生場所や規模等に応じた適切な路線を迅速に指定することが求められます。

県警察においては、災害発生時の停電等に備えた信号機の整備を順次進めていると聞きますが、財制的な面においてその整備は十分に進んでいないのではと危惧をするところです。

そこでその整備状況と、災害発生時における交通規制対策にどのように取組を進まれているのか、ご所見をお伺いします。

2017年04月21日(金) カテゴリー: 一般質問等, 未分類 | コメントはまだありません »


2016.10.26決算特別委員会総括質疑

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1 公共施設等の適正な配置の考え方について

 企画県民部審査において、丹波の森公苑に関して質問する中で、大きな観点で気になった点をまず伺います。

 丹波の森公苑は県民の生活創造活動を支援する県立生活創造センターの第1号として整備され、その後、生活創造センターは、神戸、東播磨に整備され、県下の他地域においては、同じ機能を有する生活創造情報プラザが但馬文教府、西播磨文化会館、淡路文化会館等に設置され、県下各地を概ね網羅し、県民の生活創造活動の拠点となっています。

 一方、丹波の森公苑とともに丹波の森協会が管理運営する「ささやまの森公園」は、農政環境部の所管ではありますが、「ふるさと森公園」の一つとして篠山市に整備されています。その他にも、加東市、多可町、姫路市夢前、宍粟市山崎、宝塚市に整備されており、県下中部に集中していると感じます。

 また、丹波の森協会が園芸・公園協会と共同管理している丹波並木道中央公園は県立都市公園です。これも、神戸・阪神地域や淡路地域に集中し、中播磨地域、但馬地域には配置されていません。かなりアンバランスな配置となっていると考えます。

 個別の配置の考え方は、各部局で整理はされているものと考えますが、人口減少社会を迎え、本県の今後の姿を見据えていく上で、このような類似施設については、公平と効率を踏まえて配置していく必要があることを指摘しました。

 一方、本定例会では、地域創生戦略が議決されました。今後、各地域が機能を分担し互いに補完しながら、兵庫全体の総合力や魅力が高まるよう、「多様性と連携」を基本に地域創生に取り組むとしています。その一翼を担う公共施設に関しても、人口減少が進む中で、公平、効率等の一定の考え方に基づいて適正配置を図っていくことで、兵庫らしい地域創生が進むと考えます。

 そこで、人口減少社会への対応としての地域創生を進めていく観点から、類似施設も含めた公共施設の適正配置の考え方を示していくべきと考えますが、当局の見解を伺います。

知事答弁

 公共施設については、施設ごとに設置目的や機能をはじめ、利用者の利便性、地域バランス、市町との連携等の観点を考慮し、配置している。

 生活創造センター及び生活創造情報プラザは、県民が暮らしの中で生活創造活動を行うための拠点施設であることから、各地域に配置している。同様に、県民が日常的に親しむスポーツ施設も、地域バランスを考慮して県下全域に整備している。

 ご指摘のふるさとの森公園は、自然活用型野外CSR事業の中で、県下中央の里山に適した豊かな県有林を活用しながら、勤労者が気軽に自然を楽しむ施設として整備してきたものである。

 県立都市公園は広域的見地に立って、市町の都市公園との連携も図りながら整備を進めてきた。中播磨では県立都市公園はないが、市立の姫路公園があり、姫路市の都市公園面積は県内で神戸市に次ぐ規模である。大河内高原についても、地域創生リーディングプロジェクト等により整備・活用を進めている。また、但馬においては、コウノトリの郷公園や但馬牧場公園など、地域の特色を生かした施設整備を行っている。

 地域創生の実現をめざすためには、公共施設は地域の活性化や暮らしの質の向上を図る重要な資源となる。特に、全県にわたる交通ネットワークの形成や、安全安心確保のための耐震、耐津波、土砂災害防止対策なども計画的に進めていく。県の出先機関の庁舎についても適正配置を検討していく必要がある。

 今後とも、施設の特性や地域バランス等を考慮するとともに、地域の元気を生み出す視点も大切にしつつ、施設の適正配置に努める。

2 がん対策の推進について

 健康福祉部審査で我が会派の前田委員が、検診の受診率向上などについて伺いました。

 本県では、死亡原因が第1位となっているにもかかわらず、検診受診率が全国ワースト10という状況の中、無料クーポン券などの配布、検診機関までへのバス送迎のほか、健康づくりチャレンジ企業に登録した中小企業への支援も助成経費を増額して利用拡大を図っています。その結果、受診率が低い重点市町のうち12市町が重点から外れるなど、一定の効果が出ているものの、人口の多い市町をはじめなかなか向上が進まないとの答弁でありました。

 費用助成だけでなく、意識醸成のためのPRも様々な形で実施しているようですが、前田委員も提案した教育機関での「がん教育」との連携、青少年への普及啓発を家庭への普及につなげていくなど、様々な形で県民の意識醸成を図る取組みを行っていく必要があると考える。

 先にも述べましたが、がんは、死亡原因の第1位であります。それに対し、現在死亡原因8位の自殺においては、平成19年には死因6位、本県で年間1,420人もの自殺者がいましたが、明確な目標や年次計画の設定、警察、市町等の関係機関との徹底した連携、各県民局単位での徹底した取組みなどを、議会からも提案し、昨年26年は1,147人と、目に見える形で成果が出てきていると考えます。

 がん対策推進計画においては、平成29年度に向けての目標値として、75歳未満の10万人当たりのがん死亡者67.9人、個別目標として検診受診率50%、要精検受診率90%などが定められていますが、目標と達成率などをもっと県民に明確に打ち出していくことも意識啓発の醸成につながるのではと考えます。

 先の病院局審査で同じく前田委員が取り上げましたが、全国に先駆けて整備された県立粒子線医療センター、平成29年度開院に向けて整備している「小児がんに重点を置いた新粒子線治療施設」など、本県はがんの治療面では全国のトップクラスと考えます。出口部分の、この充実した治療体制と同様に、入口部分の、早期発見に向けた受診率も全国トップクラスを目指した取組みが望まれます。

 そこで、がん対策の推進について、受診率が全国比較でもかなり低い本県の現状を踏まえ、抜本的な県民の意識啓発に取組むべきと考えますが、当局の決意を伺います。

答弁

 本県では、25年度からのがん対策推進計画におきまして「がんによる死亡者の減少」を全体目標の1つに掲げました。目標年度の29年度までに75歳未満年齢調整死亡率を人口10万対67.9にする。これは、平成19年が90.5、26年が79.0でございましたので、このままいくと思います。それから検診受診率を50%にする、このような個別目標を掲げて、市町支援、企業との連携、医療体制の充実等に取り組んでまいりました。

 この結果、22年から25年にかけてのがん検診受診率の伸び率は、子宮頸がんが20%増で全国1位、乳がんは18%増で3位と、その成果は少しずつ表れてきております。

 市町への支援につきましては、いわゆるコール・リコール(これは検診の個別勧奨あるいは再勧奨でございますが)これを推進いたします市町への国保調整交付金の重点配分、あるいは重点市町の指定によりまして受診率向上への取り組みを後押しいたしております。今後は、来年1月から始まります全国がん登録制度、これに基づきまして、地域別のがんの特性を分析して、地域の実情に応じた対策を立てる予定でございます。

 県民への意識啓発につきましては、がん検診等受診率向上推進協定企業による市民公開講座(コープこうべをはじめ13団体ございます)、あるいは全圏域に置いておりますがん診療連携拠点病院、あるいはこれらで構成いたします連携協議会等による県民向けのフォーラム等で、がんや検診に対する意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、健康づくりチャレンジ企業とは、がん検診を受診するための休暇取得の促進など、環境づくりも併せて進めてまいります。

 特に、ご指摘の教育機関におけるがん教育についてでございますが、今年度、県立高校2校での講演会、あるいはがんについての啓発教材と指導資料の作成等が行われますことから、連携をいたしまして青少年へのがんに対する正しい理解を深めてまいりたいと考えております。

 本県の地域創生に向けた健康長寿社会づくりのために、事業所、医療関係者、市町等との連携体制を強化して、地域の課題や特性に応じた受診率向上も含めたがん対策に全力で取り組んでまいります。

答弁

 地域の活性化には、サラリーマンではなく事業主を増やすことは欠かせない。まず起業家の掘り起しのため、商工会議所等の創業塾を支援している。また、ひょうご産業活性化センターによる事業化に向けたコンサルティングや事業計画発表を通じてマッチングを図るひょうご・神戸チャレンジマーケット開催等の取組みを行っている。

 資金調達の支援としては、優れたビジネスプランを有する起業家への無利子貸付や新規開業者への低利貸付など、全ての創業者を対象とする支援を行っている。特に女性やシニア、UJIターン者については、初度調弁や立ち上がり資金の補助制度を展開している。女性ならではの感性、シニアやUJIターン者の経験やネットワークなど、強みや特性に応じてきめ細かくターゲットを絞ることで、創業希望者の潜在力を効果的に引き出し、円滑な事業展開が行えていると考える。

 昨年2月には、新規開業貸付について自己資金の要件を撤廃することにより、前年度比154%増の約7.7億円の貸付実績となった。100万円を上限に起業を支援する女性起業家支援事業も人気が高く、毎年100件以上応募があり今年度も31件を採択した。

 また、NPO法人についても、従来のコミュニティ・ビジネスの立上げ支援に加え、ビジネス性重視の起業支援についても対象にしていく。さらに、若者の活躍は地域創生に重要であり、優れたアイデアや技術を持つ若者によるクリエイティブ事業の創出支援も検討していく。

 一方、起業のリスク軽減については、活性化センター等による相談・助言により事業の失敗リスクを低減させている。また信用保証協会が金融機関と連携し、経営者個人の連帯保証を要しない法人への融資について保証を行っている。制度融資でも、自己資金や担保が不要な低利の再挑戦貸付により一旦廃業した人の起業を後押している。 これら多彩な支援メニューを活用し、金融機関を含む支援機関と一体となって、起業家の掘り起こしやリスク軽減等の起業支援に取り組み、元気兵庫の源として、様々な人材が能力を発揮し、起業という選択肢を通じて活躍できる環境づくりを進めていく。

3 元気兵庫の実現に向けた多様な起業支援について

 産業労働部の部局審査において、前田委員が県の起業支援のNPO法人への支援対象拡大などについて伺いました。

 日本の起業率は、欧米に比べ圧倒的に低い状況にあります。2013年度に発表された政府の「日本再興戦略」においても、日本の5%程度の起業率を欧米並みの10%に引き上げることを目標として取り組んでいます。

 そういう中で、本県においても様々な支援をしていますが、前田委員からは、若者起業家やNPO法人への支援の充実のほか、本県における地域創生の推進や、欧米並の起業率の実現に向けて、事業を興そうとする人材全体を対象として、細分化している現在の支援策をある程度統一して、起業家全体の底上げ、掘り起こしを行うべきではないかということを提案しました。

 また、起業にはリスクが生じます。日本人は特にリスクを敬遠するという国民性もありますが、起業リスクを軽減することが推進につながることは明白です。そこで、まず、気になるのが廃業リスクです。起業には廃業のリスクがつきものですが、欧米では高い起業率と同程度の廃業率となっています。ただ欧米では、廃業後に短期間で再度起業することも多い反面、日本では廃業で生じた債務を個人保証などしているため、廃業の決断がとりづらく、その上で廃業となると再起はなかなか困難な状況となっています。この点でのリスク軽減を図っていくことも必要ではないかと考えます。

 いずれにしても、本県の地域経済の発展を促し、地域創生を実効あるものとする上でも、起業家の掘り起こしや起業のリスク軽減など、多様な起業支援が必要と考えますが、当局の見解を伺います。

答弁

 地域の活性化には、サラリーマンではなく事業主を増やすことは欠かせない。まず起業家の掘り起しのため、商工会議所等の創業塾を支援している。また、ひょうご産業活性化センターによる事業化に向けたコンサルティングや事業計画発表を通じてマッチングを図るひょうご・神戸チャレンジマーケット開催等の取組みを行っている。

 資金調達の支援としては、優れたビジネスプランを有する起業家への無利子貸付や新規開業者への低利貸付など、全ての創業者を対象とする支援を行っている。特に女性やシニア、UJIターン者については、初度調弁や立ち上がり資金の補助制度を展開している。女性ならではの感性、シニアやUJIターン者の経験やネットワークなど、強みや特性に応じてきめ細かくターゲットを絞ることで、創業希望者の潜在力を効果的に引き出し、円滑な事業展開が行えていると考える。

 昨年2月には、新規開業貸付について自己資金の要件を撤廃することにより、前年度比154%増の約7.7億円の貸付実績となった。100万円を上限に起業を支援する女性起業家支援事業も人気が高く、毎年100件以上応募があり今年度も31件を採択した。

 また、NPO法人についても、従来のコミュニティ・ビジネスの立上げ支援に加え、ビジネス性重視の起業支援についても対象にしていく。さらに、若者の活躍は地域創生に重要であり、優れたアイデアや技術を持つ若者によるクリエイティブ事業の創出支援も検討していく。

 一方、起業のリスク軽減については、活性化センター等による相談・助言により事業の失敗リスクを低減させている。また信用保証協会が金融機関と連携し、経営者個人の連帯保証を要しない法人への融資について保証を行っている。制度融資でも、自己資金や担保が不要な低利の再挑戦貸付により一旦廃業した人の起業を後押している。 これら多彩な支援メニューを活用し、金融機関を含む支援機関と一体となって、起業家の掘り起こしやリスク軽減等の起業支援に取り組み、元気兵庫の源として、様々な人材が能力を発揮し、起業という選択肢を通じて活躍できる環境づくりを進めていく。

4 農林水産業における生産者の自立について

 TPPによる関税撤廃項目が公表されました。全体で95%の関税撤廃、農林水産物においても、コメ、牛・豚肉、麦などを除く81%の関税が撤廃されます。まさに、産業としての力強い農業の確立に向け、待ったなしの状況となっています。そういう中、本県においては、農林水産業も一つの柱として地域創生戦略を策定し、人口減少社会における5年間の方針を定めるとともに、新たな農林水産ビジョンの策定にも取り組んでいます。

 このような背景を受け、農政環境部審査においては、農業、林業の再構築に当たって、様々な形での担い手の育成の重要性を指摘しました。漁業も含めて、まさに大きな転換点に迎えた農林水産業の再構築において、生産者の自立という視点が不可欠となると考えます。

 農業に関して言えば、新規就農者の年間目標300人を昨年度は達成し、県として、さらにそこから地域農業の振興に重要な担い手へと育成し、生産者としての自立を図るため、様々な取組みを実施しています。一方で、林業、漁業に関しては、農業ほど取組みが進んでいないと感じます。

 いずれにしても、農林水産の各分野において、ある程度の行政支援は必要ではありますが、行政支援に頼り切るような形で生産者の自立を図るのでは継続性がないと考えます。持続性ある自立の流れ、生産者の自立が継続して生み出される好循環を生み出すシステムのようなものが構築されれば、ひょうごの農林水産業の再構築へのビジョンも明確になると考えます。

 そこで、現下の農業を巡る厳しい環境の中、ひょうごの農林水産業の再構築に向け、いかに生産者の自立を促す仕組みを構築していこうとするのか伺います。

答弁

 自立した農林水産業を展開していくためには、将来にわたり持続できる、収益性の高い経営体の育成が重要である。

 このため、①農業では、小規模稲作兼業農業から付加価値の高い野菜生産への転換や、稲作における集落営農組織、法人経営体による規模拡大、②林業では、生産サイクルが実現する資源循環型林業の構築、林業事業体の収益性向上をめざす。③水産業では、瀬戸内海におけるマリンツーリズムや新たな養殖の導入による複合漁業経営の展開、日本海における新型漁船への更新による沖合底びき網漁業の発展をめざす。

 これらを実現するため、農業では、人材育成として、①農業MBA塾などによる担い手の経営能力の強化を図るとともに、経営基盤の確立として、②農業施設貸与事業などを活用した収益性の高い施設園芸の取組拡大、③農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約化による経営規模の拡大などを推進している。

 また、林業では、①経営者、森林施業プランナー、現場技能者の経営・技術力の向上、②低コスト原木供給団地の設定や、路網整備の推進、高性能林業機械の導入、③CLTや但馬テイポス等新技術の導入、④バイオマス発電等への未利用木材の供給などを促進している。

 さらに、水産業では、①大輪田塾等による漁業者の経営力強化、②所得の向上を図る「浜の活力再生プラン」の実践支援、③アサリや一粒(ひとつぶ)カキ等、新たな養殖業での技術導入などを支援している。

 今後は、TPPの大筋合意も踏まえ、従来の取組に加え、即戦力となる人材を養成する「ひょうご林業大学校(仮)」の創設、高鮮度保持施設や低燃費エンジンを装備した漁船への転換支援、さらには、林業、水産業の設備貸与制度創設などを検討していく。

 今後とも、経営能力に優れた人材育成や経営基盤の強化を進め、収益性の高い担い手中心の力強い本県農林水産業を再生する。

5 教職員の多忙化の改善について

 この件については、これまでから我が会派の多く議員が取り上げ、指摘、改善を求めてきました。決算委員会の教育委員会審査においても、竹内委員より、教職員の個人賠償責任保険加入、教頭の激務の状況などを確認しながら、なかなか改善が進まない教職員の多忙化の現状を指摘しました。

教 職員の多忙化については、長年の懸案となっており、平成20年度に教職員の勤務時間適正化対策プランを策定、平成24年度末には新対策プランを策定し、多忙化改善に取り組んできましたが、「いじめ」や「モンスターペアレンツ」など社会を賑わす問題への対応のほか、児童生徒、保護者、社会からの要請のさらなる多様化・高度化により、教職員の職務に対する時間的・精神的負担の改善は、目に見えた形で成果は出ていない現状にあると考えます。

 「ひょうご教育創造プラン」の平成26年度実績報告においても、教職員の業務改善の観点の指標で、週1回の「ノー会議デー」を実施している学校は88%に上りますが、「定時退勤日」の実施は66%程度という状況にあります。また、多忙化ばかりが原因ではないと思いますが、精神疾患による療養者数も増加している状況にあります。様々な対策を行うものの、様々な側面からの業務の多忙化、多様化がさらに進んでいるのではないかと危惧します。

 このような状況の中、教頭先生の業務に関して、来校者対応、保護者対応等が多くなるとともに、雑務対応も含めて、大変な激務となっている現状を竹内委員が指摘しました。緊急突発的な業務に関して管理職が対応することは、組織の業務執行体制としてよくあることであります。また、教頭先生は教員の様々な業務の総括を行うものとして多忙となることは、校長へのステップアップに向けたマネジメント能力を身につける段階であり、むしろ積極的にチャレンジする意識が醸し出されるような職場環境でなくてはならないと考えます。ただ、それが常態化、顕在化し、教頭のなり手不足や教頭からの降格希望が出るようでは、教職員全体のモチベーションの低下、ひいては兵庫の教育力の低下につながっていくことを危惧します。

 以上述べてきたとおり、教職員の多忙化改善は緊急課題だと考えます。教職員の多忙化改善に向けた、教育長の決意を伺います。

答弁

 教職員の多忙化につきましては、従前から課題と認識しており、平成24年度にご質問にもありました、教委から学校への調査・照会の簡素化ですとか、業務のIT化、会議や部活動の見直しなどによる超過勤務縮減を柱とする多忙化対策のプランを策定して、全県的に取り組んでまいりました。その結果、教育委員会から学校への調査・照会の削減ですとか、一人一台のパソコン配置、それから、生徒の通知表・指導要録等の入力の電子化などにより、一定の業務の効率化は図られてきたところです。

 しかし、教諭として行う業務そのものの見直しによる超過勤務縮減は未だ十分とは言えない状況にあります。その主な要因は、小学校では生活指導、保護者対応に係る時間、中学校や高等学校では生徒指導や部活動指導に係る時間の縮減が難しいためであるというふうに考えております。

多 忙化対策のプランを推進するにあたりましては、プランを作ってから25・26・27年の3年間で県内すべての学校を業務改善推進校に3分の1ずつ指定するかたちで指定をいたしまして、各校で工夫を凝らした取組を進めてもらっています。その中で、すべての教職員に業務改善への取組の役割を一人ひとりに割り当てることから、教師の業務縮減への意識改革が進み、「ノー会議デー」「ノー部活デー」などを完全実施できている学校などもありますので、情報交換会などで、それらの優れた取組の共有化を図っていきたいと考えています。

 なお、教頭につきましては、会議の精査など業務そのものの縮減と、一方で主幹教諭の活用により、業務を分散して負担を軽減できるように、今後も継続的に指導してまいります。国に対しましても、定数改善による教頭の大規模校などへの複数配置の拡充を要望するとともに、文部科学省の方で現在進めようとされている「チーム学校」による事務職員の定数改善にも期待をしているところです。

 今後、現在の取組をさらに推進するとともに、来年度には、これまで3年間の取組を検証して、その結果に基づいて、すべての教職員が多忙感の軽減を実感できるよう、さらなる取組を進めてまいります。

6 警察人員の配置の考え方について

 公安委員会審査で前田委員が警察署別の交通事故件数、刑法犯認知件数の資料を示しながら質問しました。

 この2指標での分析では警察署間に最大8倍もの差があるものの、2指標以外の要因でも、多様な業務、多様な地域事情があり、それらの要素を総合的に勘案した結果、唯一の正解はないとしながらも、適切な組織体制の構築を図っているとの答弁でありました。

 また、昨年12月の我が会派の代表質問における答弁でも、警察官の適正な定員については、治安情勢等に応じて不断の見直しを行っていくとの回答があり、その不断の見直しに関しては、各署で生じた新たな事案事象などを細かくヒアリングを行い、全体最適の観点で取り組んでいるとのことでありました。

 確かに、豊岡北、養父、佐用、宍粟、福崎、篠山等の小さな警察署では、最低限必要な配置人員が優先され、交通事故・刑法犯認知件数で比較するには無理があるのは承知をしています。前田委員が指摘しているのは、2指標は一つの例示であり、その他の色々な指標、例えば市街地面積、人口、住家戸数、110番受理件数等々、客観的な指標も一つの判断基準であること、また、外部有識者も加えて検討することも含めて、警察署からのヒアリングという形だけでなく、客観的な検討の結果として、適正な配置人員を導き出すべきではないかと指摘したところであります。

 そこで、警察人員の定数配置について、県民の安全安心に直結する案件であることからも、適正な配置人員を県民にわかりやすく客観的に説明していく考え方について、所見を伺う。

答弁

 警察署の人員配置については、県下全域の治安維持力のバランスと住民の利便性の確保を重要視している。

 指標では、比較的負担が軽いとされる小規模警察署においても、事件事故の発生や行政手続き、災害等の事案対応や夜間体制確保の観点から初動措置に最低限必要な人員を配置している。

 また、指標が極めて少ない地域であっても地域住民のニーズに応えるために駐在所を設置し、警察官を配置しており、これらの結果、2つの指標について格差が生じているところである。

 県警察における警察署定員は、多くの治安指標の項目をその時々の治安情勢や課題に応じた観点で分析するとともに、関係各部間におけるヒアリングを行うなどして、数値面と現場の実情の両面から検討した上での決定を行っているところである。

 県警察では、これまで警察署の体制について県民の声に耳を傾けるべく、外部有識者による検討の場を設置し、その意見を警察署再編整備などの施策に反映してきたところである。

 今後も警察署については、各地域において県民の安全と安心を確保する体制を構築していく。

7 警察職員関連事案について

 昨日、1ヶ月間で3人目となる職員の自殺の報道があった。そして、その3人は全て寮に入寮していた。それぞれの事案については、今後、原因調査を含め、再発防止に取り組まれていくと思う。ただ、1カ月で3人もの事案が生じたこと、また3人目の職員はいろいろな事情聴取中であったことなどから、少し組織的に甘かったのかなと思う。県では自殺対策の取組みで大きな成果が出ているところである中、このように事案が連続して生じたことに対する本部長の認識を伺う。

答弁

 委員指摘のとおり、先月末から今月にかけて、3人の警察官が自殺を図ったところであり、その動機等について現在調査中でありますが、いずれにしても若い警察官が自殺したということは、誠に遺憾である。

 県警察としては、今後も職員のメンタルヘルスに十分に配意することなどにより、自殺防止に努めていきたいと考えている。

8 人口減少社会を踏まえた財政状況の見える化について

 財政状況の審査において、我が会派の竹内委員の質問で、外郭団体等への年度当初の単年度貸付金に関して、次年度の単年度貸付金で出納整理期間中に地方公共団体の前年度歳入として外郭団体等が償還することを毎年度繰り返して、単年度貸付が続いているように見せかける、いわゆる「単コロ」について確認しました。夕張市問題で表面化したこの「単コロ」ですが、本県も平成18年度まで約500億円程度、実施していたことが明らかになりました。今まででは、なかなか説明されなかった内容であり当局の真摯な態度に敬意を表しますし、大変なご苦労をされていたのだと理解をしました。竹内委員も申し上げましたが、私も平成19年度に初当選をさせていただきました。その9月議会で知事は、大幅な歳入欠陥が生じる恐れがあることを表明されて、結果、600億円余りの予算留保・執行停止がなされました。私たち議員も地元において、執行停止になった事業の理解を得るのに大変な苦労も致しました。

 また、一般質問等を通じて指摘してきたみどり公社へのオーバーナイト貸付についても、粘り強く民間金融機関と協議した結果、平成26年度で終了し、民間金融機関からの融資に切り替えることができたことも明らかになりました。

 加えて、企画県民部審査において指摘した公共施設等の老朽化対策の必要性も含めて、これらのいずれも総務省の「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに係る研究会」において、新たな課題として認識され、財政健全化に向けた財政分析手法の再検討がなされています。様々な財政指標が全国的によくなっているものの、全ての負債が網羅されていないとして、特に、オーバーナイト、単コロ、年度を越えた基金の繰替運用などは、厳しく取り扱うことについて検討がなされています。

 また、公営企業会計においても、平成23年度の地方公営企業法施行令等の改正に伴い、会計基準の見直しが行われ、平成26年度予算及び決算から適用になりました。その影響は、県内13自治体21事業の債務超過が判明したことが報道されたほか、本県の平成26年度公営企業会計決算においても、債務超過でないものの、監査委員からの審査意見書で財政状態を示す固定比率が上昇、流動比率が低下しているものが多く見られます。基準の見直しについては、不透明との指摘があった公営企業の経営状態の透明化に向けた第一歩としては評価します。ただ、企業庁審査で竹内委員が質問した地域整備事業における事業化方針の決まっていない進度調整地、簿価にして493億円についても、411億円もの資本があることも踏まえ、この見直しに合わせて自主的に時価評価を行い、県民に厳しい現状を伝えていくべきであったことを指摘しておきます。

 いずれにしても、今後の人口減少社会の進展を踏まえ、このような将来世代への負担に関連する財政状況については、総務省での透明性の高い財政分析手法の検討と並行して、県民にわかりやすい形で公表していく責務があると考えます。

 そこで、総務省の研究会での検討状況等を踏まえ、将来世代への負担などに係る財政状況のさらなる見える化について、知事はどのような見解をお持ちか伺います。

答弁

 将来世代への負担を把握し、県民に分かりやすく公表することは、行財政構造改革に取り組む本県にとりまして非常に重要な問題であるという風に認識しております。このため、将来負担比率等の健全化判断比率をはじめといたしまして、公営企業や公社等を含めた連結財務諸表等の作成・公表のほか、本県独自の取り組みといたしまして、行革プランにおきまして平成30年度までの財政運営の目標を定め、毎年度、各種財政指標の見込みを発表させていただいているところでございます。

 ご指摘の総務省研究会につきましては、地方財政健全化法の全面施行から5年が経過したことを契機といたしまして、従来は将来負担として捕捉されてこなかった項目の取扱いについて検討が行われておりますが、本県では既に、いわゆる単コロにつきましては廃止をし、兵庫みどり公社におけるオーバーナイトにつきましても昨年度末をもって解消を図ったところでございます。

 県債管理基金から地域整備事業会計に対して行っている年度を越えた基金の繰替運用につきましても、条例の規定に従いまして、歳入歳出予算に定めて実施をしているものでありまして、また、同会計の決算書においても、県債管理基金からの借入金として明示をしているところでございます。

 また、進度調整地につきましては、第3次行革プランに基づき、県民・企業ニーズや事業の採算性を踏まえ、その利活用を検討していくこととしております。その具体的な計画が定まった時点で、時価評価を含め適切な対応を行ってまいります。

 今後とも国の動向等を注視しつつ、将来負担に関する公表のさらなる充実を図り、財政状況の見える化を推進してまいります。

2015年12月10日(木) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


2012.2.24一般質問

  私は、今、日本は人口減少社会という国難にあると考えています。地方経済を元気づける当面の対応も必要ですが、一時的な景気対策でなく、真に地方を含めて日本を一から作り直す国家ビジョンが必要ではないかと考えます。評論家の中には、地方創生には「平成の合併」を元に戻すしかないと言われる方もいますが、その是非はともかくとして、国家100年の計を打ち立てなければなりません。人口減少対策に特効薬はありません。今、「3だけ」人間(「今だけ」「自分だけ」「金だけ」)と言われていますが、自分の出世と金儲けだけを考えるのではなく、自分の生まれた町や日本の将来を根本において人生を考える、そのような教育しかないのではないでしょうか。いつの世も国難を切り拓いてきたのは「教育の力」だと思います。「国家100年の計は教育にあり」です。

と申し上げ、以下3項目5点について分割方式で質問致します。

 1 人口減少対策について

(1)人口減少社会を生み出した要因について

 日本創成会議・人口減少問題検討分科会(座長:元岩手県知事 増田寛也氏)が発表した将来推計人口調査は、社会全体に大きな波紋を拡げ、人口減少対策はその後の国・自治体にとって最重要課題となっています。推計によると2040年には全国896の市町村、実に全国の自治体の約半数が「消滅可能性都市」として、今後、持続的な行財政運営が困難になってくるとされています。県内でも21市町がこの消滅可能性都市に該当しており、神崎郡の3町も含まれています。さらには、896自治体のうち、523の市町村は人口が1万人未満となり、消滅の可能性が極めて高いと報告しています。人口減少の要因は、20~39歳の若年女性の減少と地方から大都市圏(特に東京)への若者の流出の2点であり、少子化対策と東京一極集中の是正を行う必要があると述べられています。

 ちなみに、神崎郡における新成人人口と出生数の状況を見てみますと、福崎町の平成27年1月の人口は19,736人で、そのうち新成人数は234人、また23年から25年までの1年間の平均出生数は160人、市川町の27年1月の人口は12,522人で、そのうち新成人数は143人、1年間の平均出生数は73人、神河町の27年1月の人口は11,510人で、そのうち新成人数は149人、1年間の平均出生数は59人、と3町ともに新成人数と比べて出生数が大幅に減少しており、確実に少子化が進んでいます。また、平成26年2月時点における県内の市町別の高齢化率の状況を見てみますと、神崎郡では神河町が32.7%と県内で6番目に高く、次いで市川町が31.9%と県全体の高齢化率25.3%を上回り、福崎町が25.1%とわずかに下回る状況であり、人口減少とともに急速に高齢化も進んでいることが分かります。

