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2016 年 3 月 のアーカイブ

第331回定例兵庫県議会代表質問(2016.2.24)

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1.平成28年度当初予算案の基本的認識について

  現在、国においては、人口減少をはじめ、急激な少子高齢化や東京への一極集中に伴う地域間格差の解消などが大きな課題となっています。本県においても、出生数の低下や人口の転出超過等、同様の課題に直面していることから、昨年の9月定例会において地域創生戦略が策定され、県を挙げて人口の自然増、社会増対策や地域の元気づくりに取り組むための方向性が定まったところであります。

 一方、来年度は、第3次行革プランの3年目に当たり、計画期間が終了する平成30年度までの最後のプラン見直しが行われることとなります。平成30年度には収支均衡させ、持続可能な行財政構造を確立させるため、まさにラストスパートの段階となります。 

そういう状況の中で検討された平成28年度当初予算案となりますので、依然として厳しい財政状況の中で優先順位を見極め、より徹底した「選択と集中」を図り、一方で、地域創生戦略を具体化する初めての当初予算案ですので、地域の元気回復につながる予算となることを大いに期待するところであります。

具体的には、長期にわたる行革の取組みで維持管理経費も必要最小限に限られる状況の中、高度経済成長期以降に多く建設・整備された橋梁・トンネル等の社会基盤施設や公共施設の老朽化が進み、危険な状況も見られ、それらへの対応が不可欠となっています。その他にも本県の産業力を下支えする中小企業への支援、高齢者の介護・福祉対策や医療の確保、子育て支援をはじめとする少子化対策など、これまで以上に施策の「選択と集中」を断行し、県民の生命と生活を第一とした施策への重点的な配分が必要となってきていると考えます。

また、平成30年度の収支均衡達成に向け、残り3カ年となる中、財政フレーム試算の前提となる「中長期の経済財政に関する試算」について、平成28年度は3.1%、29年度は2.4%と名目経済成長率を下方修正している一方、平成30年度は3.9%もの経済成長が見込まれています。中国経済の後退をはじめとする我が国を巡る世界情勢の中で厳しいものを私は感じていますが、プラン最終年度でもあり危惧するところであります。

さらに、「地域創生」を具体化する予算については、効果が十分に出るよう施策の絞り込みを行うとともに、2月1日の臨時会での補正予算の質疑でも我が会派の越田議員が申し上げましたが、各自治体の「自主的・主体的な取組み」への支援を大前提とした予算として、真の「地域創生」、すなわち地域主体による地域の元気回復につなげてほしいと考えます。

 そこで、平成30年度までを計画期間とする行革の最終盤を迎えての課題に対する新年度当初予算案への対応、「兵庫地域創生元年」における地域が主体の真の地域創生へのスタートなどを含め、平成28年度当初予算案に込められた知事の思いをお伺いします。 

 答弁:井戸知事

平成28年度当初予算の編成にあたりましては、地方財政計画において、地方一般財源総額が27年度とほぼ同水準にとどまっており、社会保障関係費の新規需要増や自然増を考慮すると、厳しい財政運営、予算編成を余儀なくされました。

 このため、まず第3次行革プランに基づく行財政構造改革の着実な推進、2つに事業の「選択と集中」の徹底、3つに国の制度改正や予算編成、地方財政対策の適切な反映などを基本的な編成方針として、2月緊急経済対策補正予算と一体的に「地域創生元年」スタート予算として編成しました。

 10月に策定しました地域創生戦略を実現するため、まず地域創生元年対策を行ったわけでありますが、多子世帯や第2子への保育料軽減、地域祖父母育成モデルなどの「人口の自然増対策」、2つに高校生等へ企業紹介するガイドブックの配布やカムバックひょうご東京センターの運営などの「人口の社会増対策」、そして農業施設等貸与事業の拡充や畜産業・林業・漁業の貸与事業の創設、中小企業制度融資枠の拡大や融資利率の引下げなどの「地域の元気づくり」に重点化しました。そして第2に、地域創生を支える基盤対策として、南海トラフ地震対策や基幹道路ネットワーク整備など「兵庫創生の基盤づくり」を柱として推進することとしています。ご指摘もありましたが、市町をはじめ民間団体と協力して、地域創生に取り組んでいくことも必要です。特に、各地域における地域創生については、各県民局において戦略も策定していることでありますので、これに基づく取組もしっかり推進してまいります。

