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2009年10月2日 一般質問・答弁(全文)

第302回県議会(平成21年9月定例会) 一般質問・答弁(10月2日) 全文

 1 市町合併の評価と今後の市町に対する県の支援について

【質問】 

 質問の第1は、市町合併の評価と今後の市町に対する県の支援についてであります。 平成の市町村合併特例法が今年度末に執行切れとなり、政府としての合併促進議論は一応の終局を見たことになります。 本年2月の定例会で高嶋議員から合併の評価・検証について質問がありましたが、企画県民部長は、「県として、有識者による研究会を設置したところであり、県として、研究会の検討結果を踏まえつつ、地方分権が進む中、合併市町が行政の効率化、そして地域の活性化を両立させ、地域特性を生かした自立的、主体的なまちづくりを進められるよう、必要な情報提供や適切な助言、支援を行っていく。」と答弁されています。私は、分権に対応できる効率的な体制づくりができたかどうか、財政状況はどう変化したかについて、どのような評価となるか大変注目をしています。 しかし、8月に企画県民部から頂いた資料では「市町合併によって行財政基盤の強化など一定の効果が見込まれる一方で、周辺地域での活力の低下等、様々な地域課題の解決を図る必要がある。」と記載されており、このことについて、私が「現段階で行政基盤の強化などと言い切れるのか?」と質問したところ、「職員数の削減を含めた行財政の合理化が、組織の簡素化も含めて図られていることを考えると、一定の行財政基盤の強化が示されていると思う。」と答弁がありました。 確かに市町合併や行革によって市町行政はスリム化が図られましたが、その結果として、特に比較的規模の小さな市町については、行政資源、つまり財源や人材が限られていて、義務的な業務を執行するだけで精一杯で、福祉の向上や産業の振興に向けた独自の施策や事業に取り組んでいくための余力を失っているのが現状であります。 そこで、「兵庫の自立」、「多様性の発揮」を基本姿勢とする井戸知事として、このような市町の状況についてどのように認識されているのか。また、今後、各市町が地域特性を生かした自立的、主体的なまちづくりを目指して、独自の施策や事業を講じていくことに対して、どのような助言、支援を考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

 【答弁】 

県内市町は、平成の大合併の進展により29市12町に再編され、全国で唯一、人口1万人未満の市町がなくなったところです。標準財政規模の拡大や組織の合理化等により、一定程度の行財政基盤を持つ体制に再編・整備されたと考えています。また、今年4月から尼崎市が中核市に移行したことに伴い、しばらくの間、県と市町の新たな関係がこの平成21年度からスタートすることになった、このように認識しています。 合併後の市町の状況としましては、ご指摘の研究会の検討におきまして、土木や税務部門での組織の専門化が図られていること、CATVや道路等の社会資本の整備が進むこと、地域資源を有効に活用した新市町のイメージアップ等の効果が見られるなどの評価がありました。一方、中心地から遠くなった周辺地域での賑わいが喪失されかねないこと、空き庁舎の有効活用が課題であること、地域の個性ある取組が減少しているのではないかなどの課題も指摘されております。 特に、旧役場所在地域の活力の低迷が目立っておりますので、私は、交流人口の増大を基本として、どのような対応がありうるのか、早急に対策を講ずる必要があると考えています。旧庁舎の空室をNPOなどの活動拠点とするなどの有効活用を図る、あるいは、コミュニティバスなどの足の確保を中心とするなどの振興策などを検討してまいります。 また、地方分権改革推進委員会の勧告におきましても、基礎的自治体の役割を重視することとあわせまして、住民サービスの強化・促進の見地から、県から市町への権限や事務移譲359項目が勧告されておりますが、県としましても、いろんな課題がありますが、積極的に取り組んでまいります。 また、市町村財政の確立が不可欠でありますので、市町村にとって一番基本となります地方交付税の充実を図ること、これを国に対して働きかけ、市町の自主性と主体性の確保に努めてまいります。 いずれにしましても、地域の人々の主体的な取組を県としても支援するということを基本として、地域特性を活かした地域経営対策を行ってまいります。