 なお、神崎郡3町における20年後の人口を新成人数に対する出生数の割合をもとに単純化して試算してみますと、福崎町で現在の19,736人から約68%程度の13,420人にまで減少し、同じく市川町で51%程度の6,386人、神河町で40%程度の4,604人まで減少することなります。もちろん、人口の増減は様々な要因があることは承知していますし、市川町や神河町はここまで人口が減少しないかもしれませんが、ただ、現状もそうであるように神河・市川町の多くの若者が結婚をして福崎町に住んでいるという状況が見られ、自分が生まれ育った地域になかなか人口が定着しないという傾向が今後ますます拡大するのではないかという不安を抱いております。

 県においても過去に国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口結果に基づいて、独自に2040年の将来推計人口予測をしており、そのなかで、本県の総人口は2010年をピークとして2040年には現在の553万人から467万人まで86万人も減少することになっています。

 確かに、数字的な現象は、増田氏の述べられているとおりだと思いますし、地方においては若年世代の東京や大都市への人口流出が人口減少の大きな要因であると思いますが、やはり根底には効率を優先したまちづくり・国づくり、大企業を中心とした効率を優先した産業・経済構造にあると私は考えています。また、若者を地域に引き留めるには雇用の場の確保が必要だと言われますが、神崎郡で言えば中播磨や東播磨、北播磨、西播磨を通勤圏内と見れば雇用の場は決して少なくありません。十分にあります。しかしながら、地域の優秀な企業が求人を出しても、応募がないということがよく言われます。

 こうした現状や先の日本創成会議の予測において、都市部への人口流出が続くことを前提により厳しく試算していることを考えると、県の将来推計人口予測については、少し楽観的な印象を受けるのですが、ここで改めて危機感を持って将来予測を見直すことも必要だと思います。

 そこで、本県においても本格的な人口減少社会を迎え、人口減少対策が急務の課題となる中で、今後、各自治体の創意工夫をこらした施策に期待をするところですが、まず、県としてこの人口減少社会を生み出した要因について、当局のご所見をお伺いします。

 【答弁者:井戸知事】

 本県の人口は、高度成長期に、瀬戸内海臨海地域での産業集積や住宅開発等が進み、県外からの団塊世代人口の転入もありまして、急激に増加して参りました。県内でもこの地域への人口移動が進んでいます。結果として、昭和45年の470万人の人口が、40年で90万人増加し、平成21年の560万人を達成いたしました。しかし、これを頂点に減少に転じています。これは、昭和54年に合計特殊出生率が1.75となり、夫婦が望む希望出生者数1.8を下回った時点で有効な対策をとってこなかったことが要因の一つではないかと考えています。人口がどんどん増えている中での合計特殊出生率1.8を切ったということでありますので、なかなか全体として動けなかったということもあるのではないかと思います。

 国全体も同じことが言えると思います。長期ビジョンでは、30年後の2040年には470万人になる、つまり、40年かけて増えてきた人口が30年で減少すると見込んでおります。最近の減少要因を自然動態で見ると、平成20年以降、高齢化と少子化の影響で死亡数が出生者数を上回る「自然減」が続いています。高齢化としては、26年の高齢化率は25.3となっており、高齢化の急速な進展により高齢化による死亡数が増加している。少子化としては、団塊世代の子どもたちが40歳代になったことに伴い、出産適齢期の女性数が減少し、26年で4万4千人と出生数が減少しています。社会動態も22年以降、転出数が転入数を上回る「社会減」が続き、特に東京圏への転出超過が続いています。平成26年では7,300人の減となっています。東京圏の人口は、人口拡大期、経済成長期等に拡大し、本県からは20歳代の若者が大学進学や就職時等に転出する傾向が顕著です。これらに加え、地方における人口は、学校や企業の立地、交通アクセス、近隣都市との関係等によっても変動して参ります。

 2005~10年の純移動率が継続するとした日本創成会議の推計は、東京一極集中に警鐘を鳴らす点では大変評価できると考えますが、女性の社会減の傾向や企業撤退等の一時的な影響がそのまま続くという極端な前提の下での予測でもあります。本県では、一時的な影響を除くため、長期的趨勢を捉えた国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づき、人口移動が一定程度、収束するとして見込んだものであります。

 国の地方創生の長期ビジョンは、2060年に人口を1億人程度確保するとされています。これは合計特殊出生率が、2025年で1.6、2030年で1.8、2040年で2.1というように向上することを前提にされたかなり希望的な展望ではないかと考えています。本県としては、今後策定する地域創生戦略の中で、将来への見通しを持つわけでありますが、多様な働き方の創出や多子型の出産・子育てが可能な環境づくりなどの地域創生の取組も踏まえる必要があると考えています。そのような意味で現実に即した目標として、現行の年間出生数4万4千人の継続を前提に、更に、2035年で1.8、2050年で2.01、と再生産可能な出生率を見込みまして、440万人程度になるとするのがより現実的なのではないかと思って、これから検討を進めて参ります。国と同じように見込みますと460万人になることになります。いずれにいたしても、人口減少、社会減・自然減両方から攻められているわけでありますので、この両方にわたって増加を図るために、今回の地方創生条例でも自然増対策、社会増対策を明確にしていこうとしているものであります。

 【再質問】

 人口移動の収束見込みを少し教えていただきたい

【知事答弁】

 これから社会減をどう減らしていくか、要するに26年の7,300人をどう収束させていくか、我々の大きな課題です。我々としては、2020年代から30年代にかけて、社会減がないような状況を生み出していくような方向で検討していきたいと考え、440万人の前提にしていくと申し上げました。

 (2)地域創生に向けた農業への支援について

 私が考える個別具体的な人口減少対策として、農業分野について質問いたします。この点については、本定例会で上程されました「兵庫県地域創生条例案」でも地域創生のための人口対策として、農林水産業部門における雇用の創出が掲げられているところです。

 本県の農業は全国と比べると兼業農家の割合が高く、また、農業就業人口に占める高齢者の割合も全国平均を上回っている状況にあります。こうした状況を受け、県では新規就農者の育成や6次産業化の推進、さらにはブランド力の強化など農業振興に多面的に取り組まれているところです。

 農業の振興という点については、これまでも多くの議員から質問が行われ、県下の事例が示されてきたところであります。私は地域に根付いてきた産業が衰退してしまっては、地域の活性化はないと思っています。神崎郡で言えば、やはり農林業の再興なくして地域再生はないのです。ただ、農業は決して規模の大きなものではなく大部分が米作を中心とした兼業農家と、牧畜・酪農・米作を営農する専業農家が自立した暮らしをされていました。農業が再び活気づくことにより、休耕田や耕作放棄地がなくなれば、自然環境や景観の保全にもつながり地域の魅力もアップし元気になります。

 先日1月30日に、姫路農業改良普及センターの皆様と年1回の懇談会を行いました。そのなかで、様々の具体的な取り組みの報告・成果など職員の皆様の熱い思いを受け取りました。懇談会では中播磨野菜増産大作戦、中播磨地域の集落営農の状況、中播磨地域の認定農業者の状況及び中播磨6次産業化塾の取組について意見交換を行いました。私は、集落営農や認定農業者への支援など普及センターの基本的な業務はもちろんでありますが、特に中播磨野菜増産大作戦と中播磨6次産業化塾の取組に大変興味を持ち、今後の生産者組合への成長や起業家の掘起しや起業支援の在り方としてモデル的取組ではないかと感じました。

 どちらにも共通していることは、農業生産者や農産物の加工に関わっている方々を集めて、視察・研修や情報・意見交換を行うほか、野菜増産大作戦では、栽培技術・知識、規模拡大とともに、営農意欲の向上に努めることで、野菜出荷組合の結成と域内流通業者との提携という実を結び、また、6次産業化塾では、農産物の加工基礎技術の習得、商品力アップ・経営の把握、販売力強化のネットワークづくり、さらにはイベントでの販売体験等々を通じて、農家レストランの開業(1件:古今)、1グループが商標登録の取得(黒かんべぇ:熟成ニンニク・卵黄ニンニク)、一人は国の6次産業化総合化事業計画の認定(1億円)を受け、パスタ工房(ラビオリほか)・農家レストランを建設するなど成果を生み出しています。また、新しい加工商品8品(シフォンケーキ、黒ニンニク、ふくちゃんいなり、さきちゃん巻ほか)を生み出しています。

 このように地域農業の振興にとって農業改良普及センターが果たす役割は非常に大きく、技術支援にとどまらず地域に根ざした取組みを提案し支援していくことは地域農業の活性化には欠かせません。成功するかしないかは、生産者や起業をしようする人の意欲・意識・努力がすべてですが、農業の活性化にとって重要なことは、主要産業として規模を大きくすることではなく、農業の担い手が自立していくことだと考えています。そのためには6次産業化やブランド化といった持続可能な取組みにもチャレンジしていく必要があるわけです。それらを支援することこそが県の果たすべき役割であると考えますし、そのためにも農業改良普及センターの充実・強化が必要と考えますが当局のご所見をお伺いします。

 【答弁者:藤原農政環境部長】

 地域農業の活性化には、農業生産規模の拡大、野菜生産など都市向け農業への転換、6次産業化や農産物のブランド化が不可欠と認識しており、これらを推進するため、農業改良普及センターでは生産技術の指導・普及はもとより、農産物の流通・加工・販売についての指導を行っているところであります。

 例えば、6次産業化については、姫路農業改良普及センターの指導で開発されたシフォンケーキが第一回全国米粉料理レシピコンテストで入賞するなど、商品力アップにつながり、今後の農業経営の安定・拡大が期待され、また、流通・販売については、同センターが若手生産者グループと流通業者を結び付け、地域内のレストラン等の求めに応じた農産物を安定的に供給するシステムの構築を目指しているところでございます。

 しかしながら、全県的に見ると特長ある品目、高品質、定時に必要量を供給するといった実需者ニーズに応えられていないことから、企業的な経営に至っていない事業体も散見されるところでございます。産地規模拡大や近隣の他産地や他の生産・加工グループとの連携による供給力の強化と品質の向上に努める必要があると認識いたしております。

 このため、今後は、一つには、経営戦略や新たな商品開発手法等を指導する6次産業化プランナーの活用、二つには、このたび創設いたしました農業版設備貸与制度を活用した野菜等園芸施設などの導入による効率な生産体系の確立、三つには、普及指導員の研修にマーケティングに係る分野を新たに加えまして、理論と商談を想定した実需者への実践的なプレゼンテーション等を通じ、普及指導員のコーディネート力やプロデュース力等の資質を高めていくことといたしております。

 これらの取組によりまして、6次産業化やブランド化につなげ、県下各地で生産者や地域農産物の個性を輝かせ、地域の活力創生に努めてまいりたいと考えております。ご支援よろしくお願い申し上げます。

 2 道徳教育について

(1)人権教育と道徳教育について

 小学校では2018年度、中学校では2019年度から特別の教科として位置づけられる「道徳の時間」について、質問をいたしたく思います。道徳の時間については、学習指導要領に示された内容について体系的な指導により学ぶという各教科と共通する側面がある一方で、学級担任が担当することが望ましいと考えられること、数値などによる評価はなじまないと考えられることなど、各教科にはない側面があることを踏まえ、「特別の教科」として位置づけられています。記述式とは言え評価をすることについては、相当に困難な作業になるだけでなく教員にとっても大きな負担となることと推察いたします。と言いますのも特別の教科である道徳を要として学校教育全体を通じて行うという要素があるからだと考えます。そこで理解を深めるために、事例として改めて人権教育と道徳教育の違いについて押さえておく必要があると考えます。

 兵庫教育大学准教授 淀澤勝治先生のレジュメを引用しますが、私は道徳教育とは、いじめや差別に関わって、いじめてしまったり、傍観者になってしまったりするといった「弱さ」「醜さ」が自分にもあることを、気付き・自覚し、葛藤もしながら自分の生き方を見直し、価値の内面的自覚を図り、心を耕し成長することだと考えています。

 一方、人権教育とは、人権尊重の精神の涵養を目的とした教育です。昨今、大きな問題となっているいじめについて、なぜいじめ・差別は起こるのか。どうすればいじめ・差別はなくなるのか。じっくりと考えさせる。いじめを受けた者のつらさ苦しさを理解させる。いじめ・差別の構造を理解させる。「いじめは許されない行為で絶対あってはならない」ということを理解させることだと考えています。言い方を変えれば、人権教育は人権尊重の精神を理解し、それが態度や行動となって現れるよう指導する教育であり、道徳教育は心の内面の変化・成長を見守る教育ではないかと考えます。

 そこで、人権教育と道徳教育の違いも踏まえた上で、道徳教育のあり方について、当局の考え方をお伺いいたします。

【答弁者:高井教育長】

 道徳教育は、一言で言いますと、自立した人間、一人の人間として人生を他者とともによりよく生きる人格を形成することを目指す教育であります。そのためには、日常の生活において生じます様々な人間同士の軋轢、あるいは郷土、国内外の先人の生き方等から、1つには、人が互いに尊重し、協働して社会を形作っていく上で、欠かせない共通して求められる規範意識を育むこと、2つには、その上で、人としてよりよく生きる上で大切なものは何か、自分はどう生きるべきかなど、時には悩み、葛藤もしながら、自らの生き方を考え、これを深め育んでいくことが重要と考えます。

 一方、人権教育は、過去・現在の様々な人権問題について、まず知識として学び、その上で、人間尊重の精神を涵養し、人権課題の解決に向け実践的に行動する力を身に付けさせる教育というふうに考えています。この両者、分野、アプローチは随分異なりますけれども、その根底にあるもの、1つには、他の人と共によりよく生きようとする態度、2つには、規範等を尊重して、自らの義務・責任を果たす態度、3つには、自他の権利や生命を尊重する感性と実践力など、つきつめて言いますと他者への思いやり、そして自尊感情、この2つがその基盤にあるという点で共通するものというふうに私は認識をしてございます。

 グローバル化の進展や、科学技術の発展、社会・経済の変化の中、社会の構成員一人一人が、高い倫理観をもって、人としての生き方、社会の在り方について、考え、他者と協働しながら、よりよい方向を目指して行動することがこれまで以上に重要となっています。こうした資質・能力の育成に向け、道徳教育の充実に取り組んでまいります。

 (2)道徳の教科化に向けた県教育委員会の認識について

 道徳教育は、先の質問でも確認したように、心の内面が人間的に変化・成長するものであり、同時にまた、多様な価値観が認められるものでなくてはなりません。

 教育評論家の尾木直樹法政大教授は、『教科化は一つの価値観を押し付ける。評価が導入されれば、子どもは本心を隠して迎合した発言しかしなくなる。教員はそれが分かっていても、発言を額面通りに受け取って評価せざるを得ない。子供は「先生は何もわかっていない」と不信感を持ち、関係性が崩れるだろう。道徳で大切なのは、多様な価値観の中で子供たちが自ら考え、自由な意見を言えることだ。』と述べられています。また、政治評論家の屋山太郎氏は、『道徳の教科化に賛成だ。「おはようございます」というあいさつや電車でお年寄りに席を譲るといった普通のしつけ、心の優しさを教えるのが道徳教育。子供たちの生活習慣も変わり、親も道徳を知らず、教える場がなくなっている。反対する人たちは、教科にすると右翼が育つと思っているが、道徳はイデオロギーではない。小さいころに教えれば、やさしい社会になる。他人に親切な日本社会を持続させるために必要だ。』と述べられています。

 特定の価値観の押し付けでなく、規範意識や思いやりの心豊かな人間性を育む道徳教育を目指すために何が必要なのか、学習指導要領改訂案が示されました。また、夏ごろには検定教科書作成や指導の目安になる要領解説をまとめるとされていますが、現時点における学習指導要領改訂案への対応、並びに県版副読本をどのように活用していくのか、当局のご所見をお伺いします。

 【答弁者:高井教育長】

 道徳の教科化では、検定教科書が導入されます。これが一番大きな変化でありますが、民間発行者の創意工夫を生かした充実した教材が用いられることを通じて、道徳教育の要となる道徳の授業について、指導内容の充実が図られるということ。また、もう一つの大きな変化は、指導要録の中に評価欄が設けられます。そのことで評価が充実をして、道徳の授業中の生徒の言動だけじゃなくて、学校内外での全ての活動において、教師が児童生徒の成長を見守り、努力を認めたり、励ましたりすることで、児童生徒が自分の成長を実感して、更に意欲的に取り組もうとするきっかけとなる。そういった評価が行われることが期待をされています。

 また、内容面に着目いたしますと、学習指導要領の一部改正案では、いじめの問題への対応、あるいは情報モラルなど、これまで必ずしも十分でなかった現代的な課題の扱いが充実をするということ、もう一つは、一方的に教えられるということだけじゃなくて、対話、討論など言語活動を重視した指導、問題解決的な学習を重視した指導などを柔軟に取り入れることなどが規定をされたところです。

 このような改正が生きたものとなるためには、教職員がこの改正の趣旨を十分理解していくことが大切でありますので、国の説明会や研修会への指導主事や教職員の派遣、管理職や道徳教育推進教師を対象とした研修を実施しますとともに、校内研修の活性化に取り組み、教員の指導力向上に努めてまいります。

 また、検定教科書が導入されると、これまでの副読本は要らなくなるのではないか、というふうな理解をされている方も多くいらっしゃるわけですが、文科省では、教科書だけでなく多様な教材の活用が重要としておりまして、その教材については、「人間尊重の精神にかなうもので、深く考えることができ、よりよく生きる喜び、勇気を与えられること」などが学習指導要領改正案に示されております。

 私どもの兵庫ゆかりの人物など地域の特性を生かした「兵庫版道徳教育副読本」は、まさにこうしたことを目指して作成した教材でありますので、今後も道徳の時間を始めとした学校での活用、家庭等での積極的な活用を促進して、子どもたちの豊かな心を育む道徳教育を一層充実してまいります。

 3 人口減少社会におけるふるさと意識を持った人材の育成について

 冒頭の質問で人口減少社会を生み出した要因について質問をいたしました。また、知事は今定例会の提案説明の中で、「人口の絶対数を増やすのは、相当長期的な課題として、人口の「自然増」と「社会増」の両面からアプローチしていかなければならないという認識のもと、人口の自然増対策については、出会いや結婚支援の充実を図り、だれもが子どもを産み育てられるよう、子育て支援や就業支援などを充実し、人口の社会増対策については若い世代の地域への定着を進めることが必要であるとして、やる気のある働き手が地域に根ざした仕事に就ける環境をつくり、「住みたい」と思える魅力と個性にあふれる地域を兵庫に増やしていかなければならない。」と述べられました。私は、結婚・子育て・就業環境の整備と若い世代の地域への定着「地域に愛着を感じる」意識の問題を述べられていると考えます。

 つまり、私は言い方を変えれば、人口減少社会を救うのは家庭、学校、地域における「人を育てる力」ではないかと考えています。知事の仰っている「ふるさと意識の醸成」もそうではないかと、知事がそのことを打ち出された時から色々なところで、そのことを話させていただきました。

 これまでは「世界的に活躍できる人づくり」あるいは、「大企業の一線で活躍できる人材の育成」等に偏重しすぎたのではないかと思います。もちろん世界の、大企業の一線で活躍する人材を育てることはそのとおりですが、晩年にはその経験を「郷土の発展に貢献したい・恩返しをしたい」と考えるような人材の育成、あるいは、家族や地域、郷土にこだわり、地域の発展や地域で活躍しようとする人材の育成など、多様な価値観が求められるのではないでしょうか。団塊世代が成人を迎えた昭和45年ごろまでは、いいか悪いかは別として長男あるいは誰かが家を継ぐとの考えがあり、そのために家から通える範囲で仕事を見つけてきたと思います。それでも、幸せな家庭を築き豊かな人生を送ってこられたのではないかと思います。

 人口減少社会を救う、国難を切り拓くには、家庭、学校、地域におけるふるさと意識を持った人を育てる力が必要ではないかと考えますが、当局のご所見をお伺いします。

 【答弁者:井戸知事】

 ふるさと意識を持った人材の育成が、これからの人口減少社会における対応の基本ではないかというご主旨のご質問をいただきました。私もそのとおりだと思っています。人口減少社会が継続する中で、地域の担い手として活躍が期待されるのは、地域に愛着と誇りを持ち、地域を良くしたいと願う“ふるさと意識”を持った人々ではないかと考えます。住んでいる地域を愛するからこそ、その地域の未来に夢や希望を持とうとされるのではないかと思います。

 昨年実施した県民意識調査によりますと、地域に愛着や誇りを感じるところは、生まれ育った所への愛着、例えば「山、海等の自然」「近所や友人との付き合い」「家族や親戚の存在」「町並や名所」が上位にあげられていました。また、住んでいる所、地域への愛着は、地域での活動への参加の関係に相関が高いという結果がでています。

 こうしたことから、ふるさと意識の醸成は、近所や家族のつながり、地域資源の再発見から生まれる「ふるさとへの想い」がまず1つの大きな柱。地域の一員としての「ふるさとへの関わり」が2つ目の大きな柱。これらが相互に影響しあい高められていくのではないかと考えます。

 このようなことを前提に、①家庭では「ひょうご家庭応援県民運動」等による家族のきずなづくり、②学校では「トライやる・ウィーク」や「高校生ふるさと貢献活動」等の体験教育、③地域では、地域づくりの活動を応援する事業や「県民交流広場事業」のように、身近な地域コミュニティの中での活動参加への取組、これらを支援していきたいと考えます。

 また、ふるさと意識を広げていくためには、若者や地域外の人の視点を取り入れることが重要だというご指摘、ふるさとの人材や資源をつないでいくことが重要だとのご指摘、これらは県民生活審議会における意見でありますが、これを踏まえ、地域内外の若者がチームで地域の魅力づくり等に取り組む「ふるさとづくり青年隊」などは、それに適した活動だと考えられます。つまり、多様な価値観や個性を生かす仕組みを用意するということです。また、「ふるさとひょうご創生塾」などの、地域の新しいリーダー養成に注力していきたいと考えています。

 さらに加えて、そこに生まれ育っただけではなく、住んでいる所に愛着を持っている人々、外から兵庫にみえた方々ですが、住んでいる所の未来に期待を持っていただく必要があります。兵庫を第2のふるさとにしてもらうことにより、初めて兵庫の未来に夢や希望を果せることができるのではないかと考えるからです。

 今後とも、兵庫人にこそ“ふるさと意識”を原動力に参画と協働の輪を広げて、活力ある兵庫の地域創生につないでいきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

2015年03月22日(日) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


平成25年10月1日兵庫県議会 上野県議一般質問

 

 

平成25101日に一般質問を行いました。今年度は、社会基盤整備プログラムの平成26年度から約10年間の改訂作業中です。

よって、特に、基盤整備の遅れている市川町と福崎町の県道西脇八千代市川線と県道甘地福崎線、福崎町の七種川、国道312号神崎橋下流右岸、高橋地内の国道312号冠水箇所の質問を集中的に行いました。

質問は、以下のとおりです。

 

おはようございます。民主党・県民連合議員団、神崎郡選出の上野ひでかずでございます。

今年は、社会基盤整備プログラムの見直しの年であります。社会基盤整備に絞って3項目7点について一般質問を行います。また、その殆どが県土整備部についてであり、一部土地改良施設について質問を行います。

前向きな誠意ある答弁を期待いたします。

 

1.公平・公正性、透明性を持った社会基盤整備の推進について 

1)社会基盤整備プログラムの見直しについて 

 

 「第2次行革プラン3年目の総点検における課題と検討方向」には、「平成25年度当初予算における収支不足額は未だ735億円に上っています。平成30年度までの収支均衡に向け、まさにこれからが正念場であります。一方、兵庫の将来を見据えて対応すべき課題や危機に対して解決への道筋を定め、計画的に対策を選択と集中の徹底で進めていかなければならない。」と記されています。

そのような中で社会基盤整備については、平成14年度から約10年間、平成20年度から平成30年度までの10年間を県民局単位で社会基盤整備プログラム、いわゆる「社基プロ」が策定され、現在、平成26年度から平成35年度までを新たな計画期間として、見直し作業が行われています。 続きを読む>>

2013年10月15日(火) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


特別決算委員会(部局)

健康福祉部                    

1.地域医療圏域におけるバランス(医療資源の確保と提供)について 

(県立病院と自治体病院、民間病院の配置及び財政負担について) 

 県の保健医療計画では 「第2章 計画の性格・位置付け」で、「この計画は、都道府県が策定する医療計画であると同時に、地域保健対策の方向を示す基本的な計画である。また、県民、市町、保健・医療機関、関係団体等の参画と協働のもと、それぞれが取り組むべき保健・医療分野の基本的指針としての性格を併せ持つ。」とされ、「第4章 いのちを守る安心の医療提供体制の充実」では、「すべての県民が、いつでもどこでも安心して適切な医療が受けられるように、医療提供体制の充実に努める。」とされています。

しかし、実態として圏域によっては「すべての県民が、いつでもどこでも安心して・・・」とはなっていないように思われます。先月の27日に西播磨市町長会から西播磨選出議員に対する要望会があり、相生市からは「周産期医療・小児救急医療体制の確立について」の要望がありました。また、公立神崎総合病院でも産科医は1人、小児科医についても神河町独自の努力によって今年の4月から常勤医1人、非常勤2人となっていますが、決して十分とは言えません。

 医療資源は、独立行政法人化もありますが国立、県立、大学付属、赤十字病院や労災病院、公立・自治体病院、民間医療法人等々がありますが、多くは阪神から姫路にかけての海岸線沿いにあり、それ以外の地域では医療資源が限られており、公立・自治体病院が多くを担っております。しかし、西播磨や但馬地域、中播磨の神崎郡では決して十分とは言えません。また、小さな市町での病院経営は大きな住民負担ともなっています。21市町・組合立病院で一般会計からの繰入金額は、20094百万円、私の出身町の神崎総合病院では51千万円繰入れています。ちなみに人口は13,000人です。また、県病院事業会計では、13243百万円です。

そこで、すべての県民が、いつでもどこでも安心して適切な医療が受けられようにするためにはどうあるべきかについてお尋ねいたします。

 

 

答弁(太田健康福祉部長) 

県民の医療需要に的確に応え、県民が安心して医療を受けられるようにするためには、限られた医療資源を有効に活用し、効果的・効率的な医療提供体制を構築することが重要である。

このため県では、現行の保健医療計画において、がんや救急など4疾病5事業毎に柔軟に圏域を設定し、拠点的な病院を定めるとともに地域の実情に応じた医療連携体制の構築に努めるほか、昨年度には、各圏域の医療機能に配慮した病床配分を行ったところである。

しかしながら、人口規模が小さい市町が多い圏域については、医師の安定的な確保が困難であるなど、沿岸部・都市部と比較して医療資源に格差が生じ、住民の医療ニーズに十分対応できていない面があることは課題であると認識している。

このため、新たな医師確保対策として、大学と共同した地域医療活性化センター(仮称)の整備やへき地勤務医師の養成増を行うとともに、救急医療体制の充実のための救命救急センターの整備やドクターヘリの導入を図っている。

さらに、平成25年4月に改定する保健医療計画においては、新たに在宅医療の医療連携体制等を盛り込むことにより、医療資源の希薄な地域を支援する体制を強化し、すべての県民が安心・安全な医療を受けられるよう体制の整備を進めていきたい。

 

 

2.自殺の現状認識とその対策・事業執行について

 2011年人口動態調査によると死亡者総数から引き出される死因は、1位・悪性新生物、2位・心疾患、3位・肺炎でありますが、五歳階級ごとに死因順位を見ると男性は2044歳の5つの階級で、死因の第1位は自殺であります。女性もまた、2034歳の3つの階級での死因の第1位は自殺でありあります。この社会の中心的位置にある活動期、働き盛りの世代の死因第1位が自殺であります。このことから、雇用・労働環境による経済的問題が大きいと私は考えています。 

 

兵庫県における自殺対策の基本的認識を確認すると、 

1)自殺は個人の自由な意思や選択の結果ではなく追い込まれた死であり防ぐことができる。多くの自殺は、個人の自由な意思や選択の結果ではなく、経済・生活問題、健康問題、家庭問題など様々な要因とその人の性格傾向等が複雑に関係して発生しています。また、自殺を図る直前には、うつ病、アルコール依存症等の精神疾患を発症し、正常な判断を行うことができない状態となっている場合が多いことが明らかになってきています。よって、社会的要因については、社会の適切な介入により、また、うつ病等の精神疾患に対しては早期発見と適切な治療により、多くの自殺は防ぐことができます。

2)自殺を考えている人は自殺の危険を示すサインを発している。死にたいと考えている人も、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動いており、不眠、原因不明の体調不良など自殺の危険を示すサインを発しています。自殺を図った人の家族や職場の同僚など身近な人は、自殺のサインに気づいていることも多く、このような県民一人ひとりの気づきを自殺予防につなげていくことが重要と言えます。・・・・・となっていますが、決算額を見れば、健康福祉事務所相談体制充実、自殺未遂者支援事業、高齢者対策の介護従事者や婦人会団体への研修の実施、市町による自殺予防対策事業への助成定期健康診断を活用したメンタルヘルスケア事業 等々で不用額が出ています。    

そこで、先ほどの県の自殺対策の基本認識の重要な部分、相談体制、気づき、市町窓口で各手続きからの気づき、自殺未遂者の支援、メンタルケアだと考えますが、十分な事業執行となっているのかお伺いします。

 

 

答弁(入江いのち対策室長) 

委員ご指摘の自殺対策の基本認識の重要な部分への対応については、①相談体制の充実では、いのちと心のサポートダイヤルを24時間体制で実施し、相談件数が17,275件と22年度の約1.4倍となった、②気づきや見守り体制の充実では、いのちとこころのサポーターを約1,300名養成するとともに、民生委員・児童委員及び市町窓口職員等に対する研修を約25,000人を対象として実施した、③自殺未遂者支援では、災害医療センターにおいて、自殺未遂者を地域相談窓口へつなぐための相談員を配置した、④メンタルケア対策では、市町における特定健診において、うつチェックシートを約8,000人の県民に配布し、そのフォローを行うモデル事業を実施するなど、多様な取組を行った。

また、ご指摘の不用額の主な要因は、各市町における自殺予防対策事業の実績が予算を下回ったものであるが、23年度には、すべての市町で自殺予防のチラシの配布や、うつ、自殺についての正しい理解を促すための研修会が実施されたほか、29市町で庁内や庁外の関係者を構成員とした連絡会議が設置されるなど、市町の取組も進んできた。

今後も、関係機関や民間団体等の多様な主体との連携を図り、年齢ごとに緊急度が高い優先して取り組むべき課題や自殺ハイリスク者対策への取組を強化する。

 

 

3.少子化に対する現状認識の確認とその取り組みについて    

 知事は新ひょうご子ども未来プランの中で、「少子化問題をすぐに解決する切り札はありません。」とし、「今後5年間(平成2327)の出生数24万人を目標とし、「子どもを産み育てる」などの6つの柱に、少子対策・子育て支援を総合的に推進します。目標の実現には、県民、事業者、団体、行政等が互いに連携しながら、それぞれの役割を担っていくことが欠かせません。」と述べられています。そして多種・多彩な少子対策が、健康福祉部をはじめ、産業労働部、企画県民部など各部局に亘った総合政策となっています。

 2011年政府は「子ども・子育てビジョンに係る点検・評価のための指標調査」を行っていますが、回答によれば「目指すべき社会の姿」の内、「意欲を持って就業と自立に向かうことができる社会」に対して「そう思わない」と「あまりそう思わない」の計57.1%、同じく「誰もが希望する幼児教育と保育サービスを受けられるような社会」が計55.6%、「仕事と家庭が両立できる職場環境の実現が可能な社会」が計51.0%と評価が低くなっています。