 しかしながら、今回の予算編成でありますが、未だ320億円の収支不足が見込まれております。財政フレームの範囲内で退職手当債や行革推進債の発行、県債管理基金の取り崩しを行うことにしております。

 28年度当初予算を踏まえた財政フレームでは、平成30年度の収支均衡が達成できる見通しでありますが、問題は税収の動向です。国の経済・財政再生計画や海外経済の動向等の影響にも留意しながら、適切な財政運営に努めてまいります。

今後とも、行財政構造改革の取組みを着実に進めていきます。28年度はその総点検の年でもあります。そのような意味で、行財政改革も進めながら、一方で、県民ニーズを的確に踏まえた施策を展開していけるように、「地域創生の舞台・兵庫」の実現を目指してまいります。    

 2.自治体病院の県立病院化等について

 平成の大合併の評価について議論されることがあります。私は、その当事者でもあった当時の首長として、小泉改革「国・地方の三位一体改革」による国庫補助負担金や地方交付税の削減もあり、それぞれの市町は将来財政破たんに陥る恐れがあるとして、急速に合併に突き進んだと考えます。そのため、それぞれに新市町建設計画は策定されたものの、いわゆる「バスに乗り遅れるな」状態となった結果、合併の検討に当って、本来、検討課題の中心として十分に行われるべきはずのまちづくりの議論が、全国的におろそかになった感が私は否めません。その結果として、さらなる過疎化の進行や、都市部と農村部の人口格差等の顕在化が進んだと考えます。

 余談になりますが、私の地元神河町は大河内町と神崎町の合併によって誕生しましたが、まちづくりの観点での結果をみますと、意義ある合併になったと考えています。当時の人口は、大河内町5,200人、神崎町8,300人でありましたが、人口の少ない大河内町に町役場の本庁舎を、また統合中学校も大河内中学校跡地に新築されました。神崎町には、病院周辺に3つのスーパーと業務用スーパー、3つのホームセンター、3つの金融機関等があり、市川町北部や生野町あるいは多可町からの来町も多く、従来から活気と賑わいがありました。まちづくりの観点から均衡ある新町の発展を求め、検討を十分に行い、小さくて商業施設も少ない大河内町を文化・教育ゾーンとして、本庁舎と統合中学校を配置したものであります。

 このような合併の評価も含め、今後、ますます進展していく少子高齢、人口減少社会において、行政の担うべき業務は、小さな単位できめ細かく対応していくものと、広域化し効率性などを求めていくものに整理して推進していかなくてはならないと考えます。広域化を推進していくものとして、消防や環境行政などのほか、課題はたくさん残っていると考えますが、2018年度に国民健康保険の財政運営が県に一元化され、さらに、水道事業では、厚生労働省が「新水道ビジョン」で広域推進を打ち出しています。

 広域化のメリットとしては、効率性のほかに、財政安定化、市町格差是正などが挙げられますが、経営、人材確保等、様々な課題を抱える自治体病院事業においても、広域化を行えばメリットは大きく、課題解決が期待されます。

 県では県立病院の整備が進められていますが、その中で、来年度には、県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合再編による新病院整備、県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合再編による具体化の検討、県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編も含めたあり方の検討などがなされる予定であり、大規模化の方向に動いています。

 また、但馬地域には県立病院がなく公立豊岡病院を県立病院に代わるものとして、救命救急センター、精神科病棟等建設費元利補助金と病院組合運営費補助事業などの特別な財政支援を県が行っています。一方、地域医療において重要な役割を担う中小の自治体病院は、経営面のみならず医師・看護師確保等において、厳しい環境に置かれています。特に、現在、県立病院や広域・一部事務組合による病院のない阪神北地域や西播磨地域においては、深刻な状況となっていると考えます。適切な医療提供体制を確保するためには、自治体病院事業の広域化、大規模化、県立病院化が必要となってくると考えます。

 そこで、まずは、公立神崎総合病院や公立宍粟総合病院、たつの市民病院などの市町自治体病院等がありますが、このような課題を抱える中播磨、西播磨地域において、県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合再編が具体化しているこの機会に、地域医療の提供の役割を果たしていくため総合診療医による診療を中心に据えることとし、地域の自治体病院を県立病院の傘下化、グループ化できないかと考えますが、ご所見を伺います。