2 生業となり得るための農業振興について

 【質問】

質問の第2は、生業となり得るための農業振興についてで、2点お伺いします。

 (1) 地域を先導する農業プロジェクトの推進について 

1点目は、地域を先導する農業プロジェクトの推進についてであります。 農林水産業の振興は、先の経済不況でも明らかになったように、内需産業の振興・拡大、雇用・就労の場として、また国土保全や均衡ある県土の発展、真にゆとりある豊かな生活を確保する観点からも、大変重要な課題と考えますが、とりわけ、生業となり得るための農業の振興が求められていると思います。 我が会派の代表質問で中田議員も取り上げましたが、あえてもう一度申し上げます。 我が会派でこの間、とりわけ私は、農業関係の先進地を数多く調査・視察をして参りました。中田議員の質問にもありました宮崎県東諸県郡(ひがしもろがた)綾町、熊本県山鹿市の取り組み、宮崎県都城市の(有)新福青果や千葉県香取市の農事組合法人和郷園には、目をみはるものがありました。 共通点は、農業の6次産業化であり、農業と畜産の連携、有機栽培や減農薬栽培、規格外品・くず野菜の利用、直販店を含む独自の販売ルート確立でした。 また、(有)新福青果の新福社長は、農地の集約化の観点から、限界集落そのものを農場化することで、地域の雇用と活性化をかなえることができると言われています。 このように全国では先進的な取り組みがなされ、農業が十分に生業となり地域の活性化となっています。それと比較すると、中田議員への答弁には迫力が感じられませんでした。 本県においても、農業と畜産の連携としては、本年6月に西脇市黒田庄町において、東野議員の町長時代からのプロジェクトであった、土づくりセンター「夢アグリ西脇」がオープンしました。また、その他にも、養父市大屋高原での生協と連携した有機農業や、旧八千代町のマイスター工房の巻き寿司など、先進事例・成功事例として紹介される取り組みは県内各地に多数ありますが、事業規模・経済規模から見れば、まだまだだと思います。 そこで、私としては、紹介した県外事例のような、市町を挙げてのプロジェクト、また農業者同士や異業種との共同によるプロジェクトを実行、そして成長させることが、地域の振興に有効であると考えますが、県としては、どのようにお考えなのか。またプロジェクト推進にあたり、これまでの県施策に足らざるものは何なのか、そして今後、県としてどのような点に力を注いでいこうとされるのか、そのあたりの見解や意気込みについてお伺いします。

(2) 農業改良普及センターについて

2点目は、農業振興策に欠かせない農業改良普及センターについてであります。 新行革プランでは地域センターを中核センターに集約し、農協の営農指導センターに地域普及所を置き、週に3回の相談業務を行うとされています。大幅な人員削減の中で、中核センターに人材を集約することで個々のスキルアップを図り、高度な専門性を発揮するという方針には理解をいたします。ところが、地域普及所は地域によって相談件数に大きな差があり、また相談内容も家庭菜園などの相談が多いようで、高度な専門性の発揮とはかけ離れた状況になっているように感じます。地域サービスが低下することを、少しでもカバーするための地域普及所の設置であったと思いますが、一考を要すると思います。 そこで、農業改良普及センター組織の見直しについて、新体制から半年が経過しますが、これをどのように評価しているのか、お伺いします。また仮に見直しによってマイナス面が発生しているとしたら、これについてどのように対処していくのか、お考えがあれば、併せてお答え願います。