 「将来子どもを持つと考えたとき、または自分の子どもが子どもを持つと考えた時にどんな不安があるか」との質問に対しては、「経済的負担の増加」が71.7%と最も多く、次いで「仕事と生活・育児の両立」が41.7%、「不安定な雇用、就業関係」が43.7%、「保育所などの保育サービスの不足」が、37.4%、「出産年齢、子どもを持つ年齢」が32.0%となっています。

 子ども・子育てビジョンの取組に関して1番目から5番目に不十分だと考える項目では、「若者の自立した生活と就労に向けた支援」が上位5つの合計で37.6%、次いで「長時間労働の抑制、テレワークの活用等、働き方の見直しに向けた環境整備を図る取組」が32.8%、「育児休業制度・その他両立支援制度の普及・定着及び継続就業の支援とともに、子育て女性等の再就職支援を図る取組」が29.9%、「児童虐待を防止するとともに、社会的養護を充実する取組」が28.8%、「待機児童の解消や幼児教育と保育の質の向上等を図る取組」が26.0%となっています。

 この調査から本質的には、雇用・就労・労働環境改善が如何に求められているかだと思いますが、この部分は経済、企業活動による部分が大きくなかなか達成が困難と思います。また、同時に結婚・出産・育児について多くの不安を持っていることがわかりますが、こここそ行政・健康福祉部にかかっている部分だと思います。

そこで、新ひょうご子ども未来プランの2年目として、少子化の現状をどのように認識し、取り組まれたのか、その状況と成果についてお伺いします

 

答弁(大内こども局長) 

本県は、「子どもを産み育てる」等6つの柱からなる「新ひょうご子ども未来プラン」を平成22年に策定し、少子対策・子育て支援を総合的に推進してきたが、2030歳代の女性人口の減少が続くことから、今後も全力で少子対策・子育て支援に取り組む必要があると考えている。

昨年度は、87987百万円の予算により376事業を展開し、その内、若者の雇用・就労・労働環境改善については、若年求職者にワンストップで相談、職業紹介を行う「若者しごと倶楽部」で約1,600人の就職を実現し、「ひょうご仕事と生活センター」では、延べ約1,400件の相談対応や相談員派遣、研修企画を行い、ワークライフバランスの推進に取り組んだ。

また、結婚・出産への支援として、「ひょうご出会いサポートセンター」で117組の成婚を支援し、本年度は180組が見込まれるほか、「特定不妊治療費助成」を3,349人に行った。

育児支援では、待機児童対策として、保育所定員を1,559人増加させ、認定こども園を新たに12施設認定し全国2位の72カ所とした。また、子育て不安を解消するため、約2千カ所の「まちの子育てひろば」の活動を支援し、「乳幼児子育て応援事業」を民間保育所341施設、私立幼稚園159園で実施した。さらに、子育ての経済的負担軽減のため、「乳幼児等医療費助成」、「こども医療費助成」や多子世帯の保育料軽減を行っている。

こうした取組により、プラン2年目となる昨年の合計特殊出生率は全国平均を上回る1.40となり、一定の成果と考えているが、今後も、誰もが安心して子どもを生み育てることができる社会をめざし、少子対策・子育て支援に全力で取り組む。

 

 

4.動物愛護に向けた適切な取り組みについて           

 この春の予算委員会で藤井議員が質問、私も総括質疑を行いましたが、その質疑の記録を見られた県内の方から問い合わせがあり、色々のご指摘を受けました。その内容については県当局にもお伝えし即座に対応もいただきましたが、まだまだ実効ある成果を上げるには課題も山積しているようにも思います。

 先日会派では、「ペットの殺処分ゼロ」を実現しているドイツの保護政策の視察を行っています。その報告を紹介しますと、『ドイツでは、捨てられた犬猫、飼い主が飼えなくなった動物を絶対に殺さず、殺処分場はひとつもありません。その代わりに里親捜しのための「動物の家」というシェルターが500以上存在しています。シェルターの運営は、民間の動物保護団体が行い、「動物の家」は全て民間のものであるとともに、会員の会費、遺産贈与、寄付で予算は賄っており、職員・獣医とともに多くのボランティアの活動で維持されています。視察したミュンヘンのシェルターの一つである「動物孤児院」は、会員 2万人(ミュンヘン市の人口30万人)を擁し、年間会費として大人31ユーロ、65歳以上・子ども青年は10ユーロを徴収しています。また施設の運営予算は、年間500万ユーロ(5億円)であり、施設職員65(内獣医5)で運営され、年間約8500匹の動物が持ち込まれるという報告を受けました。

施設の活動内容は、兵庫県動物愛護センター等で行っている飼い主捜しや新たな引き取り手の募集のためのイベント開催、犬の躾等々活動内容はほぼ同様ですが、その規模と市民全体を巻き込んだ自主的な活動・運営全般において、大きな差異があり、今後の兵庫県の動物愛護施策において、ボランティア等を巻き込んだ官民一体となった取り組みの構築を図らねばならないと強く感じました。』となっています。

県おいては、行革プランの執行の中であるだけに、市民やNPOとの協同と参画の視点で適切な取り組みができないものかと考えるところです。

そこで、平成23年度までの取組として、市民・NPOとの連携がどのようになされていたのかお尋ねいたします。

 

答弁(村上生活消費局長)

県民への適正な飼育管理や動物愛護思想などの普及啓発を行うため、平成104月より、動物愛護センターにおいて、民間団体主催による犬のしつけ方教室(H23年度:2312団体、573回、5,430人受講)や講習会(H23年度:236回、80人受講)等が実施されている。この中で、飼い犬が逃走した場合の問い合わせ先の周知や鑑札、迷子札の装着等、返還率向上のための啓発も実施いただいている。

また、動物愛護センターから譲渡を受けた犬の飼育者は、平成169月より、自ら譲渡犬飼い主の会(現会員数528世帯)を立ち上げており、それぞれの会員には居住する地域において、正しい飼い方の情報発信を行っていただいている。

譲渡数の向上のため、平成241月からは、適正飼育の模範となっていただける方への譲渡という本県の基本スタンスは維持しながら、従来の個人への譲渡だけでなく、団体へのねこの譲渡も開始(2団体、6匹)している。また、犬の団体譲渡についても来年度から実施する予定としている。

このほか、県民の中から知事が委嘱した動物愛護推進員(44名)には、県民からの相談のほか、ふれあい事業やマナーアップのイベント等に協力いただいている。

以上のような取組を通じ、市民・NPO等との連携を進めながら、引き続き人と動物が共生する社会づくりを推進する。

 

企画県民部                  

1.過去の大規模災害(自然災害、火災等)から学ぶ消防団員・職員等の災害救助関係者の安全対策・学習啓発について

 9月29日午後2時半ごろ、姫路市網干区興浜の「日本触媒姫路製造所」で、アクリル酸を貯蔵するタンクが爆発した。出動した消防隊員1人が死亡。消防­隊員24人と従業員10人、警察官2人の計36人が重軽傷を負った。

 この事故の報道を聞いたときに、化学工場だけにタンクの爆発ということがなぜ想定できなかったのかと率直に思いました。

後日の報道では、両手にやけどを負った消防司令は「爆発の危険性は知らなかった。」とし、市消防局は、爆発の危険性について「日本触媒からは『熱が上がってきている。最悪の場合、爆発の危険性がある。』との内容で説明を受けた。」としており、また市消防局次長は「(爆発危険)周知されていたはずですが…」と肩を落とし、「隊長の指示がどうであったか不明ですが、結果的にそうならば、(情報伝達の在り方を)見直さねば」と話していたとしています。

現場に市消防が到着したときには、自衛消防がタンクのすぐ傍で放水を行っており、その後方に下がって安全確認を行う状況ではなかったとも思えます。

また、過去の大規模災害として、9.11ニューヨークのテロによるビル崩壊でも多くの消防職員が被害にあっています。平成21年の台風9号水害では、水防指令発令で庁舎に駆け付けようとした役場職員が冠水した道路で水没死しました。昨年の3.11東日本大震災・津波災害では、最後まで住民に避難放送を続けた役場女性職員をはじめ多くの災害避難対策に従事した役場職員や消防団員・職員や教職員が犠牲となりました。

いずれにいたしましても十分な検証を行い二度と繰り返さない安全教育が必要と考えます。

そこで、過去の大規模災害(自然災害、火災等)からどのように学び、消防団員・職員等の災害救助関係者の安全対策・学習啓発について行ってきたのかについてお尋ねいたします。 

 

答弁(松原災害対策局長)

消防団員や消防職員は危険な現場で迅速に活動しなければならないだけに、日頃からの安全教育の徹底が重要である。

これまで消防庁において、「警防活動時等における安全管理マニュアル」を作成・改訂してきており、各消防本部の安全管理体制の整備や消防職団員個人の資質向上が図られてきた。昨年の東日本大震災を検証し、新たに津波災害時の退避の徹底や安全確保のための教育訓練等の一層の充実も必要とされている。

 県では、これまで消防団対象の安全管理研修を毎年開催しているほか、県消防学校において、消防職団員を対象とした安全管理に関する教育訓練課程を設けており、その中で過去の具体的な事例等に即した教育を行ってきた。また、本年11月には国のアドバイザーを招き東日本大震災を踏まえた災害対応指導者育成研修を予定しているほか、全国の過去の主要事故例などを分析・共有化した消防ヒヤリハットデータベースの有効活用も呼びかけている。

また、市町や消防本部においても、安全管理規程や安全管理マニュアルを整備し、消防職団員への教育訓練や現場指揮体制などの充実に努めているほか、東日本大震災を教訓に、消防団へのライフジャケット等の資機材整備も行っている。

 このたびの姫路の爆発火災事故については、現在原因調査が進められている。その結果を踏まえ、県消防長会や市町等とも連携して、安全対策や学習啓発等を更に徹底し、「安全文化」の定着を図っていきたい。

 

2.均衡ある県政の推進について(医療資源の整備)   

 特に我が会派の越田議員が県と市町の二重行政についてよく質問いたしますが、私は適切に役割・任務分担を行い県民生活の向上につながっていればよいと考えます。

 その中の一つに病院の運営があります。病院は、独立行政法人化もありますが国立、県立、大学付属、赤十字病院や労災病院、公立・自治体病院、民間医療法人等々がありますが、多くは阪神から姫路にかけての海岸線沿いにあり、それ以外の地域では医療資源が限られており、公立・自治体病院が多くを担っております。しかし、西播磨や但馬地域、中播磨の神崎郡では決して十分とは言えません。また、小さな市町での病院経営は大きな住民負担ともなっています。

医療・診療提供や医師・看護師の確保等については健康福祉部でお尋ねをいたしました。ここでは、小さな市町での病院経営にかかる大きな住民負担についてお尋ねいたします。平成23年度の決算から各市町の一般会計から交付税措置額を引いた実質的な住民負担の額は、神河町では254百万円、ちなみに国勢調査による人口は13,077人、1人当たり約2万円です。宍粟市では、99百万円、43,302人、相生市は、49百万円、32,475人、加西市は、163百万円、49,396人、香美町は、191百万円、21,439人、新温泉町では213百万円、17,467人で、交付税措置率も21市町・組合立病院で25.6110.1%、県全体で53.5%となっています。また、平成19年度比の交付税措置率は110.9209.5%、県全体で140.7%となっています。交付税措置には病院建設費の償還分に対するもの、近年の医師・看護師確保に対する特別交付税措置など、一定の配慮が行われていますが、それでも大きな住民負担となっています。

そこで、民間等の医療資源が限られており、市町で病院設置をせざるを得ない小規模自治体に対する地方交付税措置の拡充などの財政支援についてのお考えをお伺いします

 

答弁(荒木部長)

県内には41市町ありますけども、市立病院・町立病院を設置しておりますのは193町です。半分以上は設置されておられます。また県内には民間病院あわせまして65,000程度のベッド数がありますけども市立・町立病院で8,000ぐらい病床を持っていますので、8分の1。このように市町立病院は県民の医療を支えていただいているものと考えています。

 市町立病院を考えました場合に2つの病院に分かれるんじゃないかと思います。ご紹介がありましたように、市立病院ですとか、但馬の豊岡病院、八鹿病院のように、だいたい全ての診療科が揃っていて、それから臨床研修医の受け入れ指定がされている総合病院。それから議員のご出身の神河町、香美町、新温泉町のように、ベッド数が200未満で診療科も少ない病院、といったこのような2つに大きく分かれるというふうに思います。

 とりわけ公立病院、非常に採算性が悪いんですけども、ご紹介のありましたように町立病院なんかを考えてみますと、診療科が少ないものですからお医者さんが来ません。お医者さんを確保するために色々なかたちで手当を増額されたりして費用が嵩んでいます。また一方、診療科目は高度医療を担っていませんので診療報酬が高くありません。従いまして赤字になっていて経営が非常に厳しい、という状況にあります。非常にご苦労されているのだろうと思います。

 そうした中で、今ご照会ありました交付税措置につきましては21年度から大きく増えてまいりましたが、病院に対する繰出金が神河町ですと、標準財政規模の10%と非常に経営にご苦労があるんだろうと私も理解をしています。

 そうした中で医師の確保につきましては、健康福祉部の方でへき地医療ですとか、県立病院からの医師派遣というかたちで努力をさせていただいております。経営面におきましては交付税措置を上げていくことが一番だというふうに思います。私も病院事業に1年間従事させていただきましたが、一つには決算との乖離がありますので、決算分析をした上で、合理的に交付税措置が出されるように対応していきます。

 それからさらに、例えば150床未満の病床で近くの病院が15㎞離れてる場合だけに不採算病院と言われていますけども、150床未満・15㎞という基準だけで良いのかというと決してそうではありません。そのようなことにつきまして改善をしていきたいというかたちで要望は繰り返しています。市町の方々からも実態をお聞かせをいただいて、また、幸いにいたしまして私どもは病院を14病院持っていますので、お互い知恵が出るところがあろうかと思いますので、そういった情報提供することによりまして交付税措置を上げまして、いわゆる不採算地域の医療が確保できるよう努めてまいりたいと考えています。

 

3.フェニックス共済の推進について              

 フェニックス共済は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国に先駆けて住宅再建共済制度を平成179月からスタートし、その内容・特色として、1.小さな負担(年5千円)で、大きな安心(住宅の再建に600万円)を確保。2.住宅の規模・構造や老朽度に関係なく、定額の負担で定額の給付。3.異常な自然現象により生じる、あらゆる自然災害を対象。(例)暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火 等 4.財産の損失補てんの考え方にもとづく損害保険制度(地震保険など)と異なり、被災後の住宅の再建を支援する仕組み。(地震保険等との併用可)と非常に有利な制度だと考えます。

 しかし、当初の加入目標の15%には達せず、平成23年度末で住宅共済が8.5%、家財共済が1.9%と遠く目標には及びません。また、住宅再建共済制度加入促進本部は平成23年度に廃止をされました。

しかし、その23年度の共済制度の加入促進活動は、2122年度と比較をすると推進会議構成団体への多様な働きかけや、マンション共用部分再建共済制度の加入促進を県民局でマンションローラー作戦を行ったり、取りまとめ団体を通じた加入促進、郵便局・共済団体等との協調した啓発、フェニックス共済加入促進員を14名から延べ24人に増員して戸建・賃貸住宅等175,050戸、マンション 1,157棟、団体等については 9,820団体を訪問するなど今までにない取り組みが展開され、住宅共済10,272戸、家財共済5,387戸の加入が図られています。一方、それらに要した費用は決算額150,772千円であり、それは住宅共済掛け金5千円の30,100戸に相当します。単純にこのようなことで費用対効果を論じるつもりはありませんが、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国に先駆けて作られた私は兵庫県の大きな誇れる住宅再建共済制度と思っています。

そこで、今後の方針についてお伺いします。

 

答弁(亀井復興支援課長)

直近の住宅共済の加入率は、平成249月末現在で8.7%である。

加入率が伸びない理由は、①自分の家は大丈夫であると思っている方が多いこと、②制度の有効性の認識が低いこと、③震災の教訓である助け合いの制度であると理解されていないこと等が考えられる。

このため、平成24年度には、備えることの大切さや共済制度の有効性などについて、地域に根ざした普及啓発活動を重点的に行うこととし、新たに自治会や婦人会役員などのボランティアによる「フェニックス共済推進員」を配置するほか、関係団体や企業等が加入申込みをとりまとめた場合の加入報奨金の増額(100円から300円に変更)などを実施している。

今後は、こうした地域に根ざしたきめ細かい取り組みの充実を図るとともに、支援金の給付があった方の声の紹介、台風到来時期や1月17日のひょうご安全の日の前後など県民が防災に関心を高める時期に重点広報期間を設定するなど、効果的な加入促進活動の展開に努めていく。

県土整備部

1.合併支援道路の平成23年度末進捗状況と26年度までの達成見込み、並びに今後の方針について

合併支援道路は、「新市町内の公共施設等の拠点を連絡する道路などについて、短期間で整備が図られるよう優先採択・重点投資を行うことにより、合併市町村の一体化の促進を図る。」ことを目的として、本県では平成17年度に合併支援道路整備事業計画を策定し、整備を進めているところですが、平成23年度末の進捗状況と今後の方針についてお尋ねいたします。また、ここからは地元ネタになりますが、合併支援道路と一体的に整備されている神河町の県道岩屋生野線の越知谷小学校以北と、加美宍粟線の山田・中村区域の今後の整備方針についてもお尋ねします。

 

答弁(大住道路街路課長)

合併支援道路については、合併した市町において、旧役場間の時間短縮や公共施設のサービス圏拡大など新しいまちづくりの支援を目的として、県下で、平成17年度から10年間で総事業費1,470億円、総延長200㎞の現道拡幅やバイパスを整備する計画を策定し、取り組んできた。

平成23年度末の進捗は、県道長谷市川線のバイパスが供用するなど、事業費で72%、延長113㎞の整備を終えている。また、計画の10年目となる平成26年度末までには、事業費で約80%、県道岩屋生野線など延長約130㎞が完了する見込みである。

一方、残る約70kmの未整備箇所については、社会基盤整備プログラムの見直しの中で、地域の実情を踏まえ、コスト縮減にも配慮した効率的な事業計画について検討を進め、優先度の高い箇所を選定して、順次整備を進めていく。

お尋ねのあった県道岩屋生野線の越知谷小学校以北については、これまで、防災点検結果を踏まえて6箇所の対策を終え、現在1箇所の事業を進めており、今後も危険度等を考慮して取り組んでいく。また、現在事業中の県道加美宍粟線の山田・中村地区の歩道整備については、引き続き、地域の協力を得ながら早期完了を目指して整備を進めていく。

今後とも、地域の実情を踏まえた選択と集中を進めるとともに、事業中工区のより一層の推進を図り、効率的・効果的な道路整備に努めていく

 

2.社会基盤整備プログラム(平成20年度~30年度)の23年度末進捗状況について

 県では、投資事業評価システムとあわせて、社会基盤整備の実施過程の透明性を確保するため、各地域(県民局)ごとに「社会基盤整備の基本方針・プログラム」を策定し、「地域ビジョン」に示す地域の将来像の実現に向けて、効率的・計画的な社会基盤整備を進めてきました。そして、 新行財政構造改革推進方策の下、限られた財源の中で、一層の選択と集中による効率的、効果的な社会基盤整備を進めるため、現計画内容を見直し、平成20年12月に新たな「社会基盤整備プログラム(平成20~30年度)」として改訂されました。その時の見直しは、経済情勢の変化からくる見直しと進度調整に重きがあったように私は捉えています。

道路整備に限って述べますが、私は次のプログラムの見直しは、さらに現実的な整備プログラムとする必要があるのではないかと考えます。例えば、中山間地の生活道路の役割が強い県道整備については、全線を2車線歩道付きにすることが望ましいことですが、地形的に制限がある区間や民家の移転を伴うような区間については、後に回してでも整備区間を延伸するなどの方針です。このような具体的な整備その上で市町や関係自治会との意見交換を図ること会がこの1年半の間に必要ではないかと考えます。この点について県のお考えをお尋ねいたします。

 

答弁(浜田部長)

道路などの社会基盤については、社会基盤整備プログラムに基づき、効率的・効果的に整備を進めている。

プログラムの平成23年度末の進捗状況は、平成25年度末までの前期着手514箇所のうち321箇所に着手し、前期完了667箇所のうち377箇所が完了し、着手・完了とも進捗率は6割程度であるが、限られた財源の中、事業効果を発揮させるため、継続事業に集中投資し、早期完了をめざす。

次に、お尋ねの、プログラムの見直しにおける生活に密着した道路整備の考え方は、地域の課題やニーズを踏まえた上で、①交差点などネック箇所の先行整備、②地形的な制約を踏まえた工区の分割による段階的な整備、③歩行者の数に応じて歩道に代わる幅広路肩の採用など、実態にあった事業計画へ見直しを進め、地元や市町と協議を行っていく。

また、この4月に制定した条例による県独自基準を活用し、人家が連坦するなど即効対策も困難な箇所について、1車線整備など地域の実情を踏まえた小規模な計画に見直し、用地買収等で地元や市町の協力を得ることにより、事業に着手できるような整備方策を検討し、優先度の高い箇所からプログラムに反映していく。

今後とも、事業の効率化を進めるとともに、地域の理解と協力のもと、社会基盤の整備を着実に推進していく。

 

3.明らかに地域間格差が生じているとみられる社会基盤整備について

 具体的に路線名を言いますが、おそらく県下において私が指摘する路線以外でも同じようなところがあるのではないかと思います。

主要地方道西脇八千代市川線の市川町保喜区~下牛尾区間です。県道甘地福崎線の市川町部分です。また私が言うのはおこがましいですが、一般質問で春名議員がおっしゃっていた加美宍粟線の一宮でも同じことが言えるのではないかと思います。

西脇八千代市川線は、船坂トンネルが整備されてから飾磨港から多可町、丹波市へ、木材チップを運搬する大型トラックが多く走行するのをはじめ、非常に危険を感じる道路状態です。先日も、地元区長さんをはじめとする役員さん、町会議員さん、市川町役場担当課長、県土木福崎事業所長、そして私と現地立会をしていましたが、目の前でその大型トラックと対向の車が行き交うことができず急ブレーキを踏む場面が幾度もありました。

しかし、当路線は道路の両側に民家が連担しており、現道の拡幅整備には多額の費用を要します。もちろん地元の意思決定が必要ですが、ほ場整備と合わせたバイパス整備、岡部川東側の町道を利用したバイパス整備など、具体的な整備方針が必要です。

甘地福崎線は、JR播但線と市川に挟まれた地形的な制限があります。しかし、全線ではありませんので、制限を受けない部分をまず拡幅改良するなどの方針が必要です。この点について、県当局のお考えをお尋ねいたします。

 

答弁(大住道路街路課長)

 地方部では日常の移動手段を自動車に依存することが多く、西脇八千代市川線や加美宍粟線のような日常生活を支える道路の整備は、地域のニーズが高い。

このため、西脇八千代市川線では、これまで大型車の離合が困難な下牛尾地区で路肩の拡幅を行ったほか、小・中学校があり通学路となっている上瀬加地区では、来年度からの歩道整備事業の着手に向け、地元調整等の準備を進めている。

下牛尾地区と保喜地区の間は、当面、優先度の高い通学路の歩道整備などを進めるが、ご提案のほ場整備や町道を活用したバイパス整備については、これまで県道長谷市川線の沢バイパスなどで実施してきたように県道整備の有効な手法と考えられるため、ほ場整備の動向等をみながら、今後の検討課題としたい。

また、県道甘地福崎線の甘地地区は、市川とJR播但線に挟まれ地形的な制約により抜本的な改築が困難なことから、農地が隣接するなど容易に拡幅が可能な箇所から待避所設置を行う。

今後とも、地域の課題やニーズにきめ細かに対応し、地元や市町の理解と協力を得ながら、安全で安心な道路の整備に取り組んでいく。

 

4.緊急防災・減災対策事業について

1)緊急防災・減災対策事業は、東日本大震災の復興増税を財源としたもので、津波対策、地震対策、風水害対策として、平成23年度の補正と24年度予算の一般会計と流域下水道事業特別会計を合わせて総事業費1841千万円が計上されています。マスコミで連日復興財源の使途についての報道が賑わせていますが、県土整備部の事業として、復興財源の主旨に適した執行がなされているのか、まず、お伺いします。

 

 (1) 答弁(古川県土企画局長)

 全国向けの緊急防災・減災対策事業については、昨年6月に施行された東日本大震災復興基本法に基づく「復興の基本方針」において、「東日本大震災を教訓として、全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災等のための施策」を実施すると位置づけられた。また、その財源は、同法に基づく復興財源確保法などにおいて、臨時増税等によりまかなうこととされている。

県土整備部では、この主旨に基づき、発生が懸念される南海トラフ地震や、度重なる台風災害に備えるための地震・津波対策、風水害対策のうち、県民の安全・安心の確保を図るため、極めて緊急性が高く、即効性が期待できる事業に箇所付けした。

具体的に、地震対策については、緊急輸送路上の橋梁や下水道施設の耐震補強等、津波対策については、防潮堤等の整備や排水機場の機械・電気設備の耐水化等、風水害対策については、河川の局所的な越水対策や道路への土砂流出対策等を選定した。

これらの事業は、いずれも緊急防災・減災対策事業の主旨に沿ったものであり、対象事業として適正なものである。

2)私は、特に風水害対策として実施されている「地域の河川緊急改善事業」については画期的な取り組みだと思っており、地元の人たちとともに喜んでいます。従来から中上流域における河川改修までとは言わないが、洗掘、土砂の堆積等々、事前に災害に備える小規模な対策事業ができないかと思っていました。それだけに本当に喜んでいます。そこで、県下における地域の河川緊急改善事業の実施と今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 

(2)答弁(田中土木局長)

 地域の河川緊急改善事業は、災害に備えて、地域の課題やニーズに機動的かつ細やかに対応するために創設した事業で、既設護岸の補強や狭窄部の河積拡大、防水壁の設置による護岸の嵩上げ等の対策を実施するものである。これまでに護岸補強や河道内樹木の伐採など52河川、67箇所で着手しており、残りについても、増水期の終わる11月以降順次着手し、今年度内に県下124河川、188箇所の全箇所を完成させる予定である。

 神崎郡においては、福崎町田口地区の七種川において、湾曲部の深掘れ対策として、護岸を補強する袋詰め玉石工を5月末までに実施した他、神河町山田地区の越知川において、7月迄に狭窄部約300mの河積拡大を実施し、併せて河道内樹木の伐採等を行ったところである。また今後、市川町下牛尾地区の岡部川や神河町栗地区の市川等で、溢水防止のための既設護岸の嵩上げなどを実施する予定である。

 本事業は、復興増税を財源として平成23年度から24年度の2ヶ年で緊急的に取り組んでいる事業であり、平成25年度以降については、引き続き、事前に災害に備えるという本事業の主旨を活かし、地域の実情を的確に把握しながら、効果的な対策を順次実施して、地域の安全・安心の確保に努めていく。

 

5.播但連絡有料道路の利便性の向上について

1)播但連絡有料自動車道は、昭和41111日に砥堀・福崎間が供用開始しに始まり、平成12527日に姫路市花田から和田山までの全線が供用開始いたしました。そこでまず、播但連絡有料道路の経営状況についてお尋ねいたします。

 

(1)答弁(伊藤高速道路室長)

 播但連絡道路の平成23年度の収支状況については、道路公社の自主財源での社会実験割引継続による減収のなか、除草面積・回数の削減などの支出抑制に取り組み、約14億円の償還準備金を積み立てることができた。その結果、償還必要額1,818億円に対し、平成23年度末の償還準備金の累計は673億円となり、どうにか第2次行革プラン並みを確保することができた。

しかし、現在、未だに1,000億円を超える未償還額があり、料金徴収期間満了時(平成4410月)においても、第2次行革プランでは未償還額が463億円となっている。

更に、第2次行革プラン策定後、社会実験割引を平成25年度まで延長したこと、県貸付金を公社債に切り替えたこと等により、未償還額は更に増加する見込みとなっており、経営状況は極めて厳しい状況である。

 

2)次に、平成19101日の第292回兵庫県議会の一般質問で、藤本正昭議員が播但連絡有料道路の利便性の向上、ETCの整備充実について質問されました。当時の井上俊廣県土整備部長の答弁は、「残る料金所への無線ETCゲートの整備につきましては、交通量が少なく設置や管理に多大な費用を要するため、今後のETCの利用状況を見ながらの検討とさせていただきたいと考えております。」でありました。

また、97日の中播磨地域づくり懇話会では、市川町長より知事に対して「ETCよりも無料化」の要望が出されました。

 ETC搭載車は、現在かなりの率となっています。井上部長の答弁では「今後のETCの利用状況を見ながらの検討」でありました。また、播但道沿線の住民、特に神崎郡の人間は但馬地域とのつながりも強く、北近畿豊岡自動車道や整備中の鳥取豊岡宮津道の無料通行や、福崎北料金所以北のETCレーン設置がなされないこと、同じでないことに対して大きな不満を持っています。もちろん、道路管理者が異なる、あるいは、山陰・但馬地域の振興を図ることには理解をいたしますが、管理者の違いで住民サービスの提供に差があることに対しては納得がいきません。また、現在、社会実験で通行料金が割引サービスされていますがその割引サービスの今後についても心配をするところです。

私は、現実的にはETCをどうするのか、割引サービスがどうなるのか、そのうえで無料化は実現できるのかと考えるわけですが、当局のご所見をお伺いします。

 

(2)答弁(伊藤高速道路室長)

 播但連絡道路、北近畿豊岡自動車道及び鳥取豊岡宮津自動車道は、ともに昭和40年代から幹線道路として位置づけられ、計画・整備が進められてきた。その中で、播但連絡道路は有料道路制度を採用することにより、他路線に比べ早期整備が可能となり、昭和48年砥堀・福崎区間の供用開始を皮切りに平成12年の全線供用まで順次整備を進め、地域間の交流促進や産業の振興を支えてきたと考えている。

ETCの全線設置については、①残る8箇所(19レーン)で約20億円の設置費用と、年間約0.6億円の維持管理費が必要なことや、②ETCを設置しても料金収受員を削減するコスト縮減効果が見込めないこと等の課題があり、現時点で新たなETC設置は予定していない。今後のETC設置については、ETC普及率や、各料金所を利用する交通量の状況を見ながら検討していきたい。

平成25年度末までの社会実験後の料金割引については、社会実験の効果、今後のNEXCO路線における料金施策の動向、償還計画への影響等を踏まえ検討することとしている。

なお、播但連絡道路の無料化については、有料道路制度を活用して建設してきた経緯や、未だに1000億円を越える未償還額があることを踏まえ、極めて困難であることをご理解頂きたい。

 

公安委員会

1.交通指導取締の目的と評価について

 私は、県庁まで車を使用しておりその距離は、往復約170kmです。平均月3,000km走ります。その中で感じる事、または多くの方々の声、本年の交通事故について次のように思っています。

一つは、交通死亡事故が全国的に減少している中で、私の地元福崎署管内をはじめ、県内の死亡事故が前年を上回っていること。二つに、厳罰化で飲酒運転が減っていたものが、また増えているのではないかということです。