 答弁:西村病院管理者

 人口減少や少子高齢化が急速に進展する中で、医療需要の急速な変化が見込まれており、地域毎に医療提供体制を再構築することが必要となっています。昨年3月に総務省から示された公立病院改革ガイドラインにおいて再編・ネットワーク化が求められています。

 県立病院におきましては、全国的な自治体病院の統合再編の流れを捉まえ、尼崎病院と塚口病院を統合再編いたしました尼崎総合医療センターに続き、現在、柏原病院でも柏原赤十字病院との統合再編を進めているところです。

 また、尼崎総合医療センター等複数の県立病院と但馬地域の公立病院との間で、総合診療医、また臨床研修医の派遣やTV会議システムを用いました合同症例検討会を実施する等、他地域の自治体病院とのネットワーク化も進めているところでございます。

 議員ご指摘の公立神崎総合病院等の自治体病院を県立病院の傘下あるいはグループ化することの検討に先立ち、まずは、姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院との統合再編新病院の検討の中で、中・西播磨地域の自治体病院との連携ネットワークについて、設置自治体の意見や具体の手法等を協議の上、県立病院が中心的役割を果たしていきたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。

 3.障害者差別解消法施行を受けた具体的取組について

 障害を理由とする差別の解消を推進することにより、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、障害者差別解消法が制定され4月1日から施行されます。

  この法律では、主に①国の行政機関や地方公共団体等及び事業者による「障害を理由とする差別」を禁止すること、②差別を解消するための取組について政府全体の方針を示す「基本方針」を作成すること、③行政機関等ごと、分野ごとに職員や事業者が適切に対応するための「対応要領」・「対応指針」を作成すること、と定めています。また、相談及び紛争の防止等のための体制整備、啓発活動等の障害を理由とする差別を解消するための支援施策について定めています。障害を理由とする差別とは、正当な理由なく、サービスの提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりするような行為を言い、障害のある方から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な合理的配慮を行うことが求められます。こうした配慮を行わないことで、障害のある方の権利利益が侵害される場合も、差別にあたるとされています。

  負担になり過ぎない範囲での合理的配慮ということも曖昧でありますが、必要な支援を行うことが求められます。例えば、人間社会でコミュニケーションは大変重要なツールであります。そういう中、聴覚障害者のツールである手話を言語として認識する手話言語条例について、都道府県では、神奈川・群馬・鳥取県が、市町では県下の加東・篠山・神戸・明石・三木・淡路・丹波市、多可町をはじめ全国で30市町が制定しています。コミュニケーションツールを尊重することは合理的配慮の最たるものであり、本県としても検討していくべきではないかと考えます。また、議会費の新年度予算では、手話通訳の予算が計上されていますが、的を得た予算ではないかと考えます。聴覚障害のほかにも、視覚障害などいろいろな障害がありそれぞれに対応が求められますが、各部局でも的確に対応を願いたいと思います。

  そこで、障害者差別解消法施行を受け、障害者への合理的配慮の推進に向け、どのような具体的施策に取り組んでいこうと考えていられているのかお伺いします。

 答弁:金沢副知事 

 障害者に対する障害を理由とする差別の解消を進めていくことは、ユニバーサル社会づくりの基本でもあります。

 すでに4月からの法施行に先立ちまして、差別解消についての基本的な方針等をまとめた推進要綱を策定し、この要綱に基づき、着実に施策に取り組んでいくこととしています。

この要綱で定めている基本的事項でありますが、まず、障害者差別解消相談センターを設置いたします。本庁に設置する予定です。ここでは、社会福祉士等の専門家が障害者や家族からの相談に応じることになりますが、助言や調査なども行います。併せて、必要に応じて、法務局等関係機関と連携して、差別の解消に向けた支援も実施してまいります。2番目に、障害者差別解消支援地域協議会を組織します。ここにおきまして、効果的に施策に取り組むための協議を進めてまいります。3番目に、障害者や障害への理解を深め、ユニバーサル社会づくりを推進するため、県民と事業者との協働のもとに、障害者対応に関する専門家の企業への派遣や、市民公開講座の開催、差別や合理的配慮の事例をまとめた啓発冊子の作成などを行ってまいります。さらに、第4に、県として障害者に率先的に配慮するため、法に基づく県職員対応要領を策定していきます。