【答弁】

(1) 地域を先導する農業プロジェクトの推進について

県内農水産物価格が低迷する中で、農林水産業の2次・3次産業化を進め、付加価値を高めることや、食品流通業や食品産業と連携して、本県農水産物の販路拡大を図ることが不可欠です。 このため、本県では、県産農水産物の加工・直売、都市農村交流の促進等によりまして、農林水産業の6次産業化を進め、農家所得の向上に努めてきております。 これらの取組みもありまして、農産加工では211グループで売上額約50億円、農産物の直売所は442カ所で売上額が160億円を超えるなど、一大産業として育ちつつあります。具体例としては、女性グループが地域食材を加工販売するマイスター工房八千代の売上額が約1億5千万円になっておりますし、農産物直売所「六甲のめぐみ」では約16億円などの売上をあげるなど、大きな成果を挙げています。近年では生産者団体と食品メーカーの農商工連携による地場産小麦を使用した淡口醤油の製造や、コウノトリ野生復帰に合わせて、コウノトリを育む農法によります米等の生産と特産物開発がプロジェクトとして結びついて取り組まれております。また、「夢大地」のように、市場と生産者がタイアップして消費者と供給者との新たな提携をしている例もあります。 したがって、今後ともそれぞれの地域特産物を生かした小グループ活動の推進が図られるよう、人材の養成や立ち上がり支援も含めまして、支援をしていきたいと考えています。 しかし、私は農産加工グループが一定規模になりましたら、それまでの組織形態をそのまま続けるのだとすれば、経営規模をさらに大きくすることのリスクや売上が大きくなっても利益が上がらないおそれがあることを警鐘しています。 今後とも本県農業の特色、都市近郊に位置するという立地条件、豊かな農山漁村の景観、特産農水産物などの地域資源、多くの食品関連産業など本県農業の立地の特性や特色を生かして、生産者と食品関連企業とが協働した農商工連携を一層進めることにより、本県農業の確立に努めて参ります。

(2) 農業改良普及センターについて

農業改良普及センターの統合再編は、専門指導力の強化と農業者の利便性確保の観点から実施したものであり、13センターに統合再編するとともに、遠隔地となる農業者に配慮して、統合された地域に地域普及所を設置した。 統合した普及センターにおいては、野菜・果樹など専門担当を複数配置することにより、地域特産物のブランド化や集落営農組織等の指導体制が強化できたと考えている。 また地域普及所については、農協の営農指導センターに設置し、営農指導員との連携のもとに活動できる体制ができた。具体的には、阪神地域の都市農業への対応に特化した取組や養父地域の曜日ごとに野菜や花きなど相談日を定めるなど、地域特性に配慮した相談体制が整えられたと考えている。一方、相談日に求められた野菜・花などの専門担当の普及指導員がいないなど、農業者からの相談に応じ切れていない状況が一部で生じていることも事実です。 このため、地域の農業実態を踏まえて、これまで以上に農業者の幅広いニーズに対応できるよう創意工夫するとともに、地域普及所についても、農業者にとって、より身近な相談・研修拠点とすることにより、普及センターの総合指導力を一層強化し、本県農業の活性化に努めてまいりたい。

 〔上記答弁に対する再質問〕

 1点質問させていただきます。農業振興についてでありますが、いろいろと県が取組みをされているのは理解をいたしておりますし、何回も承っておりますので、そのことについては重々承知をいたしておりますけれども、その評価について私はお聞きをしているのです。いろいろやられているのはよく僕は分かっています。しかし実態としてその点がどうかな、というのを言わせていただきます。 ちょっと数字的なことを言いますと、本県の1haあたりの農業予算を計算しますと、本県は約40万円で、全国24位でほぼ平均値であります。土地の生産性、1haあたりの農業生産額を計算しますと約190万円で全国で30位、近畿2府4県のなかで5位と低位にとどまっています。ちなみに生産性の高い上位3県は、宮崎県が440万円、愛知県が390万円、神奈川県が370万円であります。またコストパフォーマンスといいますか、農業予算と農業産出額の比率を計算しますと、本県は 4.7と平均値以下で、全国順位が29位ですが、比率の高い県をみますと、神奈川県が14.3、千葉県が12.0、こういうふうなことになっています。 こういうような指標だけで評価するのは乱暴だと思うのですが、兵庫県の農業はもっと頑張れるのではないか、という意味で決意を含めて答弁をお願いいたします。

 〔答弁〕

 兵庫の農業の場合は、メリットとデメリット両方持っております。都市近郊型農業が展開されているというのは、メリットでありますが、逆にそれが小規模な兼業農家を維持することができたという意味で、非常に今ご指摘のように効率が悪い農業展開になっております。そのような意味で大規模化、あるいは専業化を、生産を担う農業としては進めていく必要がある。そのような意味では集落営農をもっともっと高めていくことが肝要ではないかとこのように思っているところです。 もうひとつメリットと申しました、都市近郊農業の展開は、野菜ですとか、あるいは果物ですとか、都市の消費者が必要とする生産物、これは単価も高いわけでありますので、このような都市の消費者を対象とする農業の展開を進めていくことが、また、農業所得を上げていく、自立できる農家の育成につながる、その両面から農業の振興を図っていきたい。 ある意味で都市近郊農業だったからこそのメリットとデメリット、今度メリットをさらに生かし、デメリットを解消していく対応をしていくことが必要なのではないか、このように考えているということを申し上げたいと思います。