平成23年中の交通違反取締り状況は、道路交通法違反の非反則行為、いわゆる赤切符は18,636件、反則行為、いわゆる青切符と、シートベルト着用違反などの点数のみの違反を合わせた件数は448,081件、関係法令違反858件で 計467,575件、これに放置車両確認標章取付件数90,490件を加えて、総合計558,065件と、大変多くの取締指導がなされています。この内、速度・過積載・信号無視・通行区分・踏切不停止・歩行者妨害・整備不良・通行禁止・一時不停止・携帯電話使用・駐停車について平成2023年の推移を見ますと、年によって多少の増減はありますが殆ど変わっていません。その中でも、シートベルトの取締り件数が毎年減少している状況を、ベルトの装着率が向上したと考えるならば、取締りに一定の効果が見られたのではないかと思います。そこで、改めて交通指導取締の目的とその評価についてお尋ねいたします。

 

答弁(森本交通部長)

交通指導取締りは、交通の安全と秩序を維持し、円滑な交通環境を実現するため、交通安全活動に対する指導や教育、安全施設整備等と並び、不可欠な交通警察活動であり、その活動に当たっては、違反行為の未然防止に努めるとともに、交通流・量の変化、交通事故発生状況、交通取締りに対する県民の要望等を踏まえまして、悪質性・危険性・迷惑性の高い違反に重点を置いた取締りを推進しております。

交通死亡事故の原因となる交通違反を見ますと、前方不注視などの安全運転義務違反や速度超過、歩行者妨害、信号無視など、いわゆる反則行為を含む基本的な違反によるものがその殆どを占めております。

また、大学の調査研究によりますと、取締件数が増加している時期には人身事故件数が減少をし、逆に取締件数が減少している時期には人身事故件数が増加するという強い逆相関関係が認められることからも、交通事故を防止するためには、交通指導取締りは重要かつ不可欠であるというふうに考えております。

本年8月末現在、交通事故死者数は110人で、昨年同期と比べて17人減少しておりましたが、9月以降増加傾向にあり、減少幅が縮小しております。更に年末に向け増加が懸念されますので、引き続き交通指導取締りを強化して参ります。

 

<要望>

取締中には事故が減少しているというふうなお話しがありました。

昨日も少しお話しをしていた時にですね、いわゆる私は交通指導の目的は取り締まることが本来の目的ではなくって、啓蒙啓発、意識の高揚が主目的ではないかなというふうに思っとったんですが、その時に今の話ではないですが、威嚇ということも一つの目的と入っておるというふうにお伺いを致しました。

なるほど人間弱いものですから、威嚇があればそういうことも強化になるかとは思うんですが、しかし実際は、個々のですね、意識が高揚せん限りですね、特に飲酒運転のようなものも減っていかないんではないかなというふうに思う訳です。

そういう意味で取締りは取締りとして、あくまでも意識の高揚啓発に繋がるような、ことで望んでいただきたいというふうに思います。

 

2.道路交通規制と取り締まりについて

 私は自宅を出ますと、主要地方道加美宍粟線、播但連絡道路で神崎南から福崎北、中国自動車道で福崎から吉川、国道428号線、新神戸トンネル、神戸山手幹線と走ってきます。

これから述べることはあくまでも主観でありますが、加美宍粟線は2車線歩道付の改良済、しかもバイパスですので殆ど民家などがありません。制限速度は時速50kmですが、朝の出勤時は殆どの車両が7080kmを超えているのではないかと思います。余談になりますが、私はいつも県庁には余裕をもって定刻の1時間以上は早く登庁するようにしていますので、運転にも余裕は持っています。

播但自動車道は福崎まで対面通行各1車線ですので制限速度は60kmです。ここでは8090kmほどではないかと思います。

中国自動車道の制限速度は、80kmです。7割が100kmかそれ以上だと思います。

国道428号線は、吉川から神戸市淡河まで2車線歩道付き、一部歩道のない区間もありますが制限速度は50km、ここは5060km程と思います。淡河から県道8号線の合流点までは2車線で大部分に歩道がありませんが路側帯は結構あって制限速度は40kmです。ここは4050kmです。新神戸トンネルまでは歩道がありますが、そこは狭小で路側帯にも余裕がありませんので制限速度は40km、ここもまずまず遵守されていると思います。

 新神戸トンネルは60km制限ですが、殆どの車が90km以上ではないかと思います。山手幹線については省略します。

 繰りかえしますが、あくまでも主観であります。そして、速度取締指導を受けた方々を見ますが、違反をしたので指導を受けるのは当然とはいえ、気の毒だなーとも思うのが428号線北区山田町新池のところです。もう1か所は、国道312号線市川町北側の播但道と交差するところです。制限速度は40kmですが、市川町役場付近は2車線両側歩道付、その両側歩道から片側歩道に変わったところで、これらが本来の指導、交通安全の啓蒙・啓発に繋がっているのだろうかと思います。3月の予算委員会総括で、構造的に要件を満たしていない自転車通行可の歩道についても質問をいたしました。

 そこで、適切に、県民が納得し得る交通規制と速度取締指導についてお伺いします。

 

答弁(森本交通部長)

交通規制は、交通の安全と円滑の確保を目的に行っておりますが、交通事故の状況、地域住民等の意見等を踏まえまして、順次見直しを図っているところでございます。

 最高速度につきましては、警察庁の示す基準に基づきまして、交通量、実勢速度、車線数、歩道の有無などを調査分析を致しまして、安全が確保できる場合は速度の引上げを、通学路など生活道路においては速度の引下げを実施しており、これまでにも、阪神高速道路7号北神戸線や六甲北有料道路等の見直しを行ってきたところでございます。

 平成23年中の交通事故実態を見てみますと、交通事故死者数198人のうち、速度超過が原因となった事故死者は27人で、全体の13.6%を占めており、本年8月末でも15.5%を占めるなど、違反別の事故原因としては安全運転義務違反に次いで高いということから、速度違反取締りは必要不可欠なものと考えております。また、速度違反の取締り場所につきましては、都市部や郡部、単路や複路、或いは40キロや50キロという速度規制に関わらず、交通事故の発生状況でありますとか、住民の要望等を踏まえ様々な場所で取締りを行っております。

今後も引き続き、交通の安全と秩序を維持し、円滑な交通環境を実現するため、より合理的な規制と、交通指導取締りの強化を図って参りたいと考えております。

なお、3月の予算特別委員会総括でのご質問につきましては引き続き、道路管理者等の関係機関と連携を致しまして、自転車利用者が安心して走行出来る良好な自転車交通環境の整備にも、現在も取り組んでいるところでございます。

<意見>

阪神高速の山手線の60キロ制限の一部解除もですね、私もよく分かっておりますので、その様に常に見直しをして頂いているということも、十分承知を致しております。

 それから、また、速度超過がですね、ほんとに交通事故の大きな原因になっているということもですねよく理解を致しております。

 それで60キロとか80キロ制限の所を超過をして走っているのは、本当に取締りして当然だと思うのですが、先程言いました様な、本当に40キロ制限の所で、それもですね、本当に狭小な部分なら良いんですが、一定路側帯があるとか、そういう、通行人もいない、そういう様な所で取締りをされているのを見た時に、そういうふうに多くの方々がですね、捕まってですね、取締りを受けて、本当に改心をして次の交通安全に繋がっていくんかなというふうな率直な疑問がありましたのでお尋ねを致しました。

 

3.サイバー犯罪捜査について

 今年の3月にサイバー犯罪対策課が生活安全部に設置され、先日も活動ぶりがテレビ放映されていました。適切な時期での設置だと思ったわけですが、すぐその後に、「犯罪予告メールを送信したなどとして、大阪府警と三重県警にそれぞれ威力業務妨害容疑で逮捕された男性2人のパソコンが、「遠隔操作型ウイルス」とみられるウイルスに感染していたことがわかった。」との報道がありました。

 そこで、40人態勢でのスタートということですが、人員・スタッフはもちろんのこととして、パソコンなどの機材の現段階の整備状況、これから必要なこと、さらには、サイバー空間を取り巻く犯罪状況、それらに対する対応状況についてお尋ねいたします。

 

答弁(倉田本部長)

県警では、本年3月、約40人体制のサイバー犯罪対策課を新設をいたしましたほか、昨年10月には、警察の総合力を発揮した対策を推進するため、「サイバー犯罪等対策委員会」を設置をいたしまして、取締りと予防抑止対策の強化を図っているところでございます。資機材につきましては、本年度予算におきまして、捜査用のインターネット・解析パソコン、これを県下全警察署など関係所属に配置することとなっております。しかし、インターネットの進展とスマートフォン等の急速な普及により、解析などの捜査も増加の一途を辿っておりますことから、今後とも所要の資機材の整備に配意してまいる所存でございます。

 一方、サイバー空間では依然として、違法・有害情報が蔓延をしておりまして、また最近ではオンラインショッピングを舞台とした不正アクセス・詐欺事件等も多発の傾向にありますほか、ただいまご指摘がありましたように「遠隔操作型ウイルス」を使用した事犯も見られるなど、誠に憂慮すべき状況でございます。

 県警察といたしましては、これに対応するため、個々の事件捜査を緻密かつ適正に進めますとともに、常に新しい捜査手法、また、解析技術の開発を行いながら、初動措置を徹底して検挙に努めていく方針でございます。

 また、予防対策といたしましては、「兵庫県サイバー犯罪防犯センター」これを昨年9月から動かしておりまして、中・高校生等を対象に、これまで90回、約27,000人に対して防犯教室を開催するなどの施策を行っているところでございます。

 今後も、官民が一体となってサイバー空間の実態を正確に把握をし、県民が期待する犯罪の検挙に努めますとともに、県民が犯罪被害に遭わないために、取締りで得た新たな犯罪手法については、その対策とともに情報発信を行い、さらなる予防対策を講じていく所存でございます。

 

4.重要凶悪事犯の未解決案件について

 私が記憶に残る事件として平成19年の加古川市における小学生女児殺人事件を思い出します。自宅の前で起きた事件ですので、それだけに親御さんをはじめ家族の方々の心中を察すれば、胸に詰まる思いがいたします。必ず事件の解決を図っていただきたいと思うところです。

 この件以外にも重要凶悪事犯の未解決事件がたくさんあるのではないかと思いますが、その状況と解決に向けた見込みと決意を聞かせてください。

 

(今村刑事部長)

殺人等の重要凶悪犯罪について、県民が最も望むことは、犯人を検挙して、事件の真相を明らかにすることであり、そうした期待に応えていくことが、警察に課せられた重要な使命であると認識しております。

 県下におきましては、委員ご指摘の「加古川市における小学生女児殺人事件」のほか、いくつかの重要事件が未解決となっていることから、懸命の捜査を継続しているところであります。

  具体的には、事件を風化させることがないように、チラシの配布、県警ホームページ等により広く情報提供を呼びかけているほか、聞込み捜査や未解決専従捜査班の投入によるこれまでに収集した情報や証拠の精査等を実施しております。

 県警察といたしましては、それぞれの事件の被害者の無念、ご家族の悲しみ、周辺住民の不安に思いをいたし、一日でも早く犯人を検挙し、事件の真相を明らかにするための捜査を続けてまいる所存であります。

<意見>

本当に大変な中で捜査を行って頂いているという風に思っております。

 これからも力を入れ、最大限頑張って頂きたいとお願い致します。

 

5.定数および人員配置について

 定数を大きく下回っていることは承知をいたしています。また、この後自民党の伊藤さんが質問されるようですので、私は一点について、質問を言っておきたいと思います。

 県下の死亡事故やまた飲酒運転が後を絶たないこと、未解決事件がまだまだあることは、人員不足が原因となっていないか、サイバー対策もますます複雑・高度化することに対して十分に対応できるかお伺いいたします。

 

答弁(花岡警務部長)

ここ数年、定員に対し欠員が生じている現状にございますが、日々発生いたします事件事故、とりわけ警察力の重点的な投入が必要な未解決事件を含めた重要凶悪事件や交通死亡事故等の対応に齟齬を生じさせないために、県警察におきましては、

   ○ パトカーや捜査用車両の増配による機動力の確保

   ○ 各ブロックの警察署で編成する「初動捜査支援班」の運用

   ○ 交番相談員や駐車監視員の運用

   ○ 機動パトロール隊など本部執行隊による警察署の支援

   ○ 大規模雑踏警戒現場への機動隊や管区機動隊の派遣

   ○ 必要に応じた勤務制の変更による要員の確保 

     などを行い、その補完を図って参りました。

     しかしながら、これらの取組をもってしても、欠員状態による第一線現場への負担が生じていることは否めないところでございま         す。

   県警察といたしましては、欠員の解消を重要な課題として捉え、今後は、採用試験における資質の見極めに配意しつつ、

   ○ マスメディアを始めとした各種広報媒体の積極活用

   ○ 大学、高校等の就職担当者との緊密な連携

   ○ 女性警察官の採用拡大

   ○ 採用状況に応じた臨時採用試験の検討

     など、採用拡大に向けて知恵を絞り、実効ある施策に組織を挙げて取り組み、欠員状態の早期解消に取り組んで参ります。

 

農政環境部

1.営農組合の法人化について

(1) 営農組合の現状認識について

営農組合の平成23年度末の組織化は997集落でしたが、平成23年度目標1,020集落を若干に下回り、近年伸びは鈍化傾向と聞くが、その原因なりの現状認識をお尋ねします。併せて平成32年度の最終目標1,500集落の見込みについてもお願いします。

 

(1)答弁(天野農業経営課長)

集落営農の組織化が進まない原因としては、①強いリーダーシップを持ち、粘り強く集落をまとめるリーダーとなる「人材の不足」、②地域・集落の将来に対する危機感が共有できないことによる集落内での話し合いの「機会の不足」、③集落内関係者の合意形成にかかる手間や調整過程で生じる対立への懸念を払拭するほどの「組織化インセンティブの不足」が考えられる。

「人材の不足」への対応としては、各市町単位で実施する集落営農活性化塾によりリーダー育成を推進してきたほか、集落営農育成員が未組織集落を対象に、先行事例におけるノウハウを活用した個別指導等を行ってきた。

今後は、「機会の不足」、「組織化インセンティブの不足」への対応を強化するため、本年度から新たにスタートした「人・農地プラン」事業の活用を通じて、地域を将来にわたり担う中心となる経営体の選定や農地集積協力金の活用などについて、集落の話し合いを促進するとともに、国、県、市町等関係機関の連携によるフォローアップを図り、「農林水産ビジョン」に掲げた平成32年で、1,500集落の目標達成に向けて組織化を着実に進めて参りたい。

 

(2) 法人化数について

次に、平成23年度末の法人化された営農組合の数、及び今後法人化を目指している営農組合の数についてお尋ねいたします。

答弁(天野農業経営課長)

集落営農組織における、平成23年度末の法人化数は、37法人となっている。

また、今後法人化を図る集落営農組織については、ひょうご農林水産ビジョン2020において、①水田・畑作経営所得安定対策に加入し、今後法人化することを予定している組織(188組織)と、②同対策の実施期間後に設立され、法人化すると見込まれる組織(40組織)を加え、合計約230法人に登るものと見込んでいる。

 

(3) 法人化された組合の特色等について

営農組合の法人化は、経営における意思決定のスピードと責任の所在の明確化により経営の安定化につながると考えますが、それ以外のメリットがあれば教えていただきたい。できれば法人化された各組合の特色と経営の現状について教えていただきたい。

答弁(伊藤部長)

集落営農法人化のメリットとしては、委員ご指摘の内容に加え、①社会的信用力の向上による必要な資金調達の有利性や②取引信用力向上による販路の拡大、さらに、③営農組合自体が認定農業者となることで補助事業等の支援制度の活用が図れることなどのメリットがあげられる。

法人化した事例については、①佐用町の東徳久地区農事組合法人では、スーパーL資金の無利子化支援措置を活用して、新規就農者育成のための研修施設の整備に取り組んでいる。②たつの市の㈱ささ営農では、法人化の際に、国の経営構造対策事業を活用し、乗用管理機等の営農機械を導入した。③淡路市の㈱五斗長営農では法人化を契機に集落営農法人化等緊急整備推進事業を活用し、玉ねぎの栽培面積拡大のための大型トラクタやたまねぎ堀取機などを導入した。

集落営農の法人化には、営農組合の組合員の合意や法人設立手続きの必要があり、法人化が進んでいない状況にあるが、経営発展のためには、法人化メリットの活用が有効であることから、今後とも具体的な事例を示すなど、集落営農組織の法人化促進に向けた取組を進めて参りたい。

 

2.担い手育成・新規就農について

(1) 新規就農者の継続・定着状況について

新規就農者の数は、平成21年度180人、内雇用就農者数は、60人、平成22年度は、それぞれ187人、55人、平成23年度は、193人、34人となっているが、継続・定着状況はどうなっているかお尋ねいたします。

答弁(1)(天野農業経営課長)

新規就農者の本年3月末における定着状況について、平成2123年度の新規就農者560人を対象に調査を行ったところ、回答のあった471人のうち、8割にあたる377人が継続・定着していることが分かった。

 

(2) 人・農地プランの策定状況等について

新規就農者の増加要因(推測)として、①青年就農給付金の魅力による就農喚起(独立就農の前倒し)、②農の雇用事業の拡大による雇用就農の大幅増、③就農スタートアップ支援事業の創設等による就農の踏切り易さの向上。が、あげられているが、市町の「人・農地プラン」策定状況についてお尋ねします。併せて、平成24年度新規の就農スタートアップ支援事業の取組状況についてお尋ねします。

答弁(天野農業経営課長)

「人・農地プラン」については、県が本年1月、県、市町、JA、農業委員会等による4者会議を推進体制として整備し、県民局毎にモデル市町・モデル集落を設けた上で、機会あるごとに集落座談会への参加、農地集積への助言、プラン原案策定への助言等を行ってきたところである。

この結果、近畿で初となるプランが427日に加西市の網引町で策定され、以来9月末現在までに10市町44地区のプランが策定されている。これらについては、新規就農者の育成や担い手への農地集積、農地の高度利用など各々の地域の実情を踏まえ将来を見据えたプランとして策定されていると考えている。

今後は、これまでの事例を生かしながら研修会の開催や末端農家・集落への働きかけを強化するため、各農業団体と県、市町、JA、農業委員会等がより一体となった推進に取り組むことで、より多くの地域で人・農地プランの策定の取組が加速するよう進めて行く。

また、就農スタートアップ支援事業は、毎年300人の新規就農者を確保するためには、農家子弟に比べ、地域とのつながりが弱く、生活・営農両面における継続的な支援が必要な近年増加傾向にある非農家出身者に、地域の溶け込みや実践的技術、販路確保についてアドバイスする親方農家を紹介、マッチングを図る形でサポートし、定着就農者を増やすことで就農の踏切りを容易にしようとするもので、3度の公募・マッチングを行い、9月末現在で親方農家から56戸、新規就農者から30戸の応募により、結果30件で後見人的応援活動が行われているところである。

 

3.鳥獣被害の現状認識と対策について

(1) 鳥獣被害の現状認識について

平成23年度の被害額を動物別にみると、シカが43600万円で、被害額全体の49%を占め、次いでイノシシが25500万円(29)、アライグマが6700万円(8)、ヌートリアが2500万円(3)、サルが900万円(1)と前年度に比べて9.1%減少したと聞いていますが、各市町の担当者等に聞いてみますと「そのような実感はない」が殆どです。被害額の算定ですが、自家消費用の菜園などは含まれていないと思うのですが、どのようになっているのかお尋ねいたします。(*)一方で、シカ及びイノシシによる被害などでは、山間部で防護柵の設置が進んだり、駆除専任班の取組等で南部に下がってきた、サルについても神河町の追い払いで生野町や朝来町に進出してきた、また、旧南光町の瑠璃寺では水害の関係で餌付けをされていたサルが餌をもらえなくなり、出没しかけた等の効果と被害の拡大がありますが、現状認識についてお尋ねします。

(2) サル被害対策の今後の方針について

サルについては、生息地域が限られており、被害額も1%と少額でありますが、その地域での被害、とりわけ精神的な被害はシカなどの比ではありません。近年は、稲にもつく等エスカレートしています。また、高齢者の生きがいづくりのための家庭菜園への被害は、栽培意欲を削ぎ、ひいては老化や認知症を進めることにもなりかねません。サル監視員の継続と追い払いの機材や有効手段の共有、意見交換などの取組についての今後の方針についてお尋ねいたします。(おじろ用心棒、せんぶり)

(1)答弁(今里自然環境課長)

鳥獣被害額については、農林水産省が毎年全国の鳥獣被害額をとりまとめており、本県では市町に照会し、鳥獣ごと、作物ごとの被害面積と被害額について集落等からの報告に基づき集計している。被害額は、卸売市場や直売所等へ出荷する農産物の被害を集計している。

捕獲拡大や防護柵の設置については、今まで被害の大きかった地域を中心に進めてきているが、いまだ十分な効果が現れていない地域もあると認識している。今後も継続的な捕獲拡大に努める。

サルについては、個体群によっては集落周辺を中心に移動し、農業被害だけでなく、家屋侵入や人への威嚇を行う問題個体も存在することから、農業被害や生活被害の軽減のための捕獲等を進める。なお、追い払い等により、神河町から朝来市への移動が見られるため、本年度、朝来市で20頭、神河町で40頭の捕獲に取り組む。

また、サル用防護柵「おじろ用心棒」の設置を進める。

なお、餌付け群である佐用町瑠璃寺のサルについては、餌付けは続けているが、台風災害により山でのエサが不足しており、一部で農業被害が発生している。このため、町が有害鳥獣駆除による捕獲を予定している。

 

4.農協との連携強化と指導監督について 

 農業の再生は、牽いては地域の再生につながると思います。そのためにも、農協との連携強化、本来の農協のあるべき姿に期待するところですが、現状は決してそうとなっていない様に思います。

 平成23年度の県産米の流通状況の内、農協取扱量の状況は23%、また農協取扱量の内、農協直売量は、33%であり残りは全農の扱いとなっています。また、平成22年度の県全農協における職員数6,805人の内、営農指導員数は302人で、4.4%でしかありません。

 また、平成21年5月に農林水産省がまとめた「農協の現状と課題について」中、担い手農家の農協に対する意識によると農協が取り組むべき事業である必要性と当該事業について農協が取り組んでいる場合の満足度は、次のようになります。

①市場を通じた販売については、必要であるとの回答が80%、満足しているとの回答が29%、②農産物直売所(農協経営)での直接販売については、必要であるとの回答が79%、満足しているとの回答が37%、量販店・生協等(農協扱い)への直接販売については、必要であるとの回答が79%、満足しているとの回答が28%となっています。

そこで、都道府県の区域を超えない区域を地区とする農協、都道府県の区域未満を地区とする農業協同組合連合会については、都道府県が行政庁としての指導・監督を行うことになっていますが、そのことに対する認識と現状、併せて中央会等との連携についてお尋ねいたします。

 

答弁(北川農政企画局長)

これまで県は、農家組合員へのサービスの充実を図るため、農協に対し、不祥事の未然防止や責任体制の明確化、財務の健全化などの指導・監督を行うとともに、合併を促進するなど農協の経営基盤の確立に努めてきた。

一方、農協に対しては、信用事業偏重による農産物の集荷・販売や営農指導などの農業経営支援について、組合員ニーズに応えられていないとの指摘がある。そのため、県としては、農協経済事業の根幹である営農指導機能の充実強化に向け、営農指導員の確保を指導するとともに、その資質向上を図る研修を県農協中央会と連携して実施するほか、県普及指導員との連携強化にも努めてきた。

また、県農協中央会や全農兵庫県本部と各農協が協議して、農家所得向上を目的とした「もうかる営農プラン推進事業」の実施や米仮渡し金の増額による集荷力の強化、付加価値の高いブランド米の区分集荷、農協の総合力を活用して農業経営を支援する担い手専門担当者TAC(タック)制度の導入など、農業生産力の増強に向けた組合員に対する取り組みも出てきている

今後とも、県普及指導員との連携による営農指導面での強化はもとより、県農協中央会等農協系統組織とも連携して、農協が本来の機能や役割を果たし、農業者の経済的社会的発展と農業生産力の増進を図る役割を発揮するよう、様々な観点から指導する。

 

 

 

 

2012年12月20日(木) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


決算特別委員会 統括質問 上野英一委員



 決算特別委員会  [ 10月23日(火)総括・上野委員 ]  

 

それでは、民主党・県民連合議員団を代表して、早速、総括質問をさせていただきます。

 

1 財政状況について

(1)平成23年度決算に対する評価について   

はじめに、平成23年度決算に対する評価についてお伺いします。

平成23年度は、行財政全般にわたる総点検を踏まえて作成した、第2次行財政構造改革推進方策(第2次行革プラン)がスタートした年でありました。本県の財政状況は、平成11年以降、数次にわたる行財政構造改革の取り組みを進め、県当局は、第2次行革プランに基づき、県政の仕組みと財政の健全化に向けて、鋭意努力されているところでございます。

国の中期財政フレームに基づき一般財源総額が平成22年度並に抑制される中、社会保障関係費の自然増に対応せざるを得ない厳しい財政環境であることに加え、収支不足が平成29年度まで続くことが見込まれるなど、今後も引き続き厳しい財政状況が続きます。

また、社会保障・税一体改革に伴う社会保障制度の見直しや地方消費税、地方交付税などの歳入歳出への影響、国家公務員の給与や退職手当の見直しに伴う地方公務員制度への波及など国の政策動向に不確定要素が多いうえ、景気低迷やデフレが長期化する現在の社会経済情勢の中では、前年度の決算に対する分析を、翌年度の予算に的確に反映させることが困難な状況になってきています。

しかしながら、このような状況下にあっても、本県が、「21世紀兵庫長期ビジョン」に掲げる「創造と共生の舞台・兵庫」を実現していくためには、自律的な財政運営を行っていくことが必要不可欠であります。その前提として、昨年度1年間でどのような事業にどのようにお金が使われたのかを明らかにする決算の役割は、今後の施策運営に向けて、極めて重要であります。加えて、県民に対してわかり易く説明責任を果たすことが同時に求められることは言うに及びません。

そこで、平成23年度決算の状況について、平成22年度の決算や平成23年度の予算を振り返り、県としてどのような成果があり、どのような点が不十分であったと考えているのか、知事として、平成23年度の決算を総括していただくとともに来年度の予算編成に向けた意気込みをお伺いします。

 

答弁(知事)

昨年度の決算につきましては、実質収支は黒字でございましたし、それから第2次行革プランのスタートの年でございましたけれども、概ね数値的には計画の範囲内の数値、しかも実質公債費比率などはかなり下回った水準で決算をうつことができました。

ただ、経常収支比率が99.3%になってしまいましたが、これは分母であります一般財源が落ち込み、一方で分子であります歳出の社会保障等の増があった結果でございまして、この点は経常収支比率が財政の弾力化を表す指標でございますだけに、もとより100%を超えないようにしないといけませんが、併せて低くしていくこと、このための努力をする必要がある。それは歳入の確保と歳出の見直し、この両面で行っていく必要があろうかと考えております。

また、いずれにしましても今後の財政運営も含めまして第2次行革プランに基づいて実施していくわけでありますが、行革プランを守っていればいいということではありません。県民のニーズに的確にその時代時代に応えていくための努力をする必要があります。そのためにも選択と集中、スクラップアンドビルドを徹底していくことが不可欠ではないか、このように考えているものでございます。そのような意味におきましても、来年度も23年度と一般財源総額で変わらないというフレームが国の予算編成で予定されておりますだけに、さらに徹底した選択と集中を図っていく必要があるのではないか、このように考えております。

23年度は第2次行革プランのスタートの年でありましただけに、その流れを、つまり収支不足が縮減しまして、県債管理基金の取崩額が減少したことによりまして実質公債費比率なども計画以下になったわけでありますので、この流れを定常的なものにしていく努力をしていきたい、このように考えているものでございます。

 

(2)人件費削減に対する考え方について   

 次に、人件費削減に対する考え方についてお伺いします。

公務員の給与は、労働基本権のうち団体交渉権が制約されていることから、国家公務員においては人事院勧告制度において、県においては人事委員会勧告制度において、それぞれ勧告された後、労使の合意を経て決定するシステムとなっています。    

本県では、労使間で合意した給与から、新行革プランの実施にあたり、さらなる労使の合意を経て年当り1人平均5%、32万円のさらなる独自カットを行い、現在に至っています。

しかし、労働組合は新行革プランのスタートに当たって止むを得ず合意したのであって、将来にわたって永遠に認めたものではないとして、独自カット分の復元を常に求めているのも事実です。行財政構造改革を推進していく上で、県民に痛みを求めるにあたり、知事をはじめ幹部職員が率先して自らの賃金カットを行うことは一定仕方がないことだと考えますし、労働組合もスタートにおいては知事に協力したものだと思っています。

この間の県当局における財政運営には、見事なものを感じます。3年ごとの見直しに加え、国の政策動向に対しても的確に対応されており、平成30年までの行革プランの実施、本県の財政再建には揺るぎのないものだと確信しています。しかしながら、第2次行革プランの最終年度である平成30年度においても、また新たな行財政改革が始まるのではないかと危惧するのは、私だけではないと思います。

行革による人件費の削減が、年1人当り32万円で対象職員約6万人を掛け合わせて、約200億円となっており、大きなウエイトを占めています。財政健全化の成否が人件費削減に大きく依存していることや一般財源の確保において人件費削減が手っ取り早いことは間違いのない事実だろうと思います。

昨年度の経常収支比率は、99.3%となっており、平成22年度と比べ4.8ポイント上昇しています。かなり良くない数字でありますが、給与の独自カットがあってその数値であります。知事は、決算の記者発表で、「減収補填債の発行可能額が45億円あったにもかかわらず、発行しなかった」と、堅実な財政運営を行っているかのように述べられていますが、よく考えていただきたいと思います。

今春の予算委員会で我が会派の藤井委員の質問に対して、当局より「なるべく早く給与抑制措置を解除したい気持ちを持っているし、25年度の見直しにおいても、そのような気持ちを持って人件費の問題も措置していく」旨の答弁がありました。また、私は5年という年数は、労使間協議においては、一つの節目だと考えます。  

そこで、これまでの職員の人件費削減の協力が、本県の財政健全化にどのように寄与してきていると認識しているのかご所見をお伺いします。また、来年度の総点検が、県行革の正念場であると考えますが、取組みに向けた基本姿勢についても併せてご所見をお伺いします。

 

答弁(荒木部長)

ご議決いただきました新行革プラン、第2次行革プランに基づきまして、組織・定員、給与、事務事業、投資事業など行財政全般にわたります歳入歳出改革を行っています。

具体的な見直しによる効果額でございますが、平成20年度から30年度までの間の一般財源ベースでご紹介いたしますと、事務事業につきましては、県と市町や民間との役割分担、さらに行政サービスの受益と負担の適正化などの観点からの見直しを行いまして、約3,800億円の効果を見込んでおります。また、投資事業につきましては、国の財源措置を踏まえた投資水準に見直すことによりまして、約2,200億円を見込んでいます。おたずねの人件費については、組織、事務事業の見直し等に伴いまして、一般行政部門の定員を30%削減することによります効果額が約1,100億円でございます。給与につきましては、地域手当の削減で約800億円、管理職手当削減によります効果額が300億円弱、給料につきましての削減額が約600億円でございます。年間ベースで申し上げると、60億円のご協力をいただいているということでございます。これらの行財政全般にわたる見直しによりまして、財政健全化への歩を進めているものと考えています。

