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兵庫県財政をチェック(投資事業にかかる現地調査)

投資事業にかかる現地調査     民主党・県民連合議員団 文責 上野
 阪神淡路大震災があったとはいえど、平成11年度からの行財政構造改革推進方策・後期5ヵ年の取り組みを1年残し、第2次行財政構造改革推進方策を策定しなければならなくなった兵庫県政の実態はいかなるものかを改めて検証する立場から、投資事業にかかる現地調査を8月12日に幹事長以下9人で行いました。時間的な制約の関係上、柏原土木事務所管内篠山市の「みくまりダム(生活貯水池整備事業)」、「西紀ダム(生活貯水池整備事業)」、「丹波並木道中央公園(都市公園)」、「県立陶芸美術館」を調査いたしました。
 まず、篠山市役所にて酒井市長、上下水道課長、西田議員、奥土居議員と意見交換・質疑応答を行いました。
  篠山市の市町合併は平成のモデルとされたものですが、合併の大きな目的、新市建設計画として、6万人構想とそれに対応するための水道水の確保を合併特例債等で賄うとしたものです。しかし、7月末現在45,307人で人口は減少傾向に入っています。また、水道水は現在年間470万tの有収水量で、そのうち県水(県企業庁)に270万tを頼っているとのこと。市としては今後の水道水確保課題として、みくまりダム建設地の旧篠山町三熊地区・西紀ダムの旧西紀町来栖地区は簡易水道事業区域であり、渓流の伏流水を水源としているために新たな水源として両ダムを予定しているとのこと。渇水時期等含めて、現在補助水源を使用しているとの説明を受けました。
  両ダムの現地では、柏原土木事務所、本庁土木部より投資事業評価調書に基づきダムの必要性、投資効果について説明を受けました。
  みくまりダムは、H.5に事業採択、H.10、H.15に再評価、再々評価を行いH.19年度末進捗率は92.7%で全体事業費は51億円です。西紀ダムは、H.6採択、H.10、H.15に再評価、再々評価を行いH.19年度末進捗率は37.2%で全体事業費は54億円です。再評価時点と比較をしてもそれぞれ10億、4億円の増となっています。(当初の事業費とは比較していません。)両ダムとも生活貯水池建設事業ですが治水と利水の負担率はみくまりダム93.7%:6.3%、西紀ダム95.0%:5.0%で圧倒的に治水目的の事業費となっています。言い換えれば資源確保のみならば、3億円程度あれば十分だと言えるのではないだろうか。また、両地域とも小さな渓流沿いにわずかな農地と民家が点在する地形で、言ってみれば県内どこにもある地域と言えると思います。また、土木事務所は現地では反対はなくむしろ歓迎をされているというが、高額な事業費の25~30%は用地・補償費でありその上水没家屋が無ければ、今の厳しい農村の現状を考えれば誰もが大賛成であると思う。
  丹波並木道中央公園は、丹波の森構想の「シンボルの森」として整備を進めている県立都市公園でH.19年度に約50haを開園しています。森の重要性や森での営みを再現し、森での遊びや体験など、森を使うこと=「森づかい」をコンセプトとしている。
  しかし、まず「並木道」のネーミングに違和感を感じるわけですが、それは当初公園内を並木道が横断し、さらに公園周辺の道路も並木道として整備予定であったものが、公園内全般にわたり古墳群があることで計画が変更され、進入路のみが並木道となっていることによります。
  また、のら・むらエリアには公園管理棟・朝市広場・かやぶき民家・お花見広場が設置されています。とくに、かやぶき民家は旧庄屋を移築したもので2億円以上の経費がかかっています。なるほど外観は古民家・かやぶき民家ですが、残念なことに内部は建築基準法の関係から柱と梁以外は新しく古民家の様相は呈していません。ここでは、コンサートやお茶会などに利用されているそうです。
  さとエリアでは、発掘探検広場・あおぞら広場があり、森の円卓会議・ボランティアの手によって灰屋が作られ、現在は竹と土による小屋が神戸大学と地元左官業の皆さんとで建築中です。
やまエリアでは、森の広場・森の遊び場・こもれび広場・ビデオトープ・森林活動センターがあります。森林活動センターとは、製材所・大工小屋です。
  また、それぞれのエリアには駐車場・便所が設置されています。
計画面積70.9ha、事業費92億円(用地費32億円、施設整備費60億円)で、用地の大部分を占める山の単価は1平方m当たり2,500円超と不動産鑑定だそうですが、地形上もまた古墳群もあり宅地にならない土地の妥当な価格とはとても思えません。多くの都市公園あるいは上記の2ダムでも言えるわけですが、用地買収によるばらまきではないかとさえ感じます。
  私の感想は、大人の遊び場のためにここまでやるかという印象です。さらに、年間5千8百万円もの指定管理料を払ってまで運営しなければならない施設なのかとただただ呆れるばかりです。H.19年度の利用状況は約6ヶ月で3万6千人で、平成20年度は5万5千~6万人を見込んでいるそうですが、初年度はオープンイベントもあり目標どおりの集客があるか心配します。県の担当から聞くと暑い夏、寒い冬は来園者は少なく、しかも、春・秋シーズンの土・日にイベントを打っての人集めで大変だとのことです。しかも、入園料・利用料は無料です。
  森の重要性や森での営みを再現するなら、駐車場と便所は必要ですが、山の林層整備や下草除去だけを行いできる限り自然のままで活用するだけでよいのではと考えます。
  陶芸美術館では、井戸知事のお迎えがありました。
  美術館は、丹波の山並みにマッチをしたこれまた立派な施設であると思います。芸術・文化施設は生活の潤いとして大切なものだと思いますが、生活するのがいっぱいの人間からみればどう映るのかと思います。H.19年度入場者数は84,575人、展覧会入館者数は有料28,418人、無料13,660人であり、県民には施設の存在すら知らない人がいるのではと思います。
少し批判的な報告となりましたが、事業評価委員会の報告、土地不動産鑑定士の報告どおりの事業・予算議決を行っていたとも思われる。結果、財政が厳しくなったとも言えるのではないか。もちろん、小渕内閣当時の景気対策を地方が担ったことや、国の三位一体改革、阪神淡路大震災が大きな原因であることに間違いないが、各自治体が国の政策を見極めることと併せて、身の丈にあった財政運営を行う、議会はそれをチェックすることが肝要と考える。

2008年08月27日(水) | カテゴリー: 県政報告 |

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