3 総合的な水害対策について

【質問】

 質問の第3は、台風9号接近に伴う県西部・北部豪雨の教訓から、総合的な水害対策についてであります。 台風9号接近に伴う県西部・北部豪雨は、8月9日には佐用町、宍粟市、朝来市で甚大な被害を引き起こしました。宍粟市、朝来市に隣接する私の地元、神河町川上、上小田でも大きな被害が出ました。特に佐用町では日雨量326.5mmの大半が午後7時30分から10時30分に集中し、その時間雨量は55~75mmでした。 また、その1週間前の8月1日の早朝には、神河町越知谷で日雨量221mm、2時間で110mm、その夜には福崎町で時間68mmの降雨があり、それぞれに被害が出たところであります。 会派議員団で、8月23日に現地調査を実施しましたが、その際に佐用町の庵逧町長は、「温暖化と同時に山が非常に荒れている。平成16年災害の風倒木処理もそうだが、木材価格の低迷により間伐をしても山に放棄、あるいは間伐さえも未放置となっている。総合的な防災・治水対策が必要である。」と仰っていました。 私は、今回の甚大な災害につながった原因として、異常な豪雨、佐用町の持つ地形的な要因、山が荒れている森林管理の問題、河川管理・河川改修の問題、避難勧告を含む避難の問題が言えるのではないかと思います。 これらのことについて、以下3点について伺います。

(1) 地球温暖化への対策について

1点目として、異常な豪雨の一因とも言われている地球温暖化への対策についてお伺いします。 新兵庫県地球温暖化防止推進計画に掲げる目標(2010年度に1990年度比6%削減)に対し、2006年度の産業部門においては、基準年比0.9%減、民生業務では24.6%の増加、民生家庭では21.0%の増加、運輸部門では増減をしながら2.3%の増加、その他のエネルギー転換及び廃棄物部門のCO2及びそれ以外のガス削減で34.8%減のトータル1.7%減であり、現計画の目標達成はもとより、新政権が掲げる基準年比25%削減には、なお一層の努力が必要ではないかと考えます。 我が会派の代表質問で運輸分野における削減について質問がありましたが、例えば公共交通機関の利用をとってみても、県民一人ひとりの意識によるところが大きいと言えます。つまり、運輸部門や産業部門といった大きなウエイトを占める分野において削減を促進するためにも、民生部門における取り組みが非常に重要であります。県民一人ひとりが、毎日の生活の中で、積極的に意識して運動に取り組むことができれば、それが、産業部門や運輸部門等における更なる取り組みを誘発するのではないかと期待いたします。 そこで、県では、ひょうご式1人1日1kgCO2削減運動の推進に取り組んでいますが、今後の展開についてお伺いします。また産業部門における取り組みとして、排出抑制計画及び結果報告を求めていますが、目標達成事業者の企業名の公開も含めて、この事業者の取り組みを積極的にPRすることによって、産業界のみならず、一般の県民の意識も高まるものと考えますが、併せてご所見をお伺いします。