 コミュニケーションツールの尊重については、障害者基本法において、「全て障害者は、可能な限り、言語としての手話を含む意思疎通のための手段について、選択の機会が確保される」と規定されています。従いまして、あえて条例で手話を言語だと指定することまでは必要ないのではないかと現時点では考えておりますが、これを踏まえまして、推進要綱や県職員対応要領にその旨を明記させていただき、手話に関する施策の充実に努めてまいります。来年度予算でも、通訳者の養成・派遣に加えまして、幅広い世代への普及啓発を目的に、100回にのぼる学校への出前講座や親子手話教室、スキルアップ講座などを新たに開催することにしています。

 これらの取組を通じて、障害を理由とする差別の解消をより一層推進し、障害者が地域の一員として暮らしていける社会の構築を進めます。

 4.農業の強化策について

昨年10月のTPPの大筋合意を経て、政府は農業の強化策を盛り込んだ「総合的なTPP関連政策大綱」を11月に策定し、TPPを成長戦略の柱とすることを発表しました。本県においても、TPPの農林水産業への影響額が政府の試算を基に算定すると、年間5億円から8億円の生産減と発表され、2月1日の臨時会での議論の結果、「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく対策として補正予算で約50億円に及ぶ対策が講じられるとともに、頭出しはされていせんが、平成28年度当初予算案においても、様々な取組みが提案されています。

政府の「総合的なTPP関連政策大綱」では、「攻めの農林水産業への転換」に向け取り組むべき施策として、輸出額1兆円の目標の達成に向けた取組みとして打ち出されていますが、私はもっと国内にも目を向けるべきと考えます。

 2014年の日本のカロリーベースの食料自給率を見ると、1965年の73%から39%と減少しており、これまで食料の安全保障、安全・安心でおいしい農産物の提供の観点から様々な取組みがされていますが、50年前との比較での大きな減少の中、過去20年間では40%前後の横ばい状態であり、様々な取組みでやっと維持しているというのが現状と考えます。今後、TPPによるグローバル化が進めば、安価な農産物の輸入により、食料自給率の低下はもとより国内農業への影響が懸念されます。

 そこで、私は、大綱の中の取組み方向として挙げられている「水田の畑地化、畑地・樹園地の高機能化等の推進」、この点が非常に重要と考えます。水田はそもそも水稲を栽培するのに適した農地でありますが、水田の畑地化等により、本来畑作物である麦・大豆の安定生産や単位あたり収益性の高い野菜の生産拡大が可能となるため、これらの作物の国内生産を促進し、農業所得を向上させる戦略を講じなければ、農業の成長はあり得ないと考えます。

例えば、北海道十勝地方は、1市16町2村、人口35万人で、農業関係者は「わが地域の食料自給率は1,100%」と豪語されるなど、ご存じのとおり大変農業の盛んな地域であります。当地では、その豊かな生産力を活かし本州への出荷のみならず、製粉会社との契約栽培による小麦・小豆の生産をはじめ、食材を活用したメニュー開発、小ロット物流のモデル実践など産地と実需者、消費者が結びつくバリューチェーンの取組が進められています。さらに地域内で加工、流通・販売する地域社会の実現にも取組んでいます。国内消費が飽和した工業等の第2次産業とは違い、農業には国内各地域にこのような目に見える確実な成長の可能性があります。

 本県においても生産振興だけでなく、6次産業化や地産地消の推進などの取組も行っていますが、地域へ大きな影響を及ぼすには至っておらず、加工、流通・販売面も見据えた取り組みには物足りないものを感じざるを得ません。地産地消は、地域で生産されたものを地域で消費し、消費者が生産者を買い支えることとなり、地域経済が循環し、地域の発展に寄与するものと考えます。今後のTPPの各国承認、正式発効に向け、食料の安全・安心を図る意味でも、加工、流通・販売との連携をさらに一層促進させ、需要を見据えた生産拡大につなげていくべきと考えます。

 そこで、TPPを踏まえた農業の生産強化策として、加工、流通・販売との連携強化により、家庭用、業務用、加工用など様々な需要を捉えた農産物の生産、6次産業化など加工、流通の取組の強化、地域内消費や地域内流通の促進に取り組むべきと考えますが、ご所見を伺います。