来年度予定されている総点検にあたっては、おたずねの人件費をはじめまして、事務事業、投資事業など全般にわたりまして、これまでの取り組みの検証・評価をいたしまして、新たな行革プランにつきまして議会をはじめ、県民、市町、関係団体などのご理解、ご意見もいただきながらまとめてまいりたい。

(上野委員)

  経営者にとって職員の人件費に手をつけるということが、一番の駄作と言われる方もおられます。しかし、実際のところ行政ですので、県民に対するサービスの低下を伴うというようなことでしたので、当然労働組合も真摯に受け止めて、そのような提案をのんだということと思われます。しかし、繰り返し言うことになりますが、やはりそれが継続的にその行革プランの中で、そのまま人件費削減されるということは、問題があるのではというのが私の基本的な認識である。ただ、その人件費の額が、どうあるべきかという話は別として、そういうことが言えるのではないか、ということで、改めてこのような質問をさせてもらった。見直しにあたっても、今年の労使間協議においても、十分に協議をして頂くことをお願いしておきます

 

2 将来負担を考慮した公共事業について  

次に、将来負担を考慮した公共事業について、お伺いします

この決算特別委員会審査の中では、政権交代後の「コンクリートから人へ」という方針が、すべての公共投資を止めているかのような議論がありました。

しかし、投資事業全体の推移を見た場合、平成14年度の3,690億円から平成23年度で約2,331億円と、この10年間で約37%削減されています。この金額2,331億円は決算数字でありますので、災害復旧費と決算での上積分等を除けば新行革プランに示された他府県の投資水準に近い数値です。

投資事業の規模は、現在の財政状況だけでなく、将来負担も見据えたものでなければなりません。今、私たちが考えなければならないのは、事業ごとの投資効果の測定にとどまることなく、人口減少社会を前提に、いかに将来世代の負担に耐えうるかという視点が必要であります。

さて、今後、「防災や減災」をキーワードに投資事業が行われる可能性が強まっており、兵庫県においても、現在「津波防災インフラ整備5箇年計画」が検討されており、今年度末には計画が策定され公表されることになっています。県民の命を守るために投資を行うことはもちろん重要ではありますが、計画の策定にあたっては、将来負担も見据えていくべきであると考えています。

現在、県では投資事業評価システムで費用対効果も含めて事業の必要性等についての審査が事業単位で行われるなど、限られた財源の中、優先順位の高いものに絞って事業を展開しており、また、県民局単位で社会基盤整備プログラムを策定して透明性・公平性の確保を図っています。この点については、高く評価をいたしています。

そこで、今後は公共事業への財源確保がより一層厳しくなりますが、このような中にあっても、将来世代に対して過度の負担をかけることなく、真に必要な公共事業を着実に展開し、より一層の「選択と集中」を求められることとなりますが、今後の公共事業の実施にあたっての基本的な考え方についてお伺いします。 

 

 答弁(吉本副知事)

本県の公共事業につきましては、行財政構造改革の取り組みにおきまして基本的な考え方をお示ししているところでございますが、県民の安全と安心の確保、多彩な交流の促進、少子高齢社会や老朽化する既存ストックへの対応など、県民生活に密接に関連します社会資本整備を計画的・重点的に推進してきたところであります。また、「つくる」から「つかう」の視点を基本にいたしまして、既存ストックの有効活用や事業評価の厳格な運用などにより、効果的、効率的な整備を進めてきたところでございます。

来年度の総点検にあたりましては、行革プランに基づきますこれまでの取組の検

証と評価を行ったうえで、投資水準につきましては、地方の財源措置を保障いたします地方財政計画を基準とした事業費総額を検討していくこととしております。

また、今後の社会基盤整備の方向につきましては、風水害・地震・津波など、あ

らゆる自然災害に備える防災・減災対策を基軸といたしまして、将来にわたり施設の健全性を確保する老朽化対策、県土の発展基盤となる基幹道路の整備、日々の暮らしを支える身近な生活関連事業など、県民ニーズを的確に捉え、事業の優先順位を見極め、選択と集中の観点から見直していくこととしております。 

なお、災害復旧事業や経済雇用対策の要請に係る臨時的・追加的な事業について

は、財源措置も踏まえながら機動的に対応していくこととしています。

【再質問】

震災の復興、いわゆる創造的復興とは、素晴らしい言葉だと思いますし、また、

それに沿った事業が随分展開されたと思います。しかし、私の感覚から言えば、例えば一つ例を挙げましたら、三木の防災公園ですが、あれについてはいかがなものかなというのが、率直な想いを持ちました。もちろん、文化やスポーツも十分大切なことがありますので、ただ単に防災拠点というだけではなく、そういう整備がされたということはそれなりにはわかるのですが、しかしいわゆる贅沢な投資ではなかったかな、と思います。今後、色々な防災、津波対策などが行われるが、やはり必要なものに限ってやっていくことと、矛盾するが地域の一定の公共空間を作ることについては必要なことではないかなと思います。この点について答弁がありましたら、よろしくお願いします。

 

(知事答弁)

三木の防災公園についてですが、平時と危機時を分けまして、平時の場合には危

機時に活用できる施設であっても、スポーツやレクリエーションの場所として活用し、危機時においては備蓄基地や物資の選別、送付の基地に使おうと、二つの意図で整備を図りましたものですので、規模等は560万の県民の防災基地としての規模が前提となりましたので、いささか大きいと思われるところが出てきているのかもしれませんが、平時において危機時の施設を有効活用しようという観点で整備したものだとご理解頂ければ幸いです。ただ、ご指摘いただきましたように、今後の公共事業を推進するとした場合、事業内容について十分吟味を加えて必要不可欠なものをまず第一に整備を図っていく。それが鉄則であることは、十分私たち自身も踏まえまして、今後の公共事業のあり方について検討を加えて整備を進めていきます。このことは、ご指摘のとおり、具体の運用におきまして、実現を図ってまいりますので、どうぞこれからもご指導いただきますようよろしくご指導願います。

 

3 県民交流広場事業の成果と課題を踏まえた今後の事業のあり方について  

次に、県民交流広場事業の成果と課題を踏まえた今後の事業のあり方についてお伺いします。

県民交流広場事業は、各市町とも連携しながら、県として、その事業推進に力を入れて取り組んで来られました。成果として、県内各地で、多くの県民の方々が参画し、様々な取組を展開されてきています。

その中には地域によく溶け込み、NPO法人として自立し、活発な活動を展開している広場もあります。住民同士のつながりが既に定着し、活動領域をもっと広げていきたいと願っている方が多い地域にとっては、有効性の高い事業であると、私は評価をしています。

我が会派の盛委員の質問に対する答弁では、「県としては、毎年全ての県民交流広場を対象に活動状況のアンケート調査を実施しているとともに、助成期間中の広場に対しては、活動実績報告、会計書類などによる内容確認の実施、聞き取り調査などにより分析・把握・指導を行った結果、概ね所期の目的に沿った運営がなされており、コミュニティづくりの呼び水となっていると認識をしている。また、補助金が無くなったいずれの地区も、活動が継続されている」とのことですが、自立し地域に根付き努力をしているという広場は、県の調査よりかなり少ないというのが私の実感であります。

また、補助金が無くなった広場に対する活動実績調査での回答の中に、「活性化につながっていない」「住民の関心が低い」「スタッフの高齢化、人材不足」などを挙げている団体が、少数ではあるが存在するとの勇気ある回答もいただきました。

以上のことから推測するに、活動継続に対する意欲、活性化に資するための努力が見られない広場が案外多く潜在しているのではと思われます。

県では今後、活動充実を支援するためのフォローアップに取り組むとのことでありますが、先ほど、述べました「地域に溶け込み、従来の自治会活動ではなかなか成し得なかった場の提供、広場」という観点から、調査選定や中間審査などの基準精査、活動状況の実態を把握することが重要であります。

『スポーツクラブ21』や『県民交流広場』のような自発的・主体的運営による地域コミュニティづくりの支援事業を展開していくことは今後も必要ですが、目的・趣旨に沿った事業展開できない地域への対応への視点を持つとともに、真にその事業を必要とする地域に重点的に支援していくことが求められます。

そこで、以上の点を踏まえ、県民交流広場事業のこれまでの成果と今後解消すべき課題についてどのように認識されているのか、今後の地域コミュニティづくりのあり方と併せて、当局のご所見をお伺いします。

 

 答弁(山内政策部長)

まず、広場の成果についてでございます。史跡やお寺を巡る世代間交流や登下校

時の児童の見守りによる「顔の見える関係づくり」、ふれあい喫茶や地元食材にこだわったコミュニティ・レストランによる「働く場の創出や生きがいづくり」など、コミュニティの活性化につながっており、地域づくりの呼び水の役割を果たしてきたと考えております。

一方、今後の課題といたしましては、「スタッフの固定化や高齢化」「後継者不足」

「資金確保」などが指摘されているところでございます。

県といたしましては、助成終了後も自立して活動が継続することが重要と考えて

おりまして、計画策定時から、その趣旨に沿った指導を行ってきているところでございます。

その一環といたしまして、さらなる広場の活用策も講じているところでございま

す。1つには、全県レベルの推薦を受けた優良広場20団体が一同に会する「地域コミュニティ・アワード」を開催し、表彰と先進活動の紹介、また、先進事例集の発行による活動のノウハウ共有。2つには、まちづくりの専門家や先駆的広場の代表者などによるコミュニティ応援隊の派遣、3つにはHPによる各種の補助金情報の提供などを行っているところでございます。 

今後の地域コミュニティづくりにつきましては、住民が自然、歴史文化、産業な

どの地域の特性、魅力を生かして、合意形成しながら、課題解決に向けた地域ぐるみの活動を継続していくことが大切であると考えております。そのためにも、広場事業は大きな役割を果たすものでございます。

現在、助成が終了した広場は203地区、約29%ございますが、全て活動が継続

をされている状況にございます。まずは広場の意向を踏まえつつ、活動の継続を支援していきたいと考えているところでございます。

(上野コメント)

私の理解としては、かなり使い勝手がいい事業であると思っております。ですから、本当に何かをしたいという目的があったときには、本当に効果的に事業展開なされているのではないかなと思います。

しかし、なかなか手が挙がらなかった地域もたくさんあったと思います。その中

で、バランスのこともあってだろうと思いますが、できるだけ、そういうところも汲み上げて拾っていって、活動を展開してもらおうということで、拾われたケースもあろうかと思うのですが、それが実際のところ、今、活動は全て継続されているということでしたが、やはり、当初の目的から言うと、少し弱いと言いますか、目的外とまでは言いませんが、そのようなところもあるのではないかなと思います。

特にハード整備で終わってしまったところも実際のところは多くあるのではないかなというのが、私の認識です。そういう意味で、また今後もそのようなところも、今後、地域コミュニティの醸成に繋がるようにご指導をよろしくお願いいたします。

 

4 少子化対策の総合的な推進について  

 次に、少子化対策の総合的な推進についてお伺いします。

知事は、新ひょうご子ども未来プランの中で、「少子化問題をすぐに解決する切り札はありません。」とし、「今後5年間(平成23~27年)の出生数24万人を目標とし、「子どもを産み育てる」などの6つの柱に、少子対策・子育て支援を総合的に推進します。目標の実現には、県民、事業者、団体、行政等が互いに連携しながら、それぞれの役割を担っていくことが欠かせません。」と述べられています。多種・多彩な少子化対策が、健康福祉部をはじめ、産業労働部、企画県民部など各部局に亘った総合政策となっています。 

昨年度、政府が実施した「子ども・子育てビジョンに係る点検・評価のための指標調査」によれば、「目指すべき社会の姿」の達成度について、「意欲を持って就業と自立に向かうことができる社会」に対して「そう思わない」と「あまりそう思わない」の合計が57.1%となっています。同じく「誰もが希望する幼児教育と保育サービスを受けられるような社会」が計55.6%、「仕事と家庭が両立できる職場環境の実現が可能な社会」が計51.0%と評価が低くなっています。

 子ども・子育てビジョンの取組に関して1番目から5番目に不十分だと考える項目では、「若者の自立した生活と就労に向けた支援」が上位5つの合計で37.6%、次いで「長時間労働の抑制、テレワークの活用等、働き方の見直しに向けた環境整備を図る取組」が32.8%、「育児休業制度その他の両立支援制度の普及・定着及び継続就業の支援とともに、子育て女性等の再就職支援を図る取組」が29.9%、「児童虐待を防止するとともに、社会的養護を充実する取組」が28.8%、「待機児童の解消や幼児教育と保育の質の向上等を図る取組」が26.0%となっています。

 この調査から本質的には、雇用・就労・労働環境改善が如何に求められているかだと思いますが、また、同時に結婚・出産・育児について多くの不安を持っていることがわかります。

そこで、新ひょうご子ども未来プランの2年目として、少子化の現状をどのように認識し、取り組まれたのか、その施策の推進状況と成果についてお伺いします。

 

答弁(井戸知事)

ご指摘のように、少し改善はみておりますものの、未だ合計特殊出生率は1.40

でございます。ただ、全国平均を2年連続して上回りました。これはやはり、少子化対策の総合的な推進の一つの成果ではないかなと、このように考えております。ただ、まだまだ水準が低いという状況でありますので、努力をしていく必要がございます。

 その中で、大きな柱立てといたしましては、結婚支援。といいますのは、結婚した夫婦の子どもの平均の数は1.96でございまして、少なくとも結婚した夫婦は平均すると2人は子どもをお持ち頂くということになりますので、やはり、成婚化を進めていくことが非常に重要だと考えております。

 それからもう一つは、一概に言えないとは思いますけれども、女性の社会参加が高ければ高いところほど、子どもの数が多いというのが基本データでございます。国内でいいますと、北陸地方が、共働きが非常に多いのでありますが、一方で出生率が高いという実績をあげております。ヨーロッパですと、北欧ですとか、フランス、オランダなど一度下がったところが2に近くなってきておりますのも女性の社会参加率が非常に高いというところがございます。

 それから子育て環境の整備は、もう、いろんな形でハードソフト両面から進めていく必要があろうかと思います。

そして、4番目が、先程も高橋委員からも指摘を受けましたが、経済的な支援としての少子対策ではないかと考えているものでございます。

実績に若干触れさせて頂きますと、たとえば、「兵庫出会いサポートセンター」では、平成22年度では76組であった成婚数が23年度は117組と増加しました。それから、「若者しごと倶楽部」では、非正規雇用の多い若者の就業支援にも取り組んでいます。女性の社会参加では、「男女共同参画センター」におきまして、就業相談から再就業までの一貫した総合相談に乗らせていただき、また就業支援を行っております。

社会を変えていくということも必要ですので、「ひょうご仕事と生活センター」が中心になりまして、各企業等に出向くことを含めながら、多様な働き方や仕事と生活の両立を支援しています。

また、待機児童数は、子育て環境の整備の一環としての保育所の増加もありまして、平成23年4月1,071人ありましたのが、平成24年4月は927人に減少しました。経済的支援としましては、触れさせて頂きましたように医療費助成ですとか、多子世帯の保育料軽減などを行っておりますが、さらにどんなことができるのか、厳しい財政状況ではありますが、検討を加えていきたいと思っております。

今後とも、冒頭ご指摘をいただきましたように、少子化対策は、効果を勿論考えないといけませんが、あらゆる政策手段を導入して、効果が無ければやめるということを前提しながら、あらゆる政策手段を導入していくという基本姿勢で臨んでいきたい。

その場合も、何も子育てに関係無さそうだな、というようなことであっても、関連付けて総合対策として構築していくことが重要ではないかとこのように考えておるものでございます。

少子対策本部におきまして、十分横断的な議論をしながら推進を図って参ります。

 

5 日中関係の悪化に伴う本県経済への影響について  

 次に、「日中関係の悪化に伴う本県経済への影響について」お伺いします。

 9月11日の日本政府による尖閣諸島国有化以降、中国国内において、デモ活動等が激化し、一部が暴徒化するなど、憂慮すべき事態が続きました。また、報道によれば、中国の反発を受け、日中国交正常化40周年の記念事業や交流イベントの中止や延期が、全国各地に広がっているなど、両国関係の基盤である草の根交流にも深刻な影響が出ていることがあらためて浮き彫りとなっています。

 先日の産業労働部の部局審査では、「このような時だからこそ、本県においては、11月には広東省との友好提携30周年を記念して知事が訪問し、今後とも、姉妹省である広東省・海南省を中心に、経済、観光、文化など幅広い分野で交流を積極的に進めていく」との答弁がありました。

 しかしながら、周辺諸国と領土紛争を起こしている中国では、領土をめぐる問題は深刻であるとの見方もあるうえ、来月8日からの中国共産党大会で、次期総書記に就任が有力視されている習近平国家副主席は対米・対日強硬派とする見方もあり、関係の正常化に向けては、先行き不透明な状況がしばらく続くように思います。

県内からは、多くの企業が、中国に進出しており、本県の経済にも既に、影響が出始めているとの声が聞こえてきています。中国税関当局が先日発表した9月の貿易統計では、輸入は前年比2.4%増加したが、日本からの輸入は9.6%減少したとのことであります。日中両国の政府においては、日中関係の基本でもある戦略的互恵関係を改めて確認し、関係正常化に向けて取り組んでいただきたいと願っています。

そこで、日中関係の悪化に伴う、本県経済への影響について、どのように認識し、今後どのように対応されようとしているのか、ご所見をお伺いします。

 

答弁(井戸知事)

 兵庫経済に占める中国の割合ですけれども、神戸港の輸出額で25%、県内企業の

海外進出先で23%、海外からの観光客で約20%のウェイトになっております。

こうした状況の中で、日中関係の悪化に伴います影響につきまして、今月の上旬

に行いました県内企業調査では、27%が「影響がある」、33%が「今後懸念をしている」という回答でした。製造業では、自動車関連などの分野、非製造業では、訪日とそれから訪中、つまりアウトバウンド・インバウンドの両方の旅行のキャンセルが生じております。しかし、現状では、企業経営を大きく圧迫したり、あるいは本県の景気を押し下げていくというような状況には至っていないと考えております。ただ、影響がご指摘のように長期化いたしますと、先行きは予断を許さないというふうにみているものでございます。

私どもとしましては、引き続き事態の推移を踏まえながら、必要に応じて、県内

企業向けの相談体制の強化や中小企業融資制度の活用などを図って万全を期してまいります。また、こういう政府レベルでは大変厳しい状況でありますだけに、地方公共団体レベル、あるいは民間レベル、個人レベルでの交流を絶やさないことが肝要なのではないか、このように考えております。先日、9月11日から、関西広域連合と関西財界の皆さんと一緒に中国を伺いましたけれども、直後の非常に厳しい時期であったわけでありますが、中国政府の要人とは会えませんでしたけれども、非公式ながら、地方政府の要人とはお目にかかって、これからの交流も確認しあったところでもございます。そのような意味で、注視をしながら、いろんな困難はあっても、それを乗り越える努力をし続けることが重要なのではないか、このように思っております。

もうひとつ、やはりこのグローバル化における兵庫と海外との経済交流という視点

から言いますと、一つの地域のみにあまりにも依存することのリスクということもありますので、海外のいろんな各地域との関係を構築していく努力を続けていくことがこれから必要なのではないか、そのような意味で、先ほどは「目移りばっかりしているのではないか」と高橋委員から言われましたが、インドやベトナムやインドネシアなど、アジアのいわば新興地域との経済交流という点についても、配慮をしていく必要がある、このように考えている次第でございます。

(上野コメント)

 知事は、1015日の定例記者会見で、「11月は広東省との友好提携30周年なので当初のチャーター便は飛ばさないが、いずれにしても広東省とは節目の年ですので、我々としては県民交流団として参加する方々と一緒に訪ねたいと考えています。100名前後の方が行っていただけると期待しています。」と仰っています。

知事、議長のほか2名の議員が同行されるようですが、昨今の日中情勢や訪問4日前となる118日から中国共産党大会が開催されること等から、中国側が訪問団を公式に受け入れる可能性が低いうえ、仮に受け入れてもどなたが対応されるか現地に行くまでわからない状況だと思います。

知事をはじめ「こんな時だからこそ、訪問団を派遣して交流を図るべし。」との意見があることについては十分に理解をいたします。

しかし、兵庫県として知事・議長が公式に訪問されるわけですから、公式受入の可能性が低く、また、どなたが対応されるかわからないものに対して、行政と議会のトップが参加をすることには、理解ができない、もう少し慎重な対応が必要でないかというのが、我が会派の意見ですので申し上げておきます。

 

6 農業の再生と自立的経営について    

 次に、農業の再生と自立的経営について、お伺いします。

日本農業の現状は、世界的な穀物需給の逼迫や甚大な被害を及ぼす自然災害の発生、続発する食をめぐる事件などにより、安全な食料の安定供給や特長ある県産農林水産物への県民の期待が高まる一方で、農林水産業の現状は、従事者の減少や高齢化が進み、生産額、生産量とも減少傾向にあります。また、農地法の改正による農地改革をはじめとする農政改革が進む中、WTO農業交渉及びEPA・FTA交渉や、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉協議の動向なども見据えた農林水産業の展開も重要になっています。

 これまでも県では自立的農業経営を目指して、営農組合の組織化や法人化、他産業企業からの農業への参入、認定農業者の育成、農地の集積・規模拡大を図ってこられました。

農政環境部の部局審査では、平成23年度末時点で営農組合は、997集落が組織化され、法人化数も37法人となっており、今後法人化することを予定している組織(188組織)と、法人化すると見込まれる組織(40組織)を加え、合計約230法人に上ると回答をいただきました。また、法人化のメリットとして、私が指摘した経営における意思決定のスピードと責任の所在の明確化に加えて、①社会的信用力の向上による必要な資金調達の有利性や②取引信用力向上による販路の拡大、③営農組合自体が認定農業者となることで補助事業等の支援制度の活用が図れると回答をいただきました。これらのメリットを生かして、農業経営の安定、兵庫の農の再生に邁進していただきたいと思っています。

補助事業等の支援制度として最大のものが平成23年度より本格的にスタートした農業者戸別所得補償制度であると思います。

平成23年度の本県の全国順位は支払額78.8億円で20位、支払対象者は、平成22年度のモデル対策に比べて1,523件減少しましたが、65,798件となり全国1位です。支払面積は349ha増加し全国13位でした。このような状況に至った主な要因として、農政環境部では、①集落営農の組織化・法人化が進展したことにより、複数の農家がまとまった。②水田活用の所得補償交付金だけ交付を受けていた小規模農家等のリタイア等によるものとされています。また、今年度も8月末での加入申請が昨年度の実績に比べ全国で7307件増えており、本県でも、606件増えています。農林水産省では、主食用米の生産者が、菓子などの加工用や家畜の餌に使う米に転作した場合に支払う交付金の申請が増えたのが主な原因としています。

私は、水稲栽培を中心とした日本農業において、農業者戸別所得補償制度が見事に大規模化、約50%の転作、自立した農業経営につながっていると考えています。私の地元のある営農の平成23年度決算では、約30haの経営規模で、販売収入約2,000万円、交付金が約1,550万円、決算で約550万円の黒字を計上しており、良好な営農状態となっています。また、60kgのコメの生産単価は10,556円となっており、ひょうご農林水産ビジョン2020における目標である12,000円を既に達成しています。

そこで、農業者戸別所得補償制度が、農業経営を自立的に行っていくうえでどのような役割を果たしていると考えておられるのか、ご所見をお伺いいたします。

 

答弁(伊藤農政環境部長)

 農業者戸別所得補償制度は、販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物を対象に、その差額を交付することにより、農業経営の安定と国内生産力確保を図ること等を目的としており、①加入単位ごとの10aの足切りがなされること、②規模が拡大した年に拡大面積に応じた加算が行われること、③飼料用稲や米(こめ)粉用(こよう)米(まい)など新規需要米への取組助成などの措置も講じられている。

 このことから農林水産省は、同制度は、全体として米農家の経営状況の改善に寄与するとともに、①規模の大きな農家ほどメリットが大きく、経営規模拡大を通じコスト低減が図れる、②飼料用稲などの新規需要米の生産拡大による水田の高度利用に結びついているなどと評価している。また平成23年に国が実施したアンケート調査結果において、7割以上の農家が制度を維持すべきと評価している。

 開始から3年目で充分な検証は難しいが、本県の、22年度実績と23年度実績の比較においても、①集落営農組織や法人経営体の加入数の増加や、加入者の平均経営面積の増加といった作付規模の拡大傾向や、②飼料用稲など自給飼料の生産拡大といった傾向が見られるところであり、この制度が自立した農業経営の下支えになるものと考えている。

 今後とも、戸別所得補償制度を活用しながら、中心経営体への農地集積を進めるとともに、米生産費の低減への取組みを図るなど、自立した農業経営体の育成に努め、足腰の強い本県農業を確立してまいりたい。

 

7 取調べの可視化の導入について     

次の質問は、時間の関係で省略して、

 次に、取り調べの可視化の導入について、お伺いします。

県警では、平成24年3月にサイバー犯罪対策課が新設されましたところですが、先日来より他人のパソコンをウィルス感染させることにより遠隔操作を可能とし、脅迫メールや殺人予告のメールが送りつけられる事件が、東京、神奈川、三重、大阪の4都府県で起きており、結果として誤認逮捕もしくは誤認逮捕の可能性が高い事例が相次いでいます。

これまでのネット犯罪の捜査は、IPアドレスから容疑者の特定につなげていくことが中心となっていましたが、今回の一連の事件により、今後のネット犯罪捜査は、格段に困難なものとなっていくことが予想されるところです。警察当局には、サイバー犯罪対策をより充実させ、このような捜査の壁を乗り越えて、真相解明に取り組んでいただきたいと願っています。

さて、結果として、4名の方が逮捕されたことは誠に残念ですが、現在の捜査手法によれば、「送信履歴」という有力な証拠を目の前にしての逮捕であり、これまでの捜査からは一定やむを得ない部分もあったのではないかと思いますが、むしろ問題なのは、逮捕後の取調べのあり方についてであります。

報道によれば、大阪府警に逮捕され、その後釈放された男性は「警察、検察の取調べでも全く聞く耳を持ってくれなかった」であるとか、東京、神奈川の事件でも当初は否認していたが、送信履歴の存在が明らかになった後は、自認に転じたりするなど、自白の強要や誘導などをはじめ不適切な取調べが行われたのではないかとの疑念を持たざるを得ない状況となっています。

また、従来から、密室での取調べ時の自白強要による相次ぐ無罪判決や、大阪地検特捜部検事によるねつ造事件等から、警察、検察に対する国民の信頼が大きく揺らいでいることもあり、公正な取調べや裁判を確立するための決め手として、全面可視化の必要性が叫ばれてきていますが、今回の一連の事件を契機として、改めて全面可視化を導入していくべきと感じています。

そこで、違法・不当な捜査を抑止し、冤罪事件を二度と出さないように国民の信頼を回復させていくには、警察・検察の取り調べの正当性を担保していくうえでも、取調べの可視化の実現は避けられないものと考えますが、当局のご所見をお伺いします。 

 

8 いじめ対策における教育委員会の果たすべき役割について   

最後に、いじめ対策における教育委員会の果たすべき役割についてお伺いします。

「いじめ対策」については、今定例会において、各会派の議員から、現状認識、早期発見、マニュアル作成、警察との連携など、あらゆる面から質問されており、我が会派からも教員の多忙化を解消し、情熱を持って学習指導・生徒指導など本来の担うべき業務に専念し、子供たちと向き合える環境づくりを行っていくべき旨の質問を行ったところです。

9月の川西市でも自殺した県立高校の男子生徒がいじめを受けていた問題や大津市の中学2年の男子生徒が昨年10月に自殺した問題のいずれについても、共通していえるのは、現場の学校長の対応だけでなく、教育委員会の対応のまずさであります。

校長が「『不慮の事故』として全校生徒に説明したい」と遺族に打診したことについて、常任委員会でも問題になりましが、問題が起きた時こそ、オープンにしていく姿勢が必要だと考えます。

学校とご両親とのやり取りの中での思い違いや誤解があったかもしれません。また、加茂忍委員のご指摘にもありましたように、2年続きの定員割れの問題もあったかもしれません。しかし、それだけに、学校現場を管理・監督する立場にある教育委員会は、このような事件・事故が起きた際には、県庁から指示するだけではなく、現場対応に追われる学校長や教員が、遺族や生徒への対応に専念できるよう現場に出向いて支援していくなど、現場をフォローしていくことも大きな役割であると考えます。

そこで、いじめ対策において教育委員会として果たすべき役割について、どのように認識しているのか、今後のいじめ対策に対する教育長の意気込みと併せてお伺いします。

 

 

答弁(大西教育長)

 いじめ問題は、まず、日々児童生徒と直接向き合う場である学校において、校長のリーダーシップのもと、教職員が一丸となって、子どもたちにしっかりと向かい合い、その中で校内体制の充実、警察をはじめとする専門機関との連携、家庭や地域との連携など、未然防止・早期発見・早期対応に取り組むことが重要であります。  その上で、教育委員会は、これらの取組が適切に行われるよう、いじめ問題に対する基本姿勢、あるいは基本方針を示すと共に、条件整理等の支援や指導をおこうのが基本であると考えます。具体的には教師用対応マニュアルの作成や全教職員対象のカウンセリングマインド゙研修などの実施による教員の対応能力の向上、あるいはカウンセラーなど専門職員の配置によるサポート、また、全県的な教育相談体制の整備、各学校の取組状況の点検と指導など、県全体の施策の推進を通じて効果的ないじめ対策に取り組みます。一方、重大かつ緊急的な事案については、速やかに指導主事や、教育事務所の機動性を生かした学校支援チームなどの専門家を学校現場に派遣するなど、直接的な学校支援に取り組むことが必要です。

  今般の川西市の県立高校の事案についても、発生後直ちに本庁の指導主事や幹部職員、そして、カウンセラーを学校へ派遣した。その中で、校内体制の再構築や外部との対応、アンケート調査の進め方や在校生の心のケアのための指導・助言を行うなど、これまで継続して学校現場を支援してまいりました。

  いじめ問題は、子どもたちの人権や生命に関わる重大な問題であり、兵庫の教育全体への信頼に関わる問題であると認識しております。今後とも、各学校におけるいじめ対策が一層推進されるよう、教育委員会としても、しっかりサポートを行い、そして、緊急時には的確な対応がなされるよう機動的な支援に取り組みます。そして、平時からは、先ほども答弁しましたが、心の教育を推進し、子どもたちが安心して学べる環境づくり、信頼される学校づくりに努めます。

 

 

2012年11月13日(火) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


予算特別委員会質問 上野英一理事

 

予算特別委員会質問要旨 病院局(3/3)  上野英一理事 

  1.       こども病院の実施計画について 

    こども病院立替整備基本計画がまとめられておりますが、これまでも多くの方々が一般質問されるだけでなく私も質問いたしましたし、あるいは昨年の8月に行われたパブリックコメントでは28人の方々が意見を述べられています。その中における診療機能や施設整備方針等については、概ねその意見に対して応える、または反映された内容となっていると思います。