(2) 森林管理、災害に強い森づくりについて

 2点目として、森林管理、災害に強い森づくりについてお伺いします。 戦後復興の木材需要に対応、農山村の雇用確保・就労の場として、杉、檜等の植林事業によって、人工林が拡大をしていきました。兵庫県下でも森林面積の約95%、532千haが民有林であり、そのうちの約42%、222千haが人工林であります。 植林は、まず地拵えをしてから1ha当たり3,500本の苗木を植えます。約10年間の下草刈りをして、約15年で除伐を行い、枝打ち、約25年、35年で2度の間伐を行い、約50年で1ha当たり1,000本が用材としての伐採期を迎えます。この一連の作業は、木を高く用材として成長させると同時に、根を張らせ木を倒れなくし、下草を生やせ、降雨時に土砂の流出を防ぐこととなります。除伐木はせいぜい稲の天日干し用の稲木用柱にしか利用できず、昔から山に放置されていました。間伐材は建築用足場丸太などの用材として利用されてきましたが、近年は木材価格の低迷から、多くがそのまま放置されています。その上、近年はその除伐、間伐作業そのものが実施されず、枝葉が鬱蒼と繁り、下草は全く生えず、杉や檜も元々が根を張らないものですがさらに小さなものとなり、豪雨、暴風時には折れる、あるいは根こそぎ抜倒し、保水能力の低下とともに土石流の発生とつながっています。平成16年の風倒木もその原因によると考えられます。 今回の災害を拡大した大きな原因としても、この荒れた山、森林管理の問題があげられます。人工林ほどではないとしても雑木林、広葉樹林の荒廃も進んでいます。 県では、新ひょうごの森づくり・森林管理100%作戦として、平成23年度末までに87,500haを目標として、公的負担による間伐等を進めています。また平成16年の台風被害を踏まえ、平成18年度からは、県民緑税を活用し、災害に強い森づくりとして、緊急防災林整備及び、針葉樹林と広葉樹林の混合林整備等を、それぞれ平成22年度目標として、11,700ha、1,000haが進められています。民有林の人工林面積約222千haの内、今後間伐が必要な45年生以下の人工林は56%、124千haと推測いたしますが、森林管理100%作戦で整備された部分も伐採されたままで放置されているのではないかと危惧をするところです。また、県民緑税を活用した災害に強い森づくりは、的を射た整備方法であると思いますが、森林整備の必要性や効果からすると、今後は奥山の天然林なども含めた整備計画を作成することや、県民緑税について、都市緑化と森林整備との予算配分を見直すことが必要ではないかとも思います。 そこで、まずは森林管理が必要な人工林のうち、傾斜が緩くても、土質により山腹崩壊の危険性が高いことなどの理由によって間伐後に切捨てができない森林は、どの程度あると認識されているのか、またそれらに対する間伐事業については早急に実施すべきものと考えられますが、とりわけ財源面についてはどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

(3) 河川整備について

 3点目として、河川整備についてお伺いします。 今回大きな被害を受けた佐用町は、千種川本流に佐用川が合流し、佐用川には秋里川、幕山川、江川川、桜山川、熊井川などの支流が流れ込んでいます。それぞれの河川は平均して勾配が小さく、さらに、佐用川は蛇行を繰り返し、私の地元である市川の上流部と比べると、勾配が小さい。その大きく蛇行をし、河川が合流しているところに、また民家が密集しており、浸水被害が大きかったと考えます。これらのことから河川改修については多くのことが考えられますが、平成16年にも越流・浸水、あるいは破堤をしたところでもあり、県も築堤、堆積土砂の除去などを行ってはいますが、不十分であったといわざるを得ません。 県土整備部から頂いた資料から指摘をさせていただくと、「再度災害の防止として、平成16年台風23号等で被災した河川施設の災害復旧事業等はすべて完了した。また、原形復旧のみでは再度災害を防止できない箇所においては、被災規模に応じた改良復旧として、河川激甚災害対策特別緊急事業、床上浸水対策特別緊急事業などを重点的に進め、再度災害防止対策を推進する。」と記されています。しかし、千種川流域で言えば、事業箇所は下流域だけとなっています。私も市川の上流域に住む者、あるいは行政経験の中で、上流域の河川改修についていつも疑問を持っていました。災害復旧や部分的な改修はあっても、河川改修計画に基づく事業は河口域からとなり、上流域は見送られてきました。今回の災害については、一昨日の公明党、橘議員の質問に対して、千種川については上下流の治水安全度のバランスを考慮しながら改修を進めていく、と答弁がありましたが、このことは千種川に限らず、他の河川においても実施すべきと考えます。 また、9月22日の神戸新聞に人と防災未来センター長の河田先生へのインタビュー記事が掲載されていましたが、河田先生は、「避難勧告のタイミング、避難先の問題、また、行政は100年に一度の雨量は想定を超えていたと表現するが、温暖化の影響で豪雨は毎年発生しうる、完璧な治水工事は困難であり、そこに住む以上はある程度の覚悟をしなければならない。」とも言われています。 このように、想定を超える洪水が頻発している状況を考慮すると、河川のみでの対応には限界があり、上流域では河川整備と組み合わせた減災対策など、様々な備えが必要と考えます。 そこで、中上流域における想定を超えるような洪水も考慮して、今後、どのようなハード・ソフト両面にわたる河川対策を進めるのか、ご所見をお伺いします。