 答弁:井戸知事

 経済のグローバス化が進展する中、農業所得を向上させ本県農業を強化していくためには、大都市近郊地域の農業を確立していく。これにつきると考えています。このため、地域において、まず消費者、加工業者、流通業者などの需要を的確に捉えて生産をする、第二に加工・販売などの6次産業化を進める。第三に農産物の地域内流通システムの構築を図る。この3つが必要であると考えます。

 まず、消費者需要を捉えた生産を進めることとして、地場産を求める消費者向けの野菜の生産、カット野菜など加工、業務用の野菜の生産、醤油、パンなどの加工用の小麦・大豆などの生産拡大に取り組んでいきます。

 また、このような取組を支える農産物の高品質化や水田の畑地利用を可能とするため、地下かんがいシステムの導入など農地の条件整備を進めてまいります。

 さらに、加工、流通、販売の連携強化を進める必要があります。地域素材を活用した生産から加工、流通、販売、消費を結びつける新たな仕組みづくりをめざします。第二に農業者と食品産業や医療、福祉、観光等の異業種の企業、研究機関が連携し、新商品・新サービスの開発を促す「農」イノベーションひょうごを推進します。第三に地域食材の利用拡大をめざす加工・販売施設の整備支援等に取り組んでいきます。今後とも、このような取組を、収益力を高める産地パワーアップ事業など国のTPP関連対策も積極的に活用しながら、推進してまいります。

 加えて、地域内消費や流通を促進するため、安全・安心な兵庫県認証食品の生産拡大やPRを進めます。第二に地域農産物や加工品の学校給食への供給拡大を進めます。第三に子供と保護者等を対象とした農業体験や食農教育など、安全・安心な農産物を消費者が積極的に購入する「県産県消」を推進してまいります。

 大都市近郊地帯である本県農業の展開を図り、競争力のある力強い農業を進めてまいりますので、今後とものご指導よろしくお願いいたします。

 5.教育の機会均等に向けた奨学金制度の改善について

 日本社会の貧困問題、とくに子どもの貧困が話題になり、その貧困が世代を超えて連鎖しないようにすることが、政府の課題とされました。きっかけの一つは、厚生労働省が調査公表している貧困率並びに子どもの貧困率がどんどん悪化していることにあります。

貧困とは、ご存じのとおり、世帯の1人当たりの所得が、社会全体の真ん中の所得の半分に満たないことを指します。最新の厚労省の国民生活基礎調査では、貧困基準を満たす人口が全体の16.1%、1986年にこの調査が始まってから、最悪の数字となりました。また、18歳未満の子どもで、貧困基準以下の世帯に暮らす割合も過去最悪の16.3%、約6人に1人、40人のクラスなら6.5人にも及びます。

  ただ、日本の子どもの貧困が指摘されたのは、これが初めてではありません。国際機関からは2000年代の前半から日本の子どもの貧困に注意喚起がされてきました。2009年には、OECDの33か国の中で日本の子どもの貧困率は8番目の高さであり、2009年9月に民主党を中心とする政権ができ、貧困率が公表されました。それ以前の日本政府は貧困率の計算をしていませんでしたが、政府が貧困率を公表することで、対策に向けての機運も高まりました。特に、貧困の連鎖、すなわち、子どもの貧困を放置すると、学校でもうまくいかないケースが多く、大人になってからの生活も不安定で、貧困が世代をまたいで引き継がれる、という問題がクローズアップされました。

 そういう中で、子どもの貧困対策の推進に関する法律が、2014年1月に施行され、これを受けて同年8月に子どもの貧困対策に関する大綱がまとめられ、教育、生活、保護者の就労、経済的支援の4つの分野にわたる支援が施策化されました。ただ、子どもの貧困率の削減目標は掲げられていないなど、本当の解決につながるのかと感じざるを得ません。

 私は、このような貧困の連鎖の現状から抜け出るには、子ども達に十分な教育を受ける機会を均等に与える必要があり、そのためにも奨学金制度の改善が必要と考えます。ただ、奨学金制度の経緯を見てみると、日本の貧困率が悪化していく現状の中、有利子制度が導入され、厳しい就職環境の中、卒業後の返済に窮する者が多く発生するなど、教育の機会均等を図るための取組みとしては、疑問を感じざるを得ません。

