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兵庫県の財政状況について

 平成19年度、実質公債比率19.6%で全国ワースト2位となっているが、実態はどうなのか。また、財政悪化の原因はどこにあるのか。

 知事曰く、①震災復興に多額の経費を要し、その財源として県債の発行を行った。そして、その償還が平成17年度からはじまった。しかし、その償還に当てるべき県債管理基金を震災の創造的復興のために有効活用してきたために積み立て不足が生じている。平成18年度末、8,500億円の残高がある。②団塊の世代が退職時になり、多額の退職金が必要となった。③国の医療・福祉関係の制度改正により負担増となった。④国の三位一体改革により、地方交付税が大幅に削減された。

 しかし、県は震災復興に多額の経費を要したこと、将来、老人医療・福祉経費が増嵩すること、団塊の世代の大量退職が生じることから、平成11年度から20年度までの10年間の「行財政構造改革推進方策」を策定して、しかも平成16年度からは「後期5カ年の取り組み」として見直しを行っている。であるから①~③については財政再建計画に織り込み済みであったはずである。④の三位一体改革分の地方交付税700億円削減のみが想定外であったはずである。しかし、実際は年間1,200億円(10年で1兆2千億円)の財源が不足となっている。差し引き500億円の財政運営に問題があったこととなる。それは、知事の言葉を借りると「創造的復興」となり、元に戻す復旧から未来に向けた文字通り「創造」とある意味必要以上の震災復興事業であったと云わざるを得ない。

 当然、知事の責任はいうまでもないが、議会の責任もまた重大である。それは、議会が知事の予算議案を認めてきたからである。しかし言い訳ではないが、議員に対して十分な説明がなされてこなかった、あるいは当局の提案する予算、とりわけ歳入予算案を把握することは至難の業であると云わざるを得ない。

 歳出は額面通りの金額であるのでストレートにみればよいが、歳入については借金も歳入であり、その借金もまた地方債・起債と云われるものなどは毎年の償還額に対して地方交付税として措置されるものなどもあり、歳入すべての把握は財政担当者でなければ分からないというのが現状である。

 余談になるが、大型公共事業などを実施し起債を発行すれば、その起債の償還に交付税が措置され一般財源が増える。その一般財源をもとに更に大型事業を実施すれば更に一般財源が増える、借金をすればするほど一般財源が増えるような仕組みとなっているとも云える奇妙な財政構造である。また、総務省の地方財政計画は右肩上がりの経済成長が永遠に続く前提での計画となっている。それに基づき兵庫県の財政計画は立てられる。経済成長が続くと言うことは税収が増え続けると言うことであり、今は財源がなく借金をしても将来増えた税収で借金の返済を行えばよいと言うことになる。

 具体的に云えば、予算は単年度主義となっており、しかも歳入から歳出を引けば毎年黒字決算となっている。借金は別立てとなっており、その借金の管理は公債費比率15%以内で運用しているので、財政は健全だと当局は繰り返し説明してきた。

 借金が別立てとなっていることが最大の問題点である。県債管理基金の有効活用と知事は言っているが、実態は基金の積立不足・マイナスとなっており、新たな指標「実質公債比率」はその基金の積立不足を反映する新たな指標であって、財政の実態がはじめて明らかになったところである。

 実質公債費比率は、2007年6月15日に成立した自治体財政健全化法によるものである。
新たな指標として、①実質赤字比率、②連結実質赤字比率、③実質公債費比率、④将来負担比率が定められて、単年度主義、一般会計主義から年度と特別会計、企業会計など、縦と横の連結をして財政状況を明らかにするものです。夕張市をはじめ地方自治体の財政が悪化をしていることから、財政の健全化を目指すものです。

 それと議員が反省しなければならないことに、地元地域に事業や利益を誘導するためには、他地域の事業の予算批判や知事に対して厳しいことを云えない現状がある。もちろん地元の発展を図ることが議員の務めでもあるが、同時に県政全般をチェックするのが議員本来の務めである。補助金型、陳情型、利益誘導型、口利き行政など、議員活動のあり方も問われる所である。

ここで豆知識

 県債管理基金:県債は県の発行する金融債権で、10年後に一括返済する。また県債管理基金とは、そ の返済のために毎年積み立てる基金。

 公債費比率:歳出にしめる借金返済の比率

 実質公債費比率:特別会計を含んだ公債費比率。

2007年12月24日(月) | カテゴリー: 県政報告 |

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