 【答弁】

(1) 地球温暖化への対策について

 県では、2010年度に森林吸収・京都メカニズム相当分を除いた場合で基準年比6.3%削減を目標に掲げておりますが、その達成を図るため、条例による排出抑制をはじめ各種施策を総合的に実施しているところでございます。 民生家庭部門では、ご指摘のように、基準年度比で18年度で21%増加しておりますが、省エネの行動を普及させるため、ライフスタイルに応じた取り組みを示した県民行動指針やエコチェックカレンダーなどをホームページや出前教室等で提供しております。併せてeマーク付きの省エネ家電への買い換えが有効なことから、家電販売店と協定しまして省エネ家電の普及促進を図るなど、1人1日1kgCO2を削減する県民の自主的な取り組みを推進しているところでございます。 この7月には太陽光発電相談指導センターを開設致しまして、太陽光パネルなどの設備導入に関するあらゆる相談に応じております他、今後、家庭での省エネ行動の目標管理を行えるよう家庭でのCO2排出量の内訳を「見える化」して削減対策を考えてもらい具体的な行動につなげるような施策を進めて参ります。 次に、産業部門では、条例に基づく排出抑制計画と実績をとりまとめて公表致しますほか、積極的な削減に取り組んだ企業等を顕彰するなど、成果もPRしているところでございます。また、条例で努力義務を課しております自社の排出量の公表についても、多くの企業で取り組まれているところでございます。こうしたことで、現計画の目標達成に努めて参ります。 また、25%削減の具体的検討がこれから行われることになる訳でございますけれども、次期推進計画の策定を検討するなかで、国との役割分担や公表のあり方を含めた新たな対策についても検討して参りたいと考えております。

 (2) 森林管理、災害に強い森づくりについて

本県では、森林管理100%作戦により公的負担による間伐を進めている人工林87,500haのうち、山地災害の危険性が高い30度以上の急傾斜地など11,700haを対象に、土砂流出の抑制や樹木の根の成長の促進による森林の防災機能強化を目的として、災害に強い森づくりを進めております。あわせまして間伐材などを活用した土留工を設置しております。 災害に強い森づくりは、5か年の年度別、地域別の事業計画に基づき着実に整備を実施しておりますが、今回の災害でも、この事業を行った所は、被害が僅少であったと承知しております。また水の集まりやすい地形や侵食の受けやすい土壌等、今回の豪雨災害で崩壊が発生した森林の状況調査を進めまして、傾斜が緩い斜面でも土留工の必要な箇所の事業量の把握に今後努めてまいります。 さらに、今回の災害では、土石流により谷筋の立木(たちき)等の流出が被害を増大させております。土石流発生の危険性の高い渓流3,342流域等の森林を中心に、土留工に加え、針広混交林化など森林の防災機能の強化に向けた検討も併せて行っていく必要があります。 加えて、斜面崩壊防止のための山腹工事や土石流防止のための砂防ダムの設置などと連携して、総合的な森林の防災対策を推進してまいります。 これらの財源確保につきましては、事業の進捗状況や必要事業量も見極めつつ、防災面での緊急性を勘案しながら、補助制度の活用など財源確保に努めてまいります。県民緑税の活用については、その期限を控えておりますので幅広く今後検討してまいります。