しかし、立地場所については、もちろんの事ながらすべての方々の意見に応えられないことは当然でそれこそ大所高所からの判断があり、神戸市中央区港島に決定となったと理解をいたします。その決定理由の中での神戸市立中央病院との医療連携に期待できる具体的な内容についてお尋ねいたします。併せて、西播磨地域をはじめとする遠隔地通院利用者への対応、とりわけ県立病院等の連携により姫路で新病院に代わる医療サービスの提供ができないかについてお尋ねいたします。

                                   ( 答 弁 )

1 こども病院における遠隔地の患者への対応について

 県立こども病院は、小児・周産期疾患の全県における拠点病院としての役割を担っており、患者のほとんどは、かかりつけ医や地域の病院等から紹介されてきた患者であることから、地域の病院等と連絡を取りながら、患者の都合に合わせた診療予約制度をとるとともに、通院患者に対しては、出来る限り通院回数を抑制するため、検査と診察、治療を同一日に実施するなど工夫をしている。

また、退院後は、通常の経過観察等については、地域の病院等で診察してもらい、異常が起こった場合等に、こども病院に通院してもらうようにしている。

さらに、入通院する子どもが安心して家族とともに高度専門医療が受けられるよう、遠隔地または交通手段の確保が困難な家族を対象にした宿泊施設であるファミリーハウスを付帯施設として整備している。

新病院の整備にあたっても、患者を総合的に管理する医療情報システムを活用した待ち時間の短縮や、ファミリーハウスの戸数を増やすなど、遠隔地の患者に対してもより利用しやすい環境を整えるよう配慮していく。 

 

2.各県立病院の設置目的と役割について 

   今年度の病院局の主な事業として、県立子ども病院の移転整備、県立尼崎病院・県立塚口病院の統合再編、県立淡路病院の移転整備、県立光風病院児童思春期病棟の整備となっており、その目的としてそれぞれ、小児、周産期医療の全県の拠点病院としての診療機能の充実を図る、救急医療、小児医療、周産期医療の一層の充実を図る、淡路圏域の中核的病院としての機能の発揮を図る、児童、思春期の精神疾患患者に対応した病棟の整備を図るとしています。

 それ以外に、がんセンター、姫路循環器センター、粒子線医療センター、災害医療センター、リハビリ2病院は、名のとおりに特化をした政策・高度医療の提供だと理解いたします。西宮病院は、昭和47年に自治体病院としては初めて腎移植を行ったこと等から、腎疾患総合医療センターや未熟児センターを要するなどの特色があるとは考えます。

 24年度の予算では、それらの政策医療への一般会計からの負担として救急医療対策費、特殊医療経費、高度医療経費などの名目で総額13982百万が繰入されています。収益的収入99920百万円の実に14%を占めています。

 改めまして、各県立病院の設置目的と役割、政策医療の提供についてお伺いします。

            ( 答 弁 ) 

2 県立病院の果たすべき役割について 

 病院局においては、病院運営の根幹の指針である「病院構造改革推進方策」を基本とし、国が示した「公立病院改革ガイドライン」の視点を踏まえた中期的な計画である「県立病院改革プラン」に基づき県立病院の改革を着実に推進している。

この改革プランにおいては、県立病院の役割は、①全県あるいは二次医療圏域における高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の効果的かつ効率的な提供を行うこと、②他に中核となる医療機関がない二次医療圏域にある県立病院については、他の医療機関と連携した地域医療の確保を図ることであると定めている。

これらの役割を果たしていくため、国が定める、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾病、救急、小児・周産期医療等の5事業を中心に、県立病院が提供する診療内容や診療機能などについて適時適切に見直しを行い、診療機能の高度化や効率化を図ることにより、県民に高度かつ良質な医療を提供していくこととしている。

今後とも、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な政策医療を着実に実施していくため、病院の建替整備や最新鋭の機器の整備を計画的に進めるとともに、優秀な医療スタッフの確保・育成に努め、県立病院に求められている役割を適切に果たしてまいりたい。

  

改めて考えてみますと県立病院の果たしている役割として、殆どの病院に共通することは3次救急医療の提供にあって、光風・こども・がん・姫路循環器・粒子線・災害・リハビリ2病院はそれぞれに特化をした政策医療の提供にあると思いますが、尼崎・塚口をはじめとする6病院は高度医療も受持っていますが地域の総合病院としての要素が強いと考えます。淡路・柏原病院を除けば姫路から阪神地域の海岸線にあり民間の医療資源も豊富なところであり、もちろん各医療圏域での役割も考慮はされていると考えますが、私は本来医療資源の乏しい但馬や丹波、あるいは西播磨などの郡部に県として手を差伸べてほしいと考えます。

   

予算特別委員会質問要旨 農政環境部(3/8) 上野英一理事 

 
 1農業政策の予算確保について

   TPP問題でにわかに農業政策がクローズアップされてきています。本来は産業、生業としての農業が一番基本的な産業であり、まさしく食、衣、住であるべきものだと考えます。もちろん、その前提として水や空気や太陽の光などの自然の恵みがあることはいうまでもありません。しかしながら、工業生産物の価値と農業生産物との価値が、現代の市場経済の中で大きく開いてしまっていること自体がそもそもの問題かもしれません。

また、1月の政務調査会の際にも質問いたしましたが、中山間地域等直接支払制度について平成22年度からの第3期対策で要件緩和等がなされ対象面積が増加したところですが、平成23年度以降の第3期対策における交付金については県費の追加的措置が困難であることから、増額の対応ができない旨の通知が楽農生活室長から関係農林水産振興事務所長宛になされていることが判明いたしました。本来国の制度に対して、県が随伴することができないから行わないとすること自体、私には理解できません。それだけに、相当に厳しい財政環境と思うわけです。 来年度の農政環境部の予算について、しかも農業だけに絞って見てみますと、競争に強い農林水産業の確立に向けて、担い手の育成(新規就農者の育成)として、新規就農者確保事業に6億81百万円、就農スタートアップ支援事業に12百万円、新規就農促進モデルファーム設置事業に8百万円、戸別所得補償経営安定推進事業に231百万円などの新規施策に対して931百万円の予算を確保しています。また、生産力の強化、6次産業化の推進、農業生産力の強化なども打ち出されていますが、農業費全体では、対前年度比でわずか2億96百万円増でしかありません。

 そこで、このように厳しい県財政の中で、農業政策に係る予算について、どのようにスクラップ・スクラップアンドビルドして作成したのか、その考え方についてお尋ねします。

              ( 答  弁 )

  1 農業政策の予算確保について 

 平成24年度の予算編成に当たっては、第2次行革プランの着実な推進を図りつつ、諸課題に的確に対応するため、施策の「選択と集中」を徹底して予算化したところである。

まず、ゼロベースで見直しを行い、①所期の目的を達成した事業、②地域・団体の自主的・主体的な取組が拡大してきた事業、③他事業との統合を図ることで効果が見込める事業などについては廃止を行った。

また、普及啓発に一定の効果が得られたことから事業を終了し、今後は実践の拡大を図っていく事業につなぐものや、技術実証等の成果を踏まえ、新たな産地育成を進める事業に組み替えて推進していくなどの見直しも行った。

これらの見直しに加え、国庫補助事業等の活用も行い、「ひょうご農林水産ビジョン2020」の4つの基本方向に沿った施策として、農業分野では担い手育成を図るための新規就農者確保事業や、農業生産力の強化を図る野菜増産プロジェクト事業、ブランド化・6次産業化などに予算を重点的に配分した。

この結果、平成24年度一般会計は県全体で平成23年度当初比94.7%の予算編成となっているが、農業費では103.2%の予算が確保できた。厳しい財政状況の中、十分とまでは言えないものの、「ひょうご農林水産ビジョン2020」の実現に向けた第一歩になったものと考えている

 

 2 競争に強い農業の確立に向けた取り組みについて

  農業がなかなか産業として立ちゆかなかった原因のひとつとして、小規模零細で兼業経営が主体の生産構造であると考えます。

食料増産時代は、生産者は米や野菜、畜産物の生産に専念し、それを農業協同組合が販売するという役割分担のもと、分業による農業が展開されていることは良かったと思いますが、消費者ニーズが多様化し、それに応えるために量販店と産地が直接契約するなどの取り組みや、加えて、農畜産物価格の低下などの時代の流れに応じて、生産から加工・販売に至るまでの収益構造を持った生産構造への変革が必要であると考えています。このような時代であるからこそ、スケールメリットを生かした低コスト・省力化生産を行い得る大規模・専業化、生産法人化、更には加工品製造とそれらの販売を含めた高収益型の6次産業化等の企業化をめざすことに至ったのもそのような課題克服のために採った手段であると思っています。

すでに県内でも、そのような企業化を行い、成功している事例も増えてきていますが、今でも本県生産者の圧倒的多くが企業的経営者・企業的経営体への移行が行われておらず、そのためには、大変な努力が必要であり、それを支援する役割を果たしていくのは普及指導員ではないかと思っています。

そこで、行財政構造改革に取り組むなか、普及指導員も平成18年度と比較して、今年度末で30人減少していますが、産業として、国内外の競争に強い本県農業の確立に向けて、農業者と直接接して農畜産物の生産技術や経営の指導を行う、普及指導員の指導力向上や活動の効率化及び活動強化のための新規事業の展開も含めどのように進めていくのかお伺いします。                 

                              ( 答 弁 )

  2 競争に強い農業の確立に向けた取り組みについて 

  2020年の県民生活を想定した農林水産ビジョン2020において、具体的・野心的な目標を掲げた、産業としての力強いひょうごの農林水産業の実現には、農畜産物の生産技術や農業経営に係る知識等を、農家に接して指導を行う普及指導員の活動は、極めて重要と認識している。

これまでの活動成果によって、優れた農業経営を行う経営体や集落営農組織の育成を通じ、丹波黒大豆、但馬牛、酒米山田錦、淡路たまねぎやレタスなど、全国に名を馳せるブランド産地を作り上げた。また、近年では安心ブランドやコウノトリ育む農法など環境に配慮した、良質で安全安心な農畜産物生産に力を注いでいる。

24年度から、「ひょうご元気な「農」創造事業」と銘打って、県下13の農業改良普及センターが、それぞれの地域の特色を際立たせた目標を設定し、普及指導員のモチベーションを一層高めながら、関係機関等と連携したプロジェクトチーム活動を進めることとしている。

具体的には、従来の農畜産物の生産力向上の技術指導等に加え、①市場(しじょう)、食品メーカー、量販店等と連携し販路を確保した産地育成、②出口を見据えた生産から加工・販売に至る6次産業化の取り組み強化など、先駆的な農業のきっかけづくりが出来るよう成果をあげたい。

普及指導員も人員削減が進んでいるが、職務の重要性を再認識する中で、更に活動意欲や資質を高めるとともに、地域における課題の重点化や明確化によって、効率的・効果的な普及指導を展開していく。

  

 今後においても、真に競争に強い農林水産業の確立としての事業展開、その予算確保についてよろしくお願いします。

 

予算特別委員会質問要旨 県土整備部(3/9)(上野英一理事)

 

1 総合治水条例の施行を踏まえた今後の河川整備について

 平成16年台風21号・23号による被害や平成21年台風9号による被害を受けて中・上流域の河川整備や治水・砂防事業さらには災害に強い森づくり等様々な事業が進められています。また、平成23年台風12号・15号による被害に対しても、災害復旧事業はもちろんのこと、堆積土砂の撤去や緊急河川整備など、迅速に対応していただいています。

このように近年の台風等による大雨や集中豪雨、局地的大雨に対しては、河川や下水道の整備といったこれまでの治水対策だけで、浸水被害を防ぐには限界があり、今定例会において総合治水条例が上程されているところです。

総合治水条例の議案では、第8条において河川の整備及び維持が謳われており、①ダムの設置、河道の拡幅、堤防の設置、河床の掘削等の対策を、計画的、効果的に組み合わせて整備を行う。②河川内の樹木、土砂等の流水の妨げとなる物の撤去等を行う。③過去の氾濫において著しい被害のあった河川にあっては、同様の降雨があった時においても、浸水被害を軽減できるよう、河道の拡幅、堤防の補強等を行う。④流下能力が下流に比べて著しく低い個所のある河川にあっては、流下能力を向上させるため、河床の掘削等を行う。となっています。

これまで、河川整備予算は少なく、中・上流域の河川整備は決して十分とは言えなかったと思っています。

そこで、第2次行革プランにおいて投資的事業は大幅に削減されているなかでの総合治水条例の施行となりますが、条例制定を踏まえ、今後の河川整備をどのように進めていくのか、ご所見をお伺いします。

また、昨年の台風災害では、堆積土砂が多く発生したわけですが、逆に上流域では洗掘が進み、とりわけ床止工等の水叩き部分いわゆる護床工との接合部分の洗掘が著しくなっており、護床工をはじめ護岸工等の構造物の破壊につながりかねません。護床工の延長等の検討やあるいは堆積土砂を活用した補強なども必要と考えますが、この点についてもあわせてご所見をお伺いします。

 

               ( 答 弁 )

 1 総合治水条例の施行を踏まえた今後の河川整備について

  条例案では、集中豪雨等による浸水被害について、河川下水道対策のみでは防ぐことが困難なことから、流域対策、減災対策を組み合わせて浸水被害を軽減することとしている。

河川下水道対策のうち河川の整備については、過去の災害等の教訓を踏まえ、条例案第8条で掲げる、ダムの設置や河道の拡幅、河川内の樹木や土砂等の撤去、流下能力が著しく低い箇所の河床掘削などにより、地域の課題に即した対策を推進することとしている。

特に、河川の中上流域については、下流からの改修に時間を要することから、下流流下能力見合いの改修や巻堤による堤防補強などの河川整備を行うとともに、条例をよりどころとして、市町、県民等と一体となって、流域での貯留、遊水機能の維持などの流域対策、二線堤・輪中堤の設置、建物等の耐水化、防災情報を活用した避難の確保などの減災対策を推進することにより、河川整備と相まって、地域の安全度を向上させる。

また、洗掘が著しい箇所については、例えば、越知川の神河町東柏尾(ひがしかしお)地区において、ご提案のあった現地の玉石を活用した袋詰め根固工で護岸を補強するなど、新たに創設する「地域の河川緊急改善事業」を活用し、現地の状況に合った効果的な対策を実施していく。

今後は、限られた予算の中、計画的かつ効率的に河川整備を行うことはもとより、条例施行を踏まえて、県民と協働して総合治水を推進し、安全・安心の確保に努める。

 2 山陰本線、播但線等の利用促進について 

 山陰本線や播但線などのローカル線は、人口減少や通勤などのマイカー使用により利用客の減少が進んでいます。その一方で交通弱者と言われるお年寄りや通学生などにとっては、なくてはならない重要な公共交通であることから、兵庫県では利便性向上に向けて、県では姫新線の速達化や山陽本線などのユニバーサル社会化としてエレベーターの設置や駅舎の改築、駅前広場の整備等々などJRに対して多くの助成を行っています。JR山陰本線・播但線輸送改善事業の推進として今年度までに、○○億円、来年度も152百万円を予定しています。

しかしながら、JRは、平成24年の317日のダイヤ改正から、普通列車のうち①利用が1/日に満たない便 ②通勤、通学、通院に影響の少ない便は、駅を通過させ、速達化を図るとしました。しかも実施にあたり、JRは地元自治体や県とも事前の協議を行わず、1129日に一方的に通知してきました。その後、6回の協議と217日には関係自治体と要望会の場だけは持ちましたが、何ら改善されることなく、ダイヤ改正が発表されました。

県当局が作成した検討資料「駅通過効果の疑問」によれば、時間短縮効果は、行き違いや乗りつぎ時間の増加により相殺、最大でも豊岡浜坂間で4分とされています。山陰本線豊岡~浜坂間では玄武洞・鎧・久谷駅で4便が通過し、平均の短縮時間が2分で、乗り継ぎ時間が逆に1.3分伸び、0.7分しか短縮されません。また、豊岡~城崎温泉間では、玄武洞駅を4便通過し、短縮時間は、0.8分、浜坂~鳥取間では、9便が通過し、平均1.7分の短縮、乗り継ぎで1分の増加となり、こちらも0.7分しか短縮されません。

また、所要時間については、播但線長谷駅では、8便の通過で逆に所要時間が平均2.2分、最大で11分増加し、乗り継ぎのない寺前~和田山間では、8便中2便で2分、8分の増加となります。

さらには、通過設定の駅でも停車が必要となったり、次便待ちの時間が1時間から時間30分へと著しく増加したりすることもあり、決して速達化とは言えず、利便性を著しく低下させるだけの内容となっています。

そこで、これだけ明確に、JRの停車駅の見直しについての矛盾を県当局は指摘されているにもかかわらず、もっと強い姿勢でJRに撤回させるべきではなかったのか、そして317日以降の早い段階で元に戻すように引き続き働きかけを行っていくべきと考えますがご所見をお伺いします。

                 ( 答 弁 )

2 山陰本線、播但線等の利便性の維持について  

 JR山陰本線・播但線では、余部橋梁の架替効果を最大限発揮させ、阪神地域への速達性を向上させるため、現在沿線市町とともに、信号施設改良等による輸送改善事業を進めている。

この様な中、昨年11月末にJR西日本から、長谷駅等5駅については、普通列車のうち、利用が1日1人に満たない便を、停車させずに通過させる旨の申入れがあった。

この申入れについては、委員ご指摘の通り①通過による時間短縮効果は平均1,2分程度にすぎず、姫路~和田山間では乗り継ぎや行き違い待ち時間により、逆に所要時間の増加する便が生じる等、利便性向上に疑問があるほか、②沿線市町と一丸となって取り組んでいる輸送改善事業や利用促進に水を差すこと、③十分な協議もない突然の申入れであることから、強く撤回を求めてきた。更に2月17日には、沿線市町長とともに福知山支社長に要望を行ったが、JRは、学生の定期考査時等の臨時停車には応じるものの、予定通り3月17日から実施する意向である。

こうした事態を受け、県はJRに対し、県、沿線市町も参画した「利便性維持向上連絡会議」を急遽3月5日に設置させた。今後はこの連絡会議を通じて、地元の声を的確にダイヤ編成に反映させるとともに、普通列車の全便全駅停車の早期復活に向けJRに強く働きかけていく。

3 歩行者・自転車分離大作戦の実施について

 市部においては、自転車と歩行者との接触事故が多発していることから、歩行者と自転車を分離する取り組みが数年前から始められています。

平成24年度は6億5千万円の予算を投じて、新たに「歩行者・自転車分離大作戦」と銘打ち、実施をされることとなっています。また、この中で歩行者対自動車の分離対策も併せて実施をされることは、歩行者や自転車の安全対策への効果が期待できるものであります。

  一方、郡部においても自動車交通量の多い路線もあります。しかも、歩道幅員が2.5m以下にもかかわらず、学校付近や公共施設の近くでは自・歩道の認定となっている部分があります。結果として自・歩道は連続していませんので、自・歩道の認定外の部分では自転車は車道を走らなければなりません。

  自転車の安全確保の観点からは、私は、部分的な自・歩道認定でなく、連続した認定していくべきと考えていますが、警察は今以上の認定を行う考えはないようであります。

歩行者・自転車分離大作戦の実施にあたっては、安全確保のために車道・歩道や路肩部分をカラー舗装で視覚的分離していくことになりますが、歩行者と自転車の分離対策、歩行者と自動車の分離対策のいずれについても連続性の確保が重要と考えます。

そこで、事業実施していくにあたり、安全対策の連続性をどのように確保していくのか、ご所見をお伺いいたします。     

                ( 答 弁 )

3 歩行者・自転車分離大作戦の実施について

 交通安全の観点から、歩行者・自転車の通行空間を連続して確保することは重要でありますが、用地取得の難航であったり、優先度から事業未着手となっているという支障等から歩道が途切れていたり、歩道幅員が狭く、自転車が路肩を通行せざるを得ないなどの課題箇所も多く残っている状況です。

 このため、県では、抜本対策である歩道整備に取り組む一方で、H22年度からは生活道路緊急改善事業により、歩道が無い区間において側溝の蓋がけや法起こしなどにより路肩を拡幅するなど、可能な限り歩行者空間が連続するよう努めております。

 来年度の「歩行者・自転車分離大作戦」でも、歩行者と自転車の分離対策が連続するよう、自転車事故の多い都市部を中心に、歩道内での自転車通行空間のカラー舗装による明示や自転車レーンの整備等の対策を、歩道の整備状況に応じて選定していきます。また、郡部においても、県道鶴居停車場線をはじめ、歩道が途切れている区間を対象に視覚的な分離を行う路肩のカラー舗装化を実施することとしております。さらには、交通管理者と連携しながら、歩道が狭い場合でも区画線の引き直しにより、路肩を拡大するなど自転車の通行空間の確保を検討していきます。

 今後は、「歩行者・自転車分離大作戦」を推進し、歩行者、自転車の通行空間の連続性を確保しながら安全対策に取り組んで参ります。

 また議員のおっしゃられていた県警との連携でございますが、この大作戦の前に、各自転車事故の多い4市を対象に協議会を作りまして、それで県警の交通部門、各警察署、市も入りまして、どんな課題・問題点があるか、どういった路線を整備すべきかといったことを検討しておりまして、そういった協議を今後とも続けて参りまして、連携をとりながらこうした連続性の確保を保っていきたいと思います。

 

2012年04月27日(金) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


予算特別委員会

第312回兵庫県議会

 
 
 
上野県議の予算特別委員会の質疑の詳細は下記の通りです。

 

 総 括 質 問

  

1 選択と集中による県政の推進について

 

(1)施策の「選択と集中」と財源対策について

 

(2)但馬空港の見直しに向けた議論について

 

2 命をまもる県政の推進について

 

(1)自殺抑制対策の一層の推進について

 

(2)動物愛護に向けた適切な取り組みについて

 

3 地域における多文化共生社会の実現について

 

4 消費者サイドの視点に立ったひょうご農林水産ビジョン2020の推進について

 

5 総合的な治水対策の全県展開について

 

6 自転車事故の防止と安全・安心対策の推進について

 

 1 選択と集中による県政の推進について

(1) 施策の「選択と集中」と財源対策について

 

24年度予算案を新聞社は「にじむ苦心の井戸色」と評していますが、厳しい財政状況の中で、21世紀長期ビジョンのもと、少子高齢社会福祉ビジョン、ひょうご経済・雇用活性化プログラム、ひょうご農林水産ビジョン2020など各分野の推進施策を展開され、さらに東海・東南海・南海地震等への備え、総合的な治水対策の推進や災害に強い森づくりなど防災・減災対策を盛り込んだまさしく「にじむ苦心の労作」と私も考えています。

知事は、今県議会等においても、第2次行革プランの着実な推進を基本に「選択と集中」を徹底し、県民ニーズに的確に応える施策を重点的に展開するとともに、行財政全般にわたる改革の推進をゼロベースから行った旨述べておられました。
一般会計の予算規模が、前年度の94.7%、1,125億円下回る2兆160億円の規模となり、事務事業も新規事業との差し引きで132事業減とした、まさに「スクラップ・スクラップ&ビルド」予算であるということが伺えます。

知事の説明によりますと、中小企業融資貸付金の23年度分が計画よりも減少したことと、公社等貸付金を自前で公社債を調達してもらうことにより、中小企業制度融資貸付金が対前年度比501億円の減、公社等貸付金が対前年度比351億円の減となったことが大きく、さらに定員の削減や給与の見直し、退職手当の減などにより人件費は対前年度比156億円の減等々によるとされています。

また、県税と地方交付税などを合わせた歳入の一般財源総額は前年度から17億円増加する一方、公債費や社会保障関係費の増に伴って収支不足額がなお780億円に至っていることに対しては、退職手当債や行革推進債の発行と県債管理基金の活用で対応を図る一方、県債発行の平準化のため借換債の発行、これはその借換え全体は変えないにしても23~26年度間において従来の借換え率を大きく変更するなど、県債の償還・管理面においても、財政運営の(老獪)テクニックを駆使されて乗切ろうとされています。

一方、次世代に負担を残す県債に関しては、前年度を26億円下回る1,401億円の計上に止まったものの、県債残高は臨時財政対策債分のウェイトが大きいとはいえ、過去最高の3兆8,923億円となっています。

財政状況審査の際に我が会派の山本委員の質問によって明らかにされたように、県債残高に対する金融機関への利子負担見込みが年間約811億円超に及んでいる状況は、今後の市場金利の動向によってリスク管理が厳しくなることも予想され、(山本委員の伊丹市の予算規模は660億円で、またその後の新聞報道では、加古川市の一般会計予算規模に匹敵するとのことです。)やはり適切な対応が必要と考えます。

そこで、平成24年度予算編成にあたり、どのような基準で施策・事業の「選択と集中」を行われ、その結果としてどの程度の財政効果を見込まれたのか、併せて、起債に出来るだけ頼らない財源確保の必要性をどのように認識しておられ、どのように取り組もうとされるのか知事の所見を伺います

  

答弁:知事

 24年度の予算編成でございますけれども、基本的にゼロベースで編成作業を始めたところでございますが、視点としてはやはり、事業そのものの効果ですとか役割といったものを検証していくことと併せまして、市町や民間との役割分担や、あるいは負担の適正化や、受益と負担の関係なども基本に遡って検討いたしました。

これは、県税と交付税を足した一般財源がほぼ横ばいでありますのに対して、福祉関係費を中心とする自然増が150億円見込まれるというような状況の中での予算編成を強いられたので、歳出の見直しというものが欠かせないと考えたからでございます。

その結果、220事業を廃止することにいたしました。一方で80事業を「スクラップ&ビルド」したわけであります。上野委員からも「スクラップ、スクラップ&ビルド」と称していただきましたが、それほど見直さざるを得なかった状況があります。

ただ、厳しいからといって県民ニーズに応えない予算は予算ではないと私自身思っております。

そのような意味で、当面の課題への対応と、それから今後の人口減少社会下で必要とされる施策の「芽」は出したい、という思いで施策の選択と集中を図らせていただきました。

当面の課題につきましては、東海・東南海・南海地震対策や風水害など防災対策などは当然でありますし、あるいは少子高齢化対策、特に子育て支援や高齢者・女性雇用対策など、これらは両面、つまり「芽」でもあったと考えております。

それから県内の企業の海外との関連を支援することなどは当面の対策であろうかと思いますし、農業のブランド化だとか、担い手対策は今後の施策にもつながります。

それから基本的な課題としての地域格差解消のための地域再生大作戦、これは今の課題でもあり得るし、これからの課題でもある。そのような意味で、対応を図ってきたつもりであございます。

併せましてご指摘もいただきましたように、前年フレームの見込みよりは50億ほど縮減したんでありますが、収支格差がまだ780億ほど残ってしまいました。これは計画的に解消を図っていく必要がありますが、歳出はかなりギリギリに来ておりますので、どう歳入増を図っていくかということが懸案になるわけでございますが、平成26年度までは財政再建期間と国がしておりますので、一般財源は横ばいにしか推移しないのではないか、税が伸びたとしても交付税が減らされるという形で、横ばいにしか推移しないのではないか。となるとやはり抜本的な構造改革をしようとすると、社会保障と税の一体改革は不可欠な状況に、本県においてもなっているなと、こんな風に思っているところでございます。

それとご指摘のように県債依存度を下げていかないと、財政構造はよくなりません。

一方で交付税の身代わり財源であります臨時財政対策債は増えてきているわけでありますが、これは原委員にもお答えしましたように、国の責任だということにさせていただいたとすると、我々がコントロールできる通常債やいわゆる行革債や退職手当債などの財源対策のための起債、これを抑制していかなきゃいけないと思っております。それが第2次行革プランの基本テーマでございます。

4兆円ほど県債残高がありますので、1%で400億、2%だと800億の利払い費が課されます。

ですから今後の世界的な金融状況がどう変わっていくかによって、大変大きな影響を受けかねません。

これが実を言いますと、日本国政府の場合は1,000兆円ですので、1%でも10兆円になりますから、大変な金額になります。そのような意味で金融状況の変化も見逃せませんが、しばらくは色々な方々も一気に急騰することはないのではないか、というふうにみられております。

しかし、その間にできるだけ体質をよくしていく、そのような努力を重ねてまいりたい、このように考えているところでございます。

いずれにしましても、基本的な政策方針あるいは個別の事業方針なども県議会からいただいておりますので、そのような点も十分踏まえながら、今後も対応させていただきます。

 

(2) 但馬空港の見直しに向けた議論について

これまで、財政収支見込・フレームを巡り、とりわけ経済成長率や税収の見込みが甘いのではないか、あるいは国による緊急経済雇用対策や人事院勧告、医療費報酬改定等々の条件変更などによるフレームの対応をその都度各議員が説明を求めてきました。

それらを聞いておりまして今私が思っていますことは、いかにフレームの前提条件が変わろうと平成30年度には実質公債費比率18%水準、将来負担比率(震災影響を除く)250%水準、県債管理基金積立不足率 平成19年度の2/3水準等々の財政運営の目標は、確実に達成するとの当局の強い自信を感じています。

ならば、増え続ける社会保障関係費などの行政需要を行う財源をいかに確保するのかということです。一つには、定員削減(3割)による総額人件費の削減、これは3年間で既に15%の達成、二つに消耗品や印刷費などの事務費の見直し、これらも多くが既に見直されたと考えます。残るは事業において知事のおっしゃるスクラップ・スクラップ&ビルドです。

県土整備部の部局審査の際に我が会派の岸口委員が言いましたが、本当に但馬空港は但馬地域の振興においてその役目を果たしているかどうかということです。

但馬地域の振興を考えたときに、城崎温泉、湯村温泉をはじめとする温泉、山陰ジオパーク、とりわけ香住海岸は素晴らしいものだと思います。カニや但馬ビーフ、スキー場等々素晴らしい観光資源を持っています。その観光資源を活用、観光客に堪能してもらいゆっくりと泊ってもらうためには車のドライブ、汽車、あるいは自転車等の旅があるかと思います。

但馬空港には、空港管理費、運航対策費、空港公園維持修繕費併せて4億7千万円が投じられ、但馬空港推進協議会の運賃補助も入れれば莫大な金額と言えます

一度真剣に但馬空港のあり方と方向性について検討する委員会設置が必要な時期に来ているのではないかと考えますがご所見をお伺いします。

 

 

答弁:知事

 但馬空港はちょっと中途半端なんです。なぜかと言いますと、滑走路が1,200mしかありません。従いまして、例えばバス1台分のお客様を乗せますともう一杯で、他の利用者があっても乗れないという状況であります。せめて1,500mありますとジェット機が離発着出来ますので、かなりの容量のお客様を運べるということになります。そのような意味で、大変苦戦を強いられている、それが委員ご指摘のような状況になっているのではないかと思います。ただ、一方で東京と2時間半で結んでおります。神戸から車で行きますと、現在、豊岡まで2時間半かかります。それが但馬空港が有るが故に、大阪空港で乗り 継いで東京に2時間半で行ける、こういう時間短縮の効果も随分あるわけです。

昨年12月に実施しました利用実態調査によりますと、利用者のうち約7割が、関東、関西など但馬以外の地域から、兵庫県以外の地域からの来訪者でございまして、そのうち約5割が但馬で宿泊しております。ですから、利用者や利用されている方々から見ると、大変便利な機能を果たしてくれているのではないかと思います。