(3) 河川整備について

 河川整備は、下流から上流に向けて進めることを基本としており、千種川など延長の長い河川では、上流部の改修に至るまで、膨大な期間と事業費を要している。 この度の災害では、想像を超える豪雨により、千種川の中上流域の未改修区間において、甚大な被害を受けた。このことを教訓に、今後は、他の河川の中上流域においても、下流の流下能力に応じた改修や、下流部への流量を抑えるための遊水地整備など、下流に過大な負荷をかけない範囲での改修を検討する。また、想定を超える水位上昇に備え、橋梁上下流部の護岸強化や洗掘を防ぐための巻堤による堤防強化を行うなど、ハード対策に取り組んでいく。 一方、近年、豪雨が頻発している状況を考慮すると、ハード対策だけでは限界があるため、これを補完するソフト対策の充実が必要と考えている。このため、必要な箇所に水位計や河川監視カメラを設置し、この情報を、インターネットや携帯メール、ケーブルテレビ等を用いて、市町の防災部局や住民に提供していくことにより、地域住民の自助、共助による避難活動を支援する。 今後とも、これらハード、ソフト両面にわたる対策を進めることにより、河川中上流域においても、住民の安全を早期に確保するよう、取り組んでいく。

4 道路整備における選択と集中について

 【質問】

 質問の第4は、道路整備における選択と集中についてであります。 新行革プラン・財政再建の中味は、組織・機構の見直しと人件費の削減、そして事務・事業の見直し、とりわけ投資事業の縮減という内容となっています。また執行に当たっては選択と集中と言われています。しかし、何を選択し集中するのかについて、十分に県民の理解を得ることが必要であると考えます。選択の基準は緊急性・必要性となると思いますが、さらに、生活に密着した社会基盤づくりか、経済活動に対する先行投資の大型プロジェクトかということも議論の一つになると思います。先ほど申し上げました河川整備についても、同じことが言えるのではないかと思います。 また、9月26日に開通式典があった国道250号飾磨バイパス、都市計画道路大日線などは、開通式に参加をした市民の数からみても、交通の安全面、渋滞解消といった生活と密着した地域住民が待ちに待った道路であり、併せて産業振興のための道路への先行投資といった観点からも大いに評価をするところです。 そこで、均衡ある県土の発展や広域的な物流機能の強化を考えると、高速道路のネットワーク化が必要であることは十分に理解していますが、財政状況厳しい現在は、将来に向けた大型の先行投資よりも、交通安全や交通渋滞解消といった生活に密着した整備を優先するという方針のもとに、事業箇所を選定し、整備を推進するべきではないかと考えますが、当局のご所見を伺います。

【答弁】

 限られた財源の中で道路整備を進めるためには、選択と集中のもと、必要な事業を選定し早期に完成させることが重要であり、選定にあたっては、ネットワークの形成、交通の安全確保、渋滞解消、産業振興、救急活動の支援等、多角的な要素から総合的に判断していく。 この内、渋滞解消など生活に密着した道路整備については、緊急度・優先度が高いと考えており、交通安全施設整備5箇年計画、渋滞交差点解消プログラム、踏切すっきりプラン等を策定し、通学路等の歩道整備、渋滞交差点の解消、踏切の改良等を計画的・重点的に進めている。 一方、地域間の交流・連携を強化する北近畿豊岡自動車道等高速道路のネットワーク形成についても、厳しい財政状況の中、本県における将来の産業・経済の発展を見据え、着実に整備を進めることが必要と考えている。 県は、新行革プランのもと、昨年12月に社会基盤整備プログラムを改訂し今後11年間に実施する事業を定め、道路についても概ねの実施時期を設定している。実施にあたっては、住民合意など事業執行環境等も総合的に勘案した上で公共事業等審査会に諮るなど、客観性と透明性を確保し、具体の箇所を選定している。 今後とも、地域の特性やニーズをふまえ選択と集中のもと、生活密着道路から高速道路に至るまでバランスよく整備を進めていく。