この4月から観光客増加のために、テレビ番組「サザエさん」の冒頭のオープニング映像で、但馬空港や但馬が紹介されます。

大いにこの効果も期待をしたいと思っておりますが、まず今は羽田直行便、せっかく国は羽田にコミューター枠を1便用意してくれていますので、羽田直行便を是非飛ばしたいということで色々な検討を進めておりますが、なかなかわかったと言ってくれる航空会社がすぐには出てきていないという実情にあります。ですから、羽田直行便を是非実現したいという検討をまずさせてください。

その後に、ご指摘のように北近畿豊岡自動車道が豊岡まで延伸された時点で、時間距離が30分くらいは短くなるはずでありますので、その時点で抜本的に延長するのか、私はそうだと思いますが延長するのか、それともご指摘のようにもう役割を終えたと評価するのか、その時点で委員会等を作って抜本議論をさせて頂いたらいかがだろうか、それまでの間は、しばし努力をさせていただきたい、このように願っています。

 

 

 2 生命をまもる県政の推進について

安全・安心の基盤をつくる県政の推進にあって、何よりも大切に考えなければならないのは命を大切にする・命を守る取り組みではないでしょうか。

その施策の代表例として、今回、我が会派としては、自殺抑制対策と併せて、動物愛護に向けた取り組みを伺いたいと思います。

すなわち、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守ることが大切で、人と動物とは生命的に連続した存在であり、生きとし生けるものを大切にする心構えのもと、施策に反映させることが欠かせないとの考えを基本に据えて質問に入ります。

 

(1) 自殺抑制対策の一層の推進について

昨年の決算特別委員会総括質問や今回の部局審査で我が会派の藤井委員が質

問してきましたが、「県民のいのちを守る」取り組みは「県民の安全・安心の基盤づくり」に繋げる最重要課題であるという観点から自殺対策の一層の推進に向けた質問をいたします。

ご承知のように、全国の自殺者数が平成23年に30,651人であり、平成22年版厚生労働白書によると先進7か国の中では、我が国の自殺率は最も高く、15歳から34歳までの若い世代の死因で自殺がトップなのは我が国のみです。

(部局審査でも藤井委員が申し上げましたが)本県の自殺者数は、平成9年から平成10年にかけて987人から1,452人へと約1.47倍に急増して以来、昨年まで1,300人前後で推移しています。

平成28年までの残り5年間で自殺死亡者数を1,000人以下にするという目標の達成向けて年次計画を立てたうえでいかに取り組むかが肝要です

厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」によれば、自殺に至るには主に4つの要因が背景にあると言われ、国の統計でも自殺の原因として健康問題、経済・生活問題、勤務問題等の割合が高くなっていることからも、自殺対策はもとより一部局の取り組みのみで完結するものではありません。

また、うつ病など、精神衛生上の対策を中心とした取り組みだけでは、目標

達成は難しいのではないかと考えられ、部局横断的な取り組みに加えて、自殺抑制を県民運動として取り組むことが必要と考えます。

部局審査の際に、藤井委員が申し上げたように、例えば、交通安全対策委員会にあっては、各種団体も構成員として参加しており、ストップ・ザ交通事故県民運動の成果もあって、交通事故の死者が平成3年の489人から平成23年の198人に減少、ピーク時である昭和44年の740人からは4分の1になっているとのことです。

こうした効果を期待すべく県民運動を進めるためには、例えば、まず県内でモデル地区を指定したうえで県民参加のもとで県民運動推進会議を開催するといった方法も考えられます。

健康福祉部局審査の際に、久保部長から年次計画を含めた対応を行う旨積極的な答弁を頂いておりましたが、自殺抑制に向けた県民運動の果たす役割を改めてご認識いただくとともに、その具体化に向けた当局の決意について伺います。

答弁:知事

 自殺対策はご指摘のように、もう個人のレベルの問題ではなくて、社会的な取組が必要だと、こういうレベルに達してしまっていると思います。

しかも、平成10年に1,300人台を記録してから、ずっと1,300人台を切っておりません。ただ去年、ようやくマイナスになりました。これは、いろんな取組の成果がひとつあったのではないか、それともうひとつは、もしかすると、東日本大震災での人と人の結びつきの大切さの認識が広がったのかなということも言えるのかもしれません。これは定着させていって、28年には1,000人を割りたい、このように基本的に考えているところでございます。

自殺対策について、医師会ですとか、弁護士会ですとか、民生委員や、マスコミ等38関係団体で、自殺対策連絡協議会を開催して、ご意見を伺ったり、また、構成団体として何ができるか、何をするかについて検討して、取り組んでもらっています。

また、地域でも、健康福祉事務所が中心となって、連絡会を設置して、連携をしているところです。市町におきましても、このような類似の組織を持って、対応を進められておられます。

特に、民生委員やケアマネージャー等を対象に、身近な地域において、悩んでいる人に気づいたり、声をかけたりする身近な相談役、ゲートキーパー(門番という言い方がいいのかよくわかりませんが)の養成にも努めています。

併せて、「いのちとこころのサポーター」という形で、ほほえみで相手の心に寄り添う、そういう役割を果たす方々の養成を行っています。これらは、広い意味での県民運動の核を作っていっているということに繋がるのではないかと思っています。

また、うつ病対策は重要です。自殺の半分以上は、うつ病から自殺に追い込まれておられますので、特定健診等でうつチェックをして、そのフォローをしていくとか、定期健診におけるメンタルケア充実していくとか、うつの方の職場復帰トレーニングやプログラムを推進するとか、これも併せて行ってまいります。

県民運動の取り上げ方としては、交通安全を例にあげられましたが、社会生活に通常起こりうる課題に対する取組としての消費者問題とか、交通安全問題とかの県民運動のあり方と、社会的に支える必要がありますけども、個人領域に深く関わっている自殺のような課題の県民運動のあり方とは、自ずと質が違うだろう、質っていうか取組の内容等が違うだろう、その辺も十分踏まえながら、どう取り組んで行ったらいいのか、久保部長も答えましたように、24年度は、自殺対策推進方策を改定する年でもありますので、連絡会議などのあり方も含めまして、県民運動手法含めて、検討してまいりたいとこのように考えております。

一方で、先程出ました、ほほ笑みプログラムですとか、あるいは、身近な相談役の養成になどに努力してまいります。うつ病対策も頑張ってまいりたいこのように考えております。それにしても、早く、なんとか1,000人を切りたい、これが我々の急策でございます。

 

(2) 動物愛護に向けた適切な取り組みについて

内閣府の調査によれば、全国の1/3の家庭で何らかのペットが飼われている現状にあり、飼い主との絆や癒しなどの面から見ても、まさに家族同然の存在といえます。

しかしながら、平成20年に全国の自治体に持ち込まれた動物の数は、犬・猫合わせて315,107頭にも昇る中で、行政処分がなされたものはこれも合わせて、287,095頭にのぼる一方で、返還・譲渡された動物の数は、42,161頭と、処分率が91パーセントにも及ぶ状況にあります。

しかしながら、部局審査の際に藤井委員が申し上げたが、熊本市動物愛護センターでは“殺処分ゼロ”の取組が行われています。

同センターは、性格の良い犬でさえ殺処分される現実に直面し、市民協働の観点から獣医師会、動物愛護団体、ペットショップや盲導犬使用者などを構成員として動物愛護推進協議会を設置し、市民協働による返還率を高める取り組みに加え、引き取ってもらえるよう、しつけ直しなどの取り組みにより劇的に殺処分数を減らした結果、平成5年度には1,794匹の犬を殺処分していたのが、平成21年度以降の生存率は9割を超えるに至りました。

本県動物愛護センターにおいて平成22年度に収容及び引き取りした犬と猫の合計頭数5,326頭のうち、殺処分となったのは約97%の5,145頭である実情と比較すれば、隔絶の差と言わざるを得ません。

平成20年3月に策定された本県の「動物愛護管理推進計画」には、「動物愛護の高揚は、人を含めた動物に対する生命尊重意識の高揚として県が取り組むべき重要課題」と位置づけられているにもかかわらず、動物愛護に関する予算いわゆる『譲渡等生命を守る対策』に関連する予算が約14百万円であるのに対して、『動物処分業務』に関わる予算は、その2倍以上の29百万円で殺処分に重点が置かれているかを物語っています。

この予算を見る限り、動物愛護推進計画の趣旨が活かされていないと断ぜざるを得ません。

こうした実情を打開し推進計画の平成25年度見直しに向け、本県においても、せめて生存率を5割に高める具体的な取り組みが必要ではないかと思います。

そのためにまずやらなければならないことは、飼い主を探すことのできる期間を熊本のように10日~2週間程度に延長したうえ、その期間内に集中的かつ広範的にケーブルテレビやウェブサイト、新聞、学校等において迷い犬・猫等の情報発信を徹底することとあわせ、その間に動物が待機しておけるよう、現在1センターあたり5~6頭に過ぎない愛護センターの保管・収容能力(キャパシティ)を熊本並みの60頭分へと大幅に拡充する取り組みが必要であります。これは現在の敷地面積でも充分可能なことと考えられます。

そこで、「動物愛護推進計画」にある生命尊重意識の高揚に向け、その実効性を上げる取り組みをどのように進めていかれるのか、当局の所見を伺います。

答弁者:久保部長

 動物の殺処分を減らすためには、一つには収容数を減少させること、二つとして返還や譲渡を増やすこと、この両面からの取り組みが非常に重要であるというふうに考えております。

収容数の減少につきましては、放浪動物による自然繁殖を抑制することが大切であるといった観点に立ちまして、一つには、犬の放し飼いの防止やねこの家屋内飼育、二つには避妊・去勢による繁殖制限、三つには命尽きるまで愛情をもって飼い続けることなど、県民への適正な飼育管理や動物愛護思想などの普及啓発を引き続き取り組んでまいりたい、このように考えています。

また、返還につきましては、飼っている犬やねこがいなくなった場合には、熊本市の取組を参考といたしまして、一つにはウェブサイトを利用した写真付きの収容動物情報の提供、二つには動物愛護センター等にすぐに問い合わせをするよう市町広報ですとか、あるいはポスター等を活用した周知を図ってまいります。三つには当面、収容した犬の公示期間、現行は2日間となっておりますけれども、これを1週間程度に延長する、こういった取組を進めてまいります。

なお、公示期間の延長に伴いまして、必要となる収容スペースの確保につきましては、本県の犬の収容実績からいたしますと、一週間程度に延ばしましても、必要な頭数は30頭程度というふうに想定されまして、現在の収容力、66犬房の範囲内で十分に対応が可能ではないかというふうに考えております。

譲渡につきましては、適正飼育の模範となっていただける方への譲渡という本県の基本的なスタンスを維持しながら、譲渡希望者の掘り起こしのために、動物愛護推進員や動物愛護管理推進協議会などと連携を図りまして、各種広報媒体を活用した県民への譲渡制度の周知ですとか、あるいは、従来の個人への譲渡だけでなく、適正飼養に理解をいただける団体への譲渡も積極的に行いまして、譲渡数の向上を図ってまいります。

以上のような取組を通じまして、生存率の向上に努めまして、引き続き人と動物が共生する社会づくりを推進してまいりたい、このように考えております。

3 地域における多文化共生社会の実現について

人口減少時代を迎え、また経済のグローバル化によって人の国際移動がさらに活発化すること等を考えると、外国人住民にかかわる課題は、近い将来において大きな社会的課題になっていくものと考えられます。

本県でも、「国際交流」を柱として地域の国際化を推進してきたが、地域社会の変化を勘案した場合には、「多文化共生」今後の大きな柱として、推し進めていくことが必要になると考えます。

総務省が2005年に設置した「多文化共生の推進に関する研究会」では、地方自治体が地域における多文化共生を推進する上での課題と今後必要な取組について、「コミュニケーション支援」、「生活支援」および「多文化共生の地域づくり」の3つの観点から検討され、検討結果として「多文化共生推進プログラム」が作成されました。

中でも、産業労働部の審査において、我が会派の山本議員が質問した医療通訳システムの導入は、地域住民の生活・命に関わる問題として、特に重視すべきと考えられます。

すなわち、外国にルーツをもつ日本語の理解が不十分な住民は、日本語を習得するまでの間、病気になっても言葉の壁により十分な医療サービスを受けられない場合も多く、特に集住地域はあまりない一方で、外国人の数は決して少なくない本県では、細かな言語的ニーズを意識した医療通訳システムを確立し、県内広域で展開していくことが求められます。

神奈川県では、2002年から医療通訳システムのモデル事業を実施し、助成終了後には、各関連機関の協働でシステム継続が出来ています。

この神奈川県のように、システム運営に係る経費を多様な機関が分け合う形は、兵庫県でも参考にできる形ではないかと思われますし、申し上げてきた多文化共生社会の実現に向けた大きな一歩になり得ます。

外国人住民も、日本国民と同じ地域住民の一員であることの認識のもと、地域社会の構成員として共に生きていくことができるよう、医療通訳システムを始め、多文化共生社会の実現に向けた県の認識と取り組みを伺います

 

答弁者:産業労働部長

外国人県民が日本人県民と同様に住みやすく活動しやすい多文化共生社会の実現を目指すなかで、安全・安心の基本である外国人県民の医療のためには、医療通訳は大変重要と認識しています。

本県には外国語のできる医師やスタッフを有する病院は216カ所、診療所は2,057カ所、合計2,273カ所と数多くあり、これだけの外国語対応できる医療機関群を抱えている全国でも有数も地域である。このため、まず、これらの情報を外国人県民に提供しています。

また、医療通訳を活用するなどの取り組みも進めており、県国際交流協会の外国人県民インフォメーションセンターでは、医師と患者、通訳の3者が通話できるトリオフォンによる医療通訳の仕組みを提供しています。

また、同インフォメーションセンターの相談業務の一環として、患者の求めに応じて、同センターが2000円・患者が旅費を負担して登録医療通訳ボランティアを医療機関へ派遣しているほか、県の支援の下で外国人県民相談を行っているボランティア団体では、患者の求めに応じて原則無償で医療通訳の派遣を行っており、これらの事業では一定の派遣実績があがっています。

ご指摘の神奈川県の医療通訳派遣システムは、32の医療機関と提携するNPOが、医療機関の求めに応じて医療通訳を派遣する制度で、医療通訳謝金として医療機関が2000円、本人が1000円負担する制度となっています。

このシステムでは、医療機関側が通訳の必要性を判断するなど優れた点も多いが、この導入には、医療機関と個人の費用負担のあり方、医療機関側のニーズに応じた登録通訳者の確保、派遣主体の体制整備などの課題があり、同県の制度も参考にしながら、このような制度の導入について関係部局とともに検討します。

今後も、医療通訳システムをはじめ、外国人県民が安心して暮らせる多文化共生社会の実現に向けて、様々な課題を解決すべく取り組んで参ります

4 消費者サイドの視点に立ったひょうご農林水産ビジョン2020の推進

部局審査の答弁では、「ひょうご農林水産ビジョン2020」の4つの基本方向に沿った施策として、農業分野では担い手育成を図るため新規就農者確保事業や、農業生産力の強化を図る野菜増産プロジェクト事業、ブランド化・6次産業化などに予算を重点配分しました。

また、農林水産ビジョン2020において、具体的・野心的目標を掲げた、産業としての力強い農林水産業の実現のためには、農畜産物の生産技術や農業経営に係る知識等をもって農家に直接接して指導する普及指導員の活動は、極めて重要であり、これまでにも具体的な成果を上げている旨の答弁をいただきました。それらはいわゆる生産サイドの取組であり、少しずつ成果が出ていることも理解します。

今回は、消費者サイドの観点から、6次産業化による流通販売のあり方、もっと言えば、生産者サイドの値段で消費者ニーズに沿ったおいしく安全な農産物を如何に効率的に生産・販売する仕組みを構築できないかという観点から質問します。

例えば、千葉県の農事組合法人和郷園と株式会社和郷、熊本県の農業生産法人都城園芸組合と有限会社新福青果、山口県の株式会社秋川牧園、株式会社大潟村あきたこまち生産者協会と私が視察を行ったところですが、地域の生産者と法人が資材の共同購入、栽培技術の修練や土壌・残留農薬調査、生産物の加工から販売までを行い、それらはまさしく6次産業化といえる取り組みでした。そしてそれらは、加工・販売の部分が非常にしっかりしている点がポイントです。

そこで、県として「ひょうご農林水産ビジョン2020」の取り組みの中で、消費者サイドと生産サイドをつなぐ施策をどのように展開されるのか、特に消費者の理解や信頼を得るためにも、申し上げたような、生産者組合と法人との連携による生産・加工・販売の一体化に如何に取り組んで行かれるのか伺います。

答弁者:知事

大都市近郊の農業という本県の特性からいっても、生産、加工、流通販売を一連のものとして捉え、生産と消費を直接につなぐことは消費と生産との連携に不可欠です。

そのため、消費者目線の経営感覚を持った企業的経営能力を有する農業者育成のため、22年度より「ひょうご農業MBA塾」を開講、委員からご提示のあった「和郷園」など全国の先進的経営者を講師として招いている。塾生も消費者ニーズに沿った施策、生産者組合と加工・流通販売にノウハウをもった法人とのコラボレーションを貴重な教訓として学んでいます。

その結果、平均年齢35歳の大型稲作農家25名が参加した栽培面積650haを有する「株式会社兵庫大地の会」が本年3月1日に設立され、各地域で栽培されたひょうご安心ブランド等の特長あるお米の加工や販路拡大に取り組んでいる。また、県内若手野菜生産農家11名が組織する「太陽の会」の共同販売活動等、県下で活発な動きが見えつつあります。

生産に加え流通、販売面において、早くも成果を挙げており、今後、本県農業の中核を担ってくれることが期待できます。

また、豊岡市の農業生産法人「夢大地」は、17年度から75棟のハウス団地を有し、卸売市場と連携して消費者ニーズを反映した計画的な野菜生産に取り組んでいる。安心して生産でき、出荷できるという点で、生産と流通、生産と消費者が連携することが効果があるので、これらの活動を県下に広げるよう支援していきます。

今後も、「消費があってこそ生産が成り立つ」ことを基本に、大都市近郊に立地するひょうごの「強み」を生かし、消費者の理解と信頼を得つつ、生産から加工販売まで一体で担う企業的農業経営体の育成を通じて、産業として成り立つ力強い農林水産業を目指してまいります。

5 総合的な治水対策の全県展開について

総合治水条例に対して、私は高く評価をするだけでなく大きな期待を持っています。

部局審査では、条例制定を踏まえ、第8条に絞って今後の河川整備予算の確保を含めどのように進めていくのかお尋ねしました。

それに対して、下流からの改修に時間を要することから下流流下能力見合いの改修や巻堤による堤防補強などの河川整備を行うとともに、条例をよりどころとして市町、県民等と一体となって、流域での貯留、流水機能の維持などの流域対策、二線堤・輪中堤の設置、建物等の耐水化、防災情報を活用した避難の確保などの減災対策を推進することにより、河川整備と相まって、地域の安全度を向上させるとの答弁をいただきました。

総合治水条例は本当に素晴らしい内容で、県民、開発者、県・市町のそれぞれの義務と役割を定め、河川・下水道対策として、河川整備、下水道整備により「ながす」、流域対策として、開発に伴う調整池の設置及び保全、雨水貯留浸透機能の付加及び維持、雨水貯留容量の確保、出水時における河川へのポンプ排水の抑制、土地の遊水機能の維持、森林整備による保水力の維持及び向上により「ためる」、減災対策として、浸水が想定される区域の指定、浸水による被害の発生に係る情報の伝達、浸水による被害の軽減に関する学習、浸水による被害の軽減のための体制の整備、訓練の実施、建物等への耐水機能の付加、二線堤、輪中堤等による集落の浸水による被害の防止、浸水による被害からの早期の生活再建への備え(共済、保険への加入)により「そなえる」、加えて、土地利用計画策定者・県民等と連携することにより、浸水時の被害を減らすとされています。

この素晴らしい哲学を、県民、開発者、県・市町がどのようにして、それぞれが義務と役割を認識して実効あるものにするかにかかっています。そこで、とりわけ県民や開発者に対してどのように周知徹底を図り理解を得ようとされているのかについてお尋ねします

答弁者:副知事 吉本 知之

総合治水条例では、県、市町、県民が連携し、一体となって総合治水に取り組むこととしております。

県民の皆様には、その義務と役割を主体的に担っていただく必要があります。このため、県民一人ひとりに、①条例の目的や基本理念等を理解し、総合治水を身近なものとして実感し関心を深めていただくこと、②地域の課題を認識し、実践につなげていくことが重要です。これらを踏まえまして、本条例の一層の周知徹底を図ることといたしております。

まず、条例を理解し、関心を深めていただく取組でございますが、全世帯配布の「県民だよりひょうご」3月号に条例案の内容を掲載しており、条例の施行後は、市町と連携して各種広報紙への掲載等を、梅雨期を目途に集中的に行うほか、自治会や学校への出前講座等を通じて、条例の趣旨や個々の対策等を説明してまいります。

その中で、条例を身近なものと認識していただくため、例えば、各戸貯留等による浸水被害の軽減効果に加え、貯留した雨水を散水に利用することによる節水効果等の副次的なメリットもPRする等の工夫もいたしながら、取り組みを促してまいりたいと考えております。

さらに、地域の課題を認識し、実践につなげていく取り組みでございますが、県下11の地域毎に設置する総合治水推進協議会において、県民に様々な形で総合治水推進計画策定のプロセスに参加していただくこととしております。これらのことにより、地域の抱える浸水リスク等の課題認識を共有すること等により、共に考え共に行動する枠組みを構築してまいりたいと考えております。

また、1ha以上の開発行為を行う者に対して、調整池の設置・保全に罰則付きの義務を課すこととなるため、平成25年度の施行に向けて、開発に係る業界団体等を対象に、条例に基づく手続きや技術基準等を十分周知し、円滑な施行を図ってまいります。

今後、県民に対する丁寧でわかりやすい広報に努め、総合治水を推進する機運の醸成を図り、県民総意による総合治水を全県で展開してまいりますので、今後ともご指導・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

6 自転車事故の防止と安全・安心対策の推進について

自転車による交通事故は深刻化しており、警察庁によれば、平成23年の自転車が、当事者となった交通事故件数(自転車関係事故件数)は、144,017件で、平成17年から減少傾向にあり、10年前の0.82倍となっておりますが、交通事故全体に占める割合は漸増傾向にあり、10年前の1.13倍と高い水準になっています。

同じことが県内でも言え、ここ数年、毎年8,400件程度の自転車関係事故が横ばい状態で発生しており、特に全人身交通事故が減少傾向で推移している反面、そのうちの自転車関係事故の占める割合が、増加傾向で推移するなど極めて憂慮される状況であります。

そのような現状の中、昨年、警察庁が発出した通達により、各都道府県警察では、自転車通行環境の確立や自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の推進、指導取締りの強化について取り組んでいることと思います。

しかし、自転車が原則車道を通行しなければならなくなると「危険である」等の県民の意見を多く耳にするところであり、現在の自転車通行環境では、原則、車道通行を徹底することは困難と考えます。

県では、平成24年度と平成25年度の2カ年にわたる対策として、歩道や路肩のカラー舗装などによる自転車通行空間の確保と歩行者の安全対策を実施すると聞いています。

そこで、自転車事故の防止に向けた安全対策を推進するために、悪質な違反者に対する取締りはもちろんのこと、どのようにして歩行者や自転車の安全な通行空間を確保しようとしているのか、また、歩行者と自転車の分離対策や、自転車と自動車の分離対策を行う上で、規制の連続性を保たせるなど利用者に配慮した交通規制を行う必要もあると考えますが、道路管理者との連携も含め、県警としてのご所見を伺います

答弁者:警察本部長

ご指摘のとおり、人身事故の内、自転車が関係する事故の割合は増加傾向にありまして、自転車利用者のルール・マナー違反に対する批判も後を絶たない状況にあります。

また、自転車と歩行者が混在する歩道が多いなど、自転車事故防止に向けた対策には、まだまだ多くの課題があるというふうに考えております。

県警察では、今一度、自転車は「車両」であるということを、自転車利用者だけではなく、全ての人々に徹底させることを基本としつつ、制動装置不備などの悪質違反の取締りをはじめ、ルールを徹底するための街頭指導や、交通ボランティアと連携しました自転車教育など、従来の施策を充実させますととともに、自転車通行環境の整備にも取り組んでいくこととしております。

ご指摘の自転車の車道通行でありますが、一律に自転車を車道通行させるのではなく、幅員の狭い歩道上で自転車と歩行者が輻輳している場合において、車道側に十分な幅員の路肩がある箇所、あるいは車道に自転車専用通行帯規制の行える箇所、そういった箇所から自転車の歩道通行を可とする規制、これを見直すことを検討してまいります。

しかしながら、路肩に幅員がないなど危険な箇所では、歩道通行もやむを得ませんが、そのような場合には、自転車利用者に歩行者優先を徹底してもらうことが重要というふうに考えております。

さらに、そうした道路でも、一方通行規制や車線構成の変更などによりまして、車道に自転車の安全な通行空間を確保するための努力も続けてまいります。

いずれにいたしましても、交通規制だけでは安全な通行空間の確保は困難であります。

そこで、これまでも道路管理者等で構成をいたします「兵庫県自転車ネットワーク整備計画連絡会議」こういったものがございます。

これ等に参画をいたし、対策を必要とする箇所、方法等を検討するなど、道路管理者との連携を図ってきたところでございます。

引き続きまして、関係機関との協力体制を確保しながら、連続して自転車利用者が走行できる規制にも配慮して、ネットワークとしての、自転車通行環境の整備に取り組んでまいる所存でございます。

2012年04月03日(火) カテゴリー: 一般質問等 | コメントはまだありません »


2011年9月30日一般質問  上野英一県議

2011年9月30日に行われました上野ひでかず県会議員の一般質問と答弁の詳細は下記の通りです。

 

 

2011930日一般質問 上野 英一

おはようございます。民主党・県民連合議員団、神崎郡選出の上野ひでかずでございます。ただいまから、知事並びに県当局に対して一般質問を行います。その前に2期目の最初の質問でありますので、今時点での私の問題意識を述べさせていただき、その問題意識から兵庫県政について3項目、6点について質問いたします。今般の東日本大震災について、私は被災をされた方々に対しては只々1日も早い復旧・復興と生活再建をお祈りするところでありますが、同時に今回の震災から日本社会に対する大きな警鐘と問題提起があったと考えています。その大震災、津波、原発災害から発信されたメッセージとは、効率を優先した経済構造、企業活動が生み出した日本社会の現状と脆弱点として、都会への人口の集中、少子・高齢・過疎、人口減少社会への突入を生み出し、エネルギーをはじめとした大量消費社会が安全性を置き去りにした原発依存社会を推進させたといっていると思います。 震災からの復興は、自然環境や地形を十分に考慮した街づくり国づくりでなければならず、自然を征服する科学技術ではなく共存するための科学技術でなければならないと考えます。さらに復興には多額の財政を必要とします。しかも、国・地方合わせて1千兆円にも財政赤字は膨らもうとしています。多世代間負担と言って、済ませられるものでもありません。国家財政、地方財政制度、国民負担の在り方等について、十分な議論を通じて国民納得の結論を導き出さねばなりません。国任せでは済まないと思います。それでは質問に入ります。

第1 井戸県政10年の取り組みと今後について

① 多自然地域の活性化と自立を促す取り組みについて

井戸知事は就任されて10年間が経過しましたが、副知事時代の平成12年2月に策定された「行財政構造改革推進方策」として1兆600億円の収支不足の改善と、1千億円の新規施策の財源確保を定め、平成16年2月の「後期5か年の取り組み」を経て、平成20年10月には、「新行財政構造改革推進方策」、いわゆる新行革プランとして1兆1,980億円の収支不足改善と300億円の新規施策の財源確保を図られ、平成23年3月には、「行財政構造改革の推進に関する条例」に基づく3年目の総点検の結果として、「第2次行革プラン」を策定されるなど、持続可能な行財政運営に努めてこられました。また、第2次行革プランの策定の過程では、平成22年度当初予算時に算定した財政フレームの収支不足額が315億円からわずか1年後には1,740億円に拡大する事態もありましたが、財政収支を見通す難しさを認識させられるとともに、改めまして10年間の大変なご努力・ご苦労に対しまして、敬意と感謝を申し上げます。10年間の行財政改革・財政運営を一言で言いますと、義務的経費、特に約2倍となった福祉関係経費を投資的経費と人件費の削減で対応してきたといっても過言ではないかと思いますが、それも既に限界に来ているように考えます。さらに、今回の東日本大震災の復興の在り方とその復興財源、原発災害復旧財源、頻繁に発生する集中豪雨による土石流等による大規模災害復旧財源、電力をはじめとするエネルギー対策及び急激な円高対策、人口減少社会への突入等々計り難い国家財政への需要が生まれており、地方の行財政もそれ相応の影響が出ると考えます。私は、今後の県政の推進にあっては、こうした厳しい社会経済情勢の中で、県としては、国に出来るだけ依存しない自立した施策の推進が必要であると考えます。さらに、少子・高齢化や過疎化等が進む県内の多自然地域にあっては特に、その活力が失われつつある状況を踏まえるとともに、多様化・複雑化する県民ニーズに対応して効率的・効果的な施策展開を進める意味からも、県の経費補助等に出来るだけ依存しない、地域自らの知恵と工夫を凝らし、豊かで多様な自然や農といった資源を活かした自主的・主体的な取り組みが重要になってくると考えており、県はそのための支援や仕掛けづくりが求められてくるのではないかと考えています。そして、こうした取り組みを通じた地域活力の増進は、結果として県の財政支出の抑制や改善、ひいては持続可能な行財政基盤の確立に繋がっていくのではないかと推察いたします。そこで、国頼みでは済まない今日の社会経済環境下にあって、第2次行革プランの基本的方向を踏まえ、多自然地域の活性化と自立を促す施策を如何に推進されていくのか、その基本的な認識についてお伺いいたします。

答 弁

国への依存から脱却して、地域の自立を図る、即ち、自己決定、自己責任が行われる体制を確立ことが不可欠でありますが、これには地方分権、国と地方との関係を抜本的に見直し、権限、財源を大幅に地方に移譲することが必要です。あわせて地方自身も現行枠組みの中でできることについて努力していかなければなりません。自らの行財政基盤を確立していくことがこれにあたります。このため、自らの暮らす地域の在り方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うことが求められています。 現に、地域の活性化をめざし、地域が主体的に取り組む動きが県内各地で生まれています。このような地域住民やNPOなどによる地域づくり活動については、ボランタリープラザなどによる情報提供、技術的支援も行われています。また、県民局においては、地域戦略推進費により応援をしてきましたが、今年度からは、ソフト、ハード事業により地域の主体的な取組を支援する「地域の夢推進事業」を進めています。 また、地域資源の活用としては、各地域で農をベースとした特産物の開発、販売などが行われ、農業の6次産業化が進みつつあります。多自然居住の推進や地域再生応援事業、小規模集落元気作戦など、都市と農村との交流を手段として地域自らが地域の活性化を図ろうとしている事業も展開されています。 地域の活力低下が叫ばれる今日だからこそ、多自然地域の良さを生かした主体的な取組を活発化していかなければなりません。県としては、地域再生大作戦や地域の夢推進事業などのように、支援の枠組みを用意し、これを利用して地域の住民が主体的な活動を展開される、個性を生かし自立・主体的な地域づくりを応援してまいりたい、このように考えています。

② 参画と協働の推進について

本県は平成15年4月に「参画と協働の推進に関する条例」を施行して、県民と県民、県民と県行政とのパートナーシップという2つの側面から参画と協働の推進に取り組んできました。県民向けガイドブックには、「参画と協働」を地域づくりに当てはめると「自分たちの地域を住みやすくするため、知恵や力を出しあって、地域のことをみんなで考え、力を合わせて、さまざまな地域づくりに取り組むこと」と記されており、地域づくり活動の分野の例として、「保健・医療・福祉」、「社会教育」、「まちづくり」、「文化・芸術・スポーツ」、「環境保全」、「災害救援活動」、「地域安全」、「人権擁護・平和の推進」、「国際協力」、「男女共同参画社会の形成」、「子どもの健全育成」、「情報化社会の発展」、「科学技術の振興」、「経済活動の活性化」、「職業能力の開発・雇用機会拡充」、「消費者の保護」、「ボランティア・NPOへの支援」の17分野が掲示されています。また、地域づくり活動に取り組む団体・グループとしては、自治会、婦人会、老人会、子ども会などの地域団体、ボランティアグループ・団体、NPOが挙げられています。わたしは、今後の「新しい公共」の充実に向けて、また適正な行財政改革・財政運営の観点からも行政と県民のパートナーシップに関しては、大変重要であると考えます。しかし現状は、具体的な事業等の取り組みも身近な地域課題への対応のみに終始しているように見受けられますし、加えて、人口減少、価値観や生活様式の変化、特に共働き世帯で塾や習い事、スポーツなど子供を中心とする暮らしの中で、自治会活動や婦人会活動は厳しい実態もあります。わたしは、質問に先だって効率を優先した経済構造、企業活動が生み出した日本社会の現状と脆弱点として、都会への人口の集中、少子・高齢・過疎、人口減少社会への突入を生み出したと言いました。こうした状況を鑑みれば、これからの参画と協働の施策を進めるにあっては、21世紀の成熟社会にふさわしい地域づくりを進めるため、より将来的な展望を見据えて、例えば、自然環境の素晴らしい田舎における農業を中心に据えながら、療養型病床や介護施設、大学や研究機関など社会資本の設置又はそれらとの緊密な連携を念頭に置きつつ、地産・地消及び地域循環型経済や地域コミュニティを再構築する視点、すなわち、地域づくりに関する包括的な参画と協働を目指す必要があるではないかとも考えます。そこで、これまで条例の実効性や施策の推進状況の検証をどのように進めてこられたのか、また、改正NPO法の施行も踏まえ、今後どのような社会像を描かれつつ、多様な主体による県内各地の活性化に向けて取り組まれるかお伺います。

答 弁

参画と協働関連施策の推進状況は、毎年度、年次報告を作成し、ご報告を申し上げておりますが、昨年度は5年間を振り返り、県民意識と実態について調査を実施し、その結果を報告しました。その結果を集約しますと、県民による主体的な地域での実践活動は着実に広がりつつあると言えます。 身近な地域課題への対応が中心だとの指摘もありますが、これは、高齢化や家族や、就業形態の変化等を踏まえた県民の関心や生活の課題からみれば当然で、着実な歩みと言えます。しかし、特定のテーマを追求するNPO等の活動からみて、従来、地域活動の中心となってきた地域団体の活動がさらに活性化することが望ましいと言えますし、他の多様な主体との連携強化が課題になっております。 最近では、小野や朝来での小学校区単位での地域自治協議会の設立や、篠山での大学やNPOとの連携による農家民泊の取り組みなど、活動のエリアや主体の広がりが見られ、多様化する地域課題に取り組む新たな仕組みが生まれつつあります。 社会構造が変化する中で、豊かで質の高い生活を実現するには、人と人のつながりで自立と安心を育み、個性を生かした地域の自立と地域間連携によって活力を生み出す兵庫を目指す必要があると考えます。 法改正により活動基盤が強化されるNPOや、専門的知識を持つ大学に加え、福祉・医療関係機関などとの連携も視野に入れながら、中間支援組織や企業とのネットワーク化を図ってまいりたいと考えますし、活動事例などの情報を提供して、その情報の共有化を進めてまいります。このようなことにより、多様な主体と手を携えて元気な地域づくりに取り組んでいきたい。このように考えています。

③ 21世紀兵庫長期ビジョンの見直しについて

平成13年2月に策定された21世紀兵庫長期ビジョンについて、策定から10年を経た人口減少などによる時代潮流の変化や、地域課題が顕在化していることを踏まえ、今年秋を目途として2040年の兵庫の目指す姿と実現に向けた課題と重点方策を調査・審議するための作業が進められており、大いに期待をするところです。 私は、長期ビジョンの見直しにおいては、時代潮流の変化とその原因や、地域課題を的確に捉えて分析するとともに、その課題を克服して2040年の社会を創造するものでなければならないのではと考えます。同時に、長期ビジョンの見直し作業と将来社会への創造・実現が、まさしく県民の参画と協働による成果でなければならないと考えます。 今年の6月に示された全県ビジョン改訂版(素案)を見ますと、よくこれだけ整理ができたものだと感心する反面、特にこれから申し上げることを充分に踏まえ、より踏み込んだ見直しと施策の展開を図って戴きたいと感じました。例えば、10年前のビジョン策定後に顕著になった「人口減少社会の到来」という時代潮流が記され、客観的なデータが示されていますが、そもそもなぜ人口減少社会に入って行ったのか、なぜ、未婚化・晩婚化・夫婦の出生力の低下が起こったのかといった根本原因を踏まえた対応が求められると思います。さらに、「持続する地域構造」というテーマの中では、「多自然地域の集落の衰退」として、「空き家の増加と荒廃」、「自然に戻る耕作地の拡大・森林の荒廃」、「地域内でまかないきれない生活サービス機能」といった課題が、「疎住化が進む地方都市」としては、「多自然区域の中心都市周辺でのスプロール」、「都市近郊でのロードサイド近辺への都市機能・居住機能の拡散」、「中心市街地で進む生活機能の再配置」、「自動車依存の都市構造と衰退する公共交通」等々の課題が挙げられておりました。こうした様々な課題に対しては、「これからの兵庫の将来像」を描きつつ、様々公民協働の取り組みを進めることが必要となってまいりますが、素案の中では、各地域における先進的なあるいは頑張っておられる事例が挙げられています。その中には、私の地元の神河町の村営ふれあいマーケット・ガソリンスタンドの事例も紹介されていますが、本当によく頑張っているものの、運営実態もかなり厳しいのが現実です。 私は、こうした事例紹介ももちろん大切ですが、特に申し上げた課題を克服して、地域社会の自立を目指すためには、課題を抱える地域の起爆剤となるような取り組みを、県が主体的かつ具体的に打ち出していく行動が欠かせないと考えます。長期ビジョンの見直しにあっては、全庁的に知恵を結集しながら、ご指摘した原因分析や県による主体的行動による地域づくりといった視点も盛り込んで、将来に対する県民の不安解消と、将来の兵庫に希望を持てるシナリオを県民に示すことが必要と考えますが、現在の見直し状況と今後の進め方についてお伺います。

答 弁

ビジョン策定以降、社会や経済の変化は加速し、課題も多様化、複合化するなど先行きが見えにくい時代となりました。様々な時代潮流の変化の中で生じる地域課題には、今見えるものへの対応だけなく、背景に潜む更なる課題を顕在化させて取組むことは重要です。これはご指摘いただいたとおりです。ビジョンは策定以来、フォローアップとして長期ビジョン推進委員会はもとより、部局横断のプロジェクトチームを設け、学識者や地域づくりの実践活動家も交えて、人口減少社会など時代潮流を展望してきました。今回のビジョンの見直しにあたっては、こうした時代潮流を踏まえ、審議会や県内各地で開催する地域夢会議、フォーラムでの議論、市町や地域団体との意見交換など、多数の県民の参画を得ながらまとめあげ、先日パブリックコメントも終えたところです。 現在、最終的なとりまとめに向けて作業中ですが、①多様な人と地域を兵庫の財産として捉え、これを守り・生かす、②そのために、人や地域が絆の中で支え、支えられながら自立していく、という基本的な考え方のもとで、県民生活に即した将来の姿を描いていきたいと考えていますし、その実現に向けて県と様々な主体が共に取組む戦略的なシナリオを明らかにしたいと作業を進めています。 この戦略的なシナリオを12ほど用意しようと考えていますが、その第1が人々の絆でつくる豊かで安全安心な地域づくり、その2が生涯健康で生き生き活躍できるしくみと場づくり、その3が国際人、クリエイティブな人づくり、その4が科学技術基盤を生かした先端産業の創造、その5が地域を生かし共に持続する産業、その6が生きがいにあふれたしごとづくり、その7が人と自然が共生した持続する地域づくり、その8が地域資源を生かす資源循環社会づくり、その9が自然災害に負けない交流と安全の県土づくり、その10が確かな地域経営を支える交流・持続基盤づくり、その11が人口減少社会における地域の元気の創造、その12はアジアの成長を呼び込み活性化させる、ということで作業を進めています。 こうした新たな協働シナリオを基に、本年度から開始した地域の夢推進事業の活用など、県政の施策を展開してまいります。これにより、県民の多彩で主体的な活動が広がり、地域の豊かさや多様性を生かした創造的な自立と連携の舞台となる兵庫の実現をめざしてまいります。ともに県民と夢や目標を共有し、これを目指し歩み続けていきたいと考えています。

2 地域格差の解消と社会基盤整備の適切な実施について

① 医療格差の解消について

私は、行政の果たすべき役割として、地域特性を生かしながら均衡・均等ある県土の発展、行政サービスの確保が重要であると考えています。人口が密集するところに、多くの施設が集中することは当然でありますが、都市公園や農村公園、美術館や博物館、県立病院をはじめとする医療施設等々の設置状況を見渡すと、人口密度を考慮したとしても必ずしも均衡・均等な配置になっているとは言い切れないと思います。 公園や美術館・博物館などの憩いや文化や教養、スポーツ施設などの有無は直接的に県民の命に直結するものではありませんが、少子高齢化や疾病構造の変化に伴い、多様化・高度化するニーズに対応した医療提供体制の確保が、喫緊の課題となっている中、県立病院をはじめとする医療施設等々については出来得る限り、人口の少ない地域にも一定の配慮をすべき必要があると考えます。 ここで私に寄せられた県民の声を紹介いたします。『中学一年の娘は甲状せん機能低下症(橋本病)で須磨のこども病院に通っています。橋本病は殆どの場合治ることがなく、症状の重い娘は一生通院することになります。小学四年生の時、姫路のマリア病院小児科で内分泌の検査を受けたところ、マリア病院では手に負えないので、こども病院に行くように言われました。最初は2~3週間ごとに、症状が安定してからは2ヶ月ごとに通院しました。こども病院では受付時間の枠があり、8時15分~9時半の1枠、9時半~10時半の2枠、10時半~12時15分の3枠となっています。住まいから須磨まで2時間以上かかり、1枠には間に合わないので、2枠に間に合うよう通っていました。診察券を出し、2~30分待ち血液検査をうけます。3分ほどの診察は1時半~2時頃になり、会計を済ませて病院を後にするのは2時半過ぎです。通院するのに学校も休んでの一日仕事で、こどもも付き添いの大人もくたびれ果てます。症状も安定したので、血液検査と投薬のみなら、姫路の日赤病院やマリア病院でも良いのではと思い、主治医に相談しましたが、娘にはダウン症候群の既往症がある上、思春期のこどもを診てくれる先生はいないとの事で、二ヶ月に一度の通院を四ヶ月に一度と通院回数を減らす事になりました。四ヶ月に一度の人は受付時間が3枠のみとなります。3枠の10時半受付だと終わるのが4時になります。』というものです。こども病院の受付時間は患者さんの状況により異なるとのことですが、こうした手紙を読みますと、遠方からの通院者を優先して受診、もしくは、高度な小児専門医療を実施できる医師を姫路の病院に配置できないものかと痛感するとともに、建て替えが予定されている「こども病院」では、遠方からの通院者への配慮、すなわち、建て替え位置の検討や、滞在時間の長期化にも対応できるよう児童公園の拡充、待ち会い室ではディズニーやジブリ等こどもも大人も楽しめる映画ビデオを放映する設備の設置、食堂、売店等に寛げる空間の設置、診察時間等のより細かな受診計画などの配慮が求められてくると率直に思います。さて、こうした事例を持ち出すまでもなく、地域医療の確保が危ぶまれている今日にあっては、特に、救急医療、災害医療、周産期医療、小児救急を含む小児医療体制の偏在及び、へき地における医療資源の不足は、県民生活に対して深刻な影響が及ぼします。私の地元の中播磨地域でも、特に3次救急については、救命救急センターである県立姫路循環器病センターが、主に循環器疾患、脳卒中を中心に対応しているものの、重症外傷患者等の受け入れ体制が不十分であるため、医療機関相互の連携も含め、早急な体制整備が求められています。このように、医療資源が不足する地域に在住する県民ニーズに的確に対応できるよう、均衡ある医療施設の体制整備や医療サービスの提供が求められると考えますが、その現状と今後の対応のあり方について、当局の所見をお伺いします。

答 弁

県内のどこでも一定水準の医療サービスが受けられる体制を確保するため、保健医療計画におきましては、住民の生活圏、患者の受診状況等を勘案した2次保健医療圏域を設定しまして、一つには人口や高齢化に応じた病床の確保、二つには救急・周産期・がん・小児・へき地等の各医療分野の拠点病院の整備、三つには拠点病院を中心とした医療連携体制の構築を進め、医療資源の適正配置に努めているところでございます。 中でも救急医療につきましては、県内を7つの医療圏域に分けまして、重篤患者に対応する救命救急センターを整備してまいりました。しかし、淡路のような未整備地域や、中・西播磨、阪神のように機能強化が必要な地域がありますことから、その解消に向け取り組みを進めているところでございます。具体的には、平成24年度に製鉄記念広畑病院、25年度に県立淡路病院、26年度には県立尼崎・塚口統合病院に、順次、新たな救命救急センターを設置することにしております。 また、周産期医療につきましては、各圏域に整備しました地域周産期母子医療センターの機能強化に加えまして、西播磨・但馬など産科医療機関が不足する地域では、それを補う対策を検討してまいります。 さらに、がんにつきましても、がん診療連携拠点病院を各2次医療圏域に1カ所以上、計22カ所選定しております。これらを核とする地域連携クリティカルパスにより、病々・病診連携を進めてまいります。 今後も、保健医療計画に基づき、公立病院を有する市町や民間病院、医師会等とも連携しながら、各医療分野について県内全体を均衡ある体制整備に努めてまいりたい。このように考えております。

② 選択と集中による道路整備の透明性・公平性の確保について

多様な県土を有する本県では、都市部における社会基盤整備に比較をして当然のことながら郡部の社会基盤整備が遅れています。私が見聞きする一部の範囲だけでも、毎日の生活の基本となる生活道路整備等に関する県民の要望が多くあります。また、第2次行革プランを踏まえた投資的経費に関しては、プラン実施前の平成19年度の当初予算2,796億円と比較して、平成23年度は1,870億円の、△926億円と遂に2,000億円を割り込み、率にして実に△33%となっています。それだけに県当局の言われる「選択と集中」を踏まえた社会基盤整備が大変重要と考えます。しかもその「選択と集中」は、誰もが納得する透明性と公平性とが確保されるものでなくてはなりません。県では、社会基盤整備の実施過程の透明性を確保するため、県民局単位で「社会基盤整備の基本方針・プログラム」を策定し、計画的な社会基盤整備を進めるとともに、1億円規模以上の事業は内部委員会で、10億円規模以上の事業については外部有識者による公共事業等審査会で、その事業着手の妥当性が評価されています。このプログラムは、地域ビジョンに示される地域の将来像の実現をめざし、各地域における社会基盤整備の基本的な方向性や道路・河川などの事業箇所や概ねの整備時期を示したものと位置づけられていますが、地元県民や市町の声・ニーズ等が極力反映された内容であるべきであるとともに、その整備効果が適切に県民にフィードバックされていることが実感されなければならないことは申し上げるまでもありません。とりわけ、道路やトンネルの整備は、県民の日常生活はもとより、地域における社会経済活動を支える礎(いしずえ)でもあり、県民が安全・安心して、豊かな生活を営むためにも必要不可欠であることを考えれば、極めて重要な社会基盤といえる一方、その事業化にあってはその採択のプロセスや判断等が特に重要となってまいります。例えばトンネル整備では、その必要性を判断する場合、住民ニーズやコスト面の精査はもとより、周辺道路を含めた交通量や人口の多寡、環境面への影響や投資額に見合う経済効果の有無などが検討要件となってくるのではと推察しており、私の地元でかつて予定されていた県道下滝野市川線「釜坂トンネル」などは、当面の事業着手が見合わされるなど、事業化にあっての慎重姿勢が伺えた事例も認められます。第2次行革プランに基づく厳しい財政状況の中、「選択と集中」による道路整備事業の採択にあっては、その透明性と公平性の確保が肝要であり、どのような認識のもと事業を進められているのか、当局のご所見をお伺います。

答 弁

道路は、社会経済活動を支えるとともに、特に地方部においては日常生活に欠くことのきない重要な社会基盤でございます。事業化の前提となる社会基盤整備プログラムの策定にあたりましては、交通量をはじめ、観光振興や救急医療の支援など地域の実情を反映した多様な指標により客観的に評価致しまして、地元市町等の意見も踏まえた上で、事業箇所を選定しております。また、新規採択にあたりましては、プログラムの中から、必要性や優先度、地元の合意の状況などを総合的に勘案致しまして、公共事業等審査会などを経て選定をしております。これらにつきましては、そのプロセスや結果をホームページや冊子で公表するなど、客観性・透明性の確保に努めております。 また、プログラムは、社会経済情勢等の変化に応じて適宜改訂しておりまして、平成20年度の見直しでは、選択と集中の観点から、通学路の踏切を拡幅する県道前之庄市川線のような、優先度の高い約200箇所を再度プログラムに位置づけたところでございます。 一方、ご指摘のありました「釜坂トンネル」など約70箇所につきましては、交通量が少ないなど他の箇所に比べ優先度が低いということから、当面着手を見合わせざるを得なくなったわけでございますが、今後の沿道土地利用や、周辺道路の状況など、地域の情勢変化等を踏まえまして、次回の見直しの時には改めて検討したいと、このように考えているところでございます。 今後とも、地域ニーズを的確に捉えた上で、多くの県民の皆さんの理解が得られるよう、事業採択プロセスや整備効果の周知を一層充実し、より透明性・公平性を確保した道路整備を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご指導いただきますようお願い申し上げます。

3 兵庫県立大学の公立大学法人への移行について

県立大学は、第2次新行革プランの中で、「平成25年を目途とした法人への移行に向けた検討」が示されました。我が会派は、以下述べるような解決すべき課題を含んでいることから、法人への移行期間はもとより、移行そのものについても、慎重かつ十分に検討するよう強く提案してきたところです。本来、県立大学は、県内唯一の公立総合大学であり、県民の資質向上のための「安価な高等教育と研究施設の提供」を通じて地域住民の高等教育機会確保、地域社会の発展に寄与、さらに県政推進に向けての連携といった県立大学本来の使命である公的責任を果たすものと考えています。今次の国公立大学の法人化への移行に関しては、例えば、法人化された国立大学では運営費交付金が毎年1%ずつ削減され、公立大学でも設置者の財政悪化を理由に大幅な予算削減が行われるなど、教育や研究に影響が生じているケースもあると聞いています。全国的にも、公立大学法人化した事例は数多くありますが、本来の趣旨を離れ、財政難に苦しむ自治体が不採算部門の大学を切り離すことを主目的に法人化されたというケースが多いと聞きます。 また、教員・職員の身分についても課題があり、他府県の事例に目を向けると、首都大学東京や横浜市立大のように、法人化の際に任期制や年俸制の導入をめぐり教員側と自治体が対立し、大勢の教員が辞職する事態も起きた事例もあるなど、「教員の意見が大学運営に反映されにくくなるのではないか」という不安の声があることも事実です。 去る9月14日に我が会派が知事に対して行った重要政策提言でも、「地域社会への還元と社会貢献、県政との連携といった視点に立ち、県立大学のあるべき姿を確認しながら運営を行うこと」と提案したところですが、厳しい経済・雇用情勢が続く中だからこそ、今後とも自治体のシンクタンクとしての期待・役割も一層高まっていくと思います。そこで、有識者からなる県立大学改革委員会の提言を受け、9月には県立大学としての方針決定を行うと聞いていますが、申し上げた課題解決に向けて、今後どのように取り組まれようとしているのか、ご所見を伺います。

答 弁

県立大学は、6学部・12研究科・4附置研究所それぞれが地域の教育・研究の拠点として、社会・経済・科学・文化に貢献するという使命を果たしています。しかし、3大学統合前と比べまして、地域と大学との結びつきが見えにくくなり、特色の発揮に課題があるとの指摘もございます。また、独創的・先駆的な研究成果の発揮や地域産業界との強い繋がりなど、県立大学の強みをさらに活かすため、統合時の理念も踏まえた改革に、大学自身がより主体的に取り組む必要もございます。 このため、県立大学におきましては、有識者からなります「大学改革委員会」を設置し、大学改革の基本的方向や法人化についての検討を進められてまいりました。このたび、「地域に積極的に貢献し、世界と交流する大学を実現するためには、組織・定員・予算の自律的な編成や決定の迅速化、多様な人材の育成、勤務形態の柔軟化がより図ることができる公立大学法人への移行をすべきである。」との大学改革委員会からの提言を受けました。そして、県立大学におきましては「運営協議会」、「評議会」での議論を経たうえで、去る9月28日に公立大学法人への移行の方針を決定されたところでございます。 公立大学法人への移行にあたりましては、①法人の組織・運営体制、②教職員の人事・給与制度、③財務会計制度等につきまして、今後、教職員の皆様の意見も聞きながら、大学において検討が進められてまいります。設置者であります県といたしましても、大学改革委員会の提言や大学の移行方針の決定を踏まえまして、法人組織や運営費交付金等の具体的な枠組みにつきまして、本年度中を目途に大学とも検討を進めてまいりたいと考えてございます。 県立大学の法人化は、大学の自律性を高め、学生や地域にとりまして魅力ある大学づくりを推進することが目的でございます。ご意見も踏まえまして、県立大学が県政との密接な連携のもと、地域・社会により一層貢献する大学となりますよう、県としても積極的に支援してまいりたいと考えてございます。引き続きのご協力、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2011年10月07日(金) カテゴリー: 一般質問等 | コメントは受け付けていません。


決算特別委員会質問

第306回9月定例会 決算特別委員会質問 (病院局)
                      2010年10月19日(火)
上野 英一 議員
  1. 県立病院の経営状況について
    (1) 人件費削減による効果について
    (2) 診療報酬の改定に伴う効果について
    (3) 許可病床数と稼働病床数の差異について
  2. 県民本意の病院運営について
    (1) インフォームド・コンセント等の推進について
    (2) 患者や家族の疑問や苦情対応について
  3. 災害医療センター事業の実態について

1 県立病院の経営状況について

 本県は人口当たりの大学病院や国立病院が全国的に見て少ないこともあり、公立病院、中でも県立病院の病床数、勤務医師数が比較的多く、高度専門医療を中心に県民の医療確保に重要な役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、近年、多くの公立病院が診療体制の縮小を余儀なくされるなど、経営状況が悪化している中、本県病院局では、平成21年1月に「病院構造改革推進方策(改訂版)」を策定し、病院事業全般にかかる構造改革の取り組みを推進しながら、各県立病院の役割を踏まえた診療機能の充実や経営改善を進めるための「県立病院改革プラン」をまとめ、この計画に基づいて県立病院の改革を推進しておられます。
 そこでまず初めに、県立病院の収支状況についてお伺いします。

(1) 人件費削減による効果について

 本年3月の予算委員会においても取り上げましたが、県立病院改革プランでは、高度専門・特殊医療の充実、地域医療連携の推進等による患者確保、建替整備等にあわせた診療機能の充実を通じた診療単価の向上等により、一層の収入の確保を図るとともに、費用についても、給与費比率、材料費比率等の改善への取り組みを推進し、平成28 年度に病院事業全体での当期純損益の黒字化を達成するとしています。
 そうした目標のもと、平成21年度実績では、前年度と比べて当期純損益が30億円改善するという成果をあげることがきました。この要因としては、治療患者数の増加や、減価償却費の減を中心とした医業費用の減少等によることもあるとともに、大幅な人件費の削減も大きな要因ではなかったと考えています。
 そこで、職員の人件費削減が収支改善に及ぼした影響額について、伺います。

(2) 診療報酬の改定に伴う効果について

 全国の公立病院が加盟する全国自治体病院協議会が発表したところによると、前年同期に比べて、4~6月期の入院単価は4.3%増、外来単価は5.2%増となっており、1病院当たりの収入は、4.1%増加という2002年の調査開始以来最高の伸びを示したとのことでした。
 この主な要因は、民主党政権が平成22年度からの診療報酬を大幅増額した結果にあると考えられますが、本県についても、平成22年2月定例会の予算委員会において診療報酬の改定を受けた収支改善見込額を質問した際に、平成22年度で約9億円程度が見込まれるとの回答でした。
 そこで、県立病院事業における診療報酬改定に対する評価と今年度の実績をお示し頂き、それが改革プランに掲げる28年度までの収支フレームへ与える影響について伺います。

(3) 許可病床数と稼働病床数の差異について

 ご承知のとおり、日本における医療供給体制は病床数によって決められているため、都道府県が医療計画を策定する上でも、病床数は重要な意味を持っています。
 すなわち医療法で定める医療圏ごとに、その地域の病床数を策定した「基準病床数」が定められ、その範囲内で県立12病院の許可病床数が国への申請に基づき決められるわけです。
 現在、県立12病院における許可病床数は計4,023床あります。しかしながら、決算資料を見ましたところ、稼働病床数は3,434床に留まっています。様々な理由があるのでしょうが、とりわけ、県立柏原病院は許可病床数303に対して稼働数146、県立塚口病院は許可病床数400に対して稼働数300と大きな差が目立ちます。
 そこで、特にこの2病院の、差異の大きさは具体的にどのような理由から生じているのか、その影響は病院経営にどのような形で表れ、どういった対応を講じていこうとされているのか、について伺います。

 


2 県民本意の病院運営について

 本県では、先に申し上げました「病院構造改革推進方策(改訂版)」において、「県民から信頼され、安心できる県立病院の実現」などとされていますが、県民が安心してかかれる病院であるためにも、私は以下の点を特に重視すべきと考えています。すなわちインフォームド・コンセントと、患者や家族の疑問や苦情に対する適切な対応の徹底についてであります。

(1) インフォームド・コンセント等の推進について

 インフォームド・コンセントの定義は、手術や投薬、検査といった医療行為の対象者が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け理解した上で、その方針に合意することでありますが、患者が自分の病気と医療行為について、知りたいことを知ることができ、治療方法を自分で決める権利を持つことを指すと私は理解しています。
 去る2002年に東京慈恵会医科大学青戸病院の経験の浅い医師が、前立腺がんの最先端の手術を行おうとした結果、男性を殺してしまったとして、逮捕された事件がありましたが、こうした事案もインフォームド・コンセントの問題を含んでいたとされており、医療従事者が、如何に誠実な態度で率直にインフォームド・コンセントを行う医療を提供すべきかを示唆しているように思えました。
 県立病院においても、患者の自己決定権を尊重した医療の推進が不可欠であることから、インフォームド・コンセントの推進に取り組んでこられたことと思いますが、現在もその充実を図ることはもとより、患者へのカルテ開示、セカンドオピニオンの推進等にも積極的に取り組んでいる旨を聞いています。
 そこで、県立病院におけるインフォームド・コンセントの実施状況、カルテの開示実績及びセカンドオピニオンの実施状況についてお伺いします。

(2) 患者や家族の疑問や苦情対応について

 病院としては、患者や家族に対して常に真摯に対応されていると思いますが、私たちには様々な声、疑問や苦情の訴えがあります。もちろん一方的にお聞きをするわけですのですべてを鵜呑みにするわけではありませんが、具体的な事例を2件挙げさせていただきます。
 1件は、姫路循環器病センターでの話です。以前からたびたび小さな脳梗塞を起こし循環器病センターでの治療や検査をされている方の家族の話です。ある日意識を失い反応がなくなってしまったので、救急車を呼び循環器病センターへ夜8時頃搬送されました。以前にも同じようなことがあったようです。そのときは入院をし、検査を受け数日後に退院されたそうです。特段の症状もなかったようです。しかし、今回当直医の対応は、「どうもないから連れて帰ってくれ。ここまでこなくても近くに病院があるだろう。」との対応だったそうです。おそらく当直医は、コンビニ受診はやめてくれとさえ思われたのだと思います。医者の多忙さ故だとは思いますが、考えさせられる事案です。
 もう1件は、2009年6月に自転車で水路に転落、けいつい損傷で姫路の病院に入院治療。3ヶ月後の9月にリハビリテーション中央病院に通院。担当医師にリハビリをすれば歩行可能との診断を受け、1ヶ月後に入院。しかし、入院後適切な治療がなされず身体が衰えリハビリ不可能となり、8ヶ月後に退院、自宅生活 介護度5の状態で現在に至る。その間、適切な治療がなされないので退院を希望するが許可が出なかった。また、損害保険請求書のための証明書の依頼をしてもずいぶんと遅れた等々のことをおっしゃっておられました。このリハビリテーション病院は、病院局の所管でないことは十分理解しており、本件については、また別の機会に所管部局に確認しますが、この方のケースなども、まさしくインフォームド・コンセントにおいて、相互の理解が不十分であったことが、事務処理等々に至るまでの不満につながったのでないかと思います。
 県立病院事業として、このような患者や家族の疑問や苦情に対して、どのように対応されているのかお伺いいたします。

 


3 災害医療センター事業の実態について

 兵庫県災害医療センターは、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害時における医療の提供及び平常時における救急医療の提供を行うために設置され、平成15年度より診療を開始しています。このセンターの管理については、神戸赤十字病院を設置する日本赤十字社兵庫県支部を指定管理者として県から運営を委託しているところですが、決算資料を見ましたところ、入院患者数は平成19年度の10,130人をピークに平成21年度は9,614人に減少、外来患者数も平成16年度の391人をピークに減少を続け、平成21年度は135人となっています。
 一方、総収益から総費用を差し引いたセンターの純利益に関しても、平成19年度では約1億12百万円であったものが、平成20年度に31百万円、平成21年度には約24百万円へと減少しております。
 もとより当センターは、病院機能と情報指令センター機能があり、高度救命救急センター及び基幹災害拠点病院として救急医療及び災害医療を担うという重要な役割を担っており、これまでも台風災害に対応した救護班の派遣及びヘリコプターでの被災患者受け入れ、新潟県中越沖地震にあっては医療救護活動と現地調査のために医療チームを現地に派遣、インドネシアで起きたジャワ島中部地震の際にもNGO災害人道支援協会に協力し、現地に医師等を派遣されるなど数々の貢献を行ってこられました。
 こうした活動は大いに評価しておりますが、一方で、健全な病院経営の視点も忘れてはなりません。病院経営という視点から、患者数や収益の減という実態に対する評価・分析をお聞かせ頂くとともに、改善に向けた取り組みについて伺いたいと思います。

2010年12月02日(木) カテゴリー: 一般質問等 | コメントは受け付けていません。


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