5 生物多様性保全、野生動物との共生について

【質問】

 質問の最後は、生物多様性保全、野生動物との共生についてであります。 理念は大変素晴らしいと思いますし、必要なことだとも思いますが、有害鳥獣捕獲という事業の必要性もあります。イノシシ、シカ等々がありますが、ここではサル対策について質問いたします。 イノシシ、シカの被害は瀬戸内の海岸線を除く県下全域に渡りますが、金網柵を設置すると農作物被害は、ほぼ防御できると思います。しかし、サルについては、豊岡地域1群31頭、美方地域1群69頭、篠山地域4群156頭、大河内・生野地域3群166頭、後は佐用、淡路地域の餌付け群です。大河内地域の2群のデータは平成18年のもので、現在は優に200頭を超えていると思います。 被害地域が限られていることもあり、大きな話題にはなりませんが、発信器を取り付けた警報システムの設置、猿追い払い犬の育成、爆竹やロケット花火などによる追い払い、電気柵設置、猟友会による捕獲、特区制度を活用した狩猟免許を有しない者による捕獲、電気柵・防護網の設置等々、神河町ではこれまで様々な対策を行ってきました。また、過去には昭和50,60年代に計4回400頭を超える大量捕獲を行ってきましたし、罠・捕獲檻・銃による駆除を加えると相当な数に上ると思います。 昔は、旧大河内町の限定した2地域で生息しており、田畑で多くの人が作業をしていたこともあり、それほどの被害は無かったように思います。また、自然の摂理と言いますか、山の生息環境に見合った頭数であったと思います。それが、天然林が減少し、また農作物を食べることを覚えた現在は、20集落中19集落に出没しています。以前なら、数年に一度しか子どもを産まなかったものが、栄養価の高い農作物を食べるようになってからは、毎年のように子どもを生むようになっていると聞きます。ですから大量に捕獲しても、絶滅させない限りは、すぐに元に戻ってしまうのが現状だと思います。 専業農家もほとんどなく、せいぜい家庭菜園の域を超えない農家ばかりですが、家族やご近所、都会に出た子どもたちへ、あるいは、村おこしイベントや農産物直売所への出品など、文字どおり畑仕事が心と身体を含めた健康作りの源となっています。それが見事なほど、明日収穫をしようと思った矢先にサルの被害に遭うといった状況であり、農家の方々は共生よりも絶滅と思ってしまいます。 神河町では県のこれまでの指導・支援に、とりわけ平成19年4月に開所した森林動物研究センターに指導・助言を頂き、感謝をしておられます。その上で、7点の要望を出されていますが、中でも「県立サル公園の整備(これは捕獲したサルに避妊手術を行い、観光施設として活用するというものですが)」、「野猿の薬殺に関する制度の整備」などは、農家の切実な心情を表していると言えます。 シカやイノシシについては、最終的には防護柵という物理的な手段で相当の被害を防ぐことが可能だとしても、サルについては、それが困難で、加害個体の駆除に加えて、森林整備、里山林整備を実施していますが、学習能力が高く、このような手法がどこまで有効なのか、なかなか確信を持つことができません。いっそのこと、群れごと絶滅させることはできないのか、という声さえ聞かれる中、被害防止に限界があるとしても、地域住民がある程度納得のできる取り組みを期待するところです。 そこで、サル被害の防止対策の実効性について、どのように認識しているのか、また今後、どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いします。

【答弁】

 本県に生息するサルは、それぞれの群れが孤立し、個体数も少ない状況にあります。しかしながら、生息地周辺で農業被害等が発生しているため、人との棲み分けによる共存を目指して、森林動物研究センターの研究成果を生かした被害防止対策を進めているところでございます。 具体的には、①住居侵入等の問題行動をとる個体の捕獲、②追い払い犬の育成等のサルを寄せつけない取組、③サル用防護柵による被害防除、④県民緑税を活用したバッファーゾーンの設置など、地域住民による活動を指導・支援しているところでございます。 この結果といたしまして、追い払い犬やサル用防護柵で効果を上げている事例もございます。特に、住民の高齢・減少化が進んでおります美方郡香美町小代区では、これらの取組に加えまして、町が国の事業を活用し、サルに装着した発信器による追跡調査とその情報の集落への提供、出没時の追い払い実施を地元猟友会に委託するなど、地域の実情に応じた対策を組み合わせることにより被害が減少しているという成果もございます。 今後は、サルの生息状況を早急に調査いたしまして、個体数の増加により群れが分裂したりして被害の増大が予測される場合は、個体数調整の捕獲を進めます。また、香美町の事例など複合的な取組事例を他地域に普及することにより、地元市町と協力しまして、一層の被害防止に努めてまいりたいと考えております。

2010年04月06日(火) | カテゴリー: 一般質問等 |

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