 高卒求人数は、ここ数年は上昇傾向にあるものの、1990年代前半と比べると激減し、大学、専門学校には行きたい人が行くのではなく、「行くしかない」現状にあります。加えて、消費者物価の上昇やそれを上回る大学授業料の上昇、さらに、雇用構造の変化などにより非正規が増加するなど、本人の就職後だけでなく親世代の賃金低下で親の負担能力、返済能力も低下しています。このような現状から、経済的理由で進学に対する希望を捨てる者を少しでも救っていく必要があります。高校・大学の教育段階において奨学金給付制度の充実を図り、就職段階での機会均等につなげ、貧困の連鎖を断ち切っていく必要があります。

 高等学校等に通学する生徒のうち、年収約250万円未満の世帯に扶養されている者には、年額約3万円から14万円の国による奨学給付事業が2014年より始まっています。高校におけるそれ以外の者は県高等学校教育振興会、また、大学については国の日本学生支援機構等による制度でありますが、資金貸与事業となっています。県教委として、国への要望も含め、奨学金制度を給付事業として充実を図っていくべきと考えます。

 そこで、貧困の連鎖の解消に向けた教育・就職の機会均等を図るため、奨学金制度は貸与でなく給付とすることが望ましいと考えますが、当局のご所見をお伺いします。

 答弁:高井教育長

 これまで我が国の奨学金は、大学等を卒業した者は一定水準の所得があり返済が可能であると考えられること、もう一つは、返還金を後輩の奨学金の原資とすることで資金を回転させて、そのことによって十分な支給額が確保できるといった考え方から、貸与型というかたちで実施されてきました。しかし、昨今の大学等卒業者の経済的状況などから、現行の貸与制度のままで十分なのかといった議論がなされています。

 本県の高校段階における奨学金については、(公財)兵庫県高等学校教育振興会が実施する貸与型の奨学金であります高等学校奨学資金貸与事業に加え、平成26年度からは国庫補助事業を活用して、給付型の奨学金として、低所得世帯の授業料以外の教育費負担軽減のための高校生等奨学給付金事業を実施しているところです。

 この奨学給付金については、これまでから、国に対して給付額の充実などについて要望しており、新年度は、国の補助制度の拡充により、第1子に対する給付額を増額することになっています。

 大学段階における奨学金については、(独法)日本学生支援機構が貸与型奨学金を実施しており、災害、傷病その他の経済的に返還が困難な場合にあっては、返済を一定期間減額をしたり、あるいは猶予をするといったような制度も設けられているところです。また、私どもは、この制度がより利用しやすいものとなりますように、国に対して、現在一定以上の成績の方は無利子、それ以外は有利子と2種類ありますが、その内の無利子貸与について貸与対象者の拡大を求めたり、大学入学時の費用を支援する給付型の入学時一時金制度の創設などを要望してきたところです。

 奨学金制度を基本的に給付事業に変えるべしというご提案でしたが、貸与終了後に行われます奨学金の返還については、その困難の度合いというのは、卒業後のその当該返還者の所得状況によって変わってくるため、給付型にしてしまいますと、返済能力がある層に対しても、税金を財源として給付することになってしまいますので、これには課題があるではないかと考えています。

 現在そうしたことから、国においては、経済的に返還が困難な者に対する柔軟な返還制度、例えば償還額を一定所得に達するまでは猶予するとか、一定以上の所得に達してから、所得の上昇に応じて返還額を大きくしていくなどといったことが検討されていますので、こうしたことでご提案の趣旨は対応できるのではないかと考えており、この国の検討の動向を注視しているところです。

 6.成熟した民主主義醸成のためのシチズンシップ教育の推進について

 公職選挙法の改正により、選挙権年齢が18歳以上となり、今夏の参議院通常選挙では18、19歳の未成年が初めて選挙権を行使できる見込みとされています。参議院選挙が近づく中で、実際に選挙権を持つこととなる高校生の声などが報道されていますが、「選挙に行っても世の中は変らない」「自分の考えと同じ候補者がいないので行かない」、中には『今の生活、制度に満足しているので、選挙に行く必要を感じない。』などもあり、投票参加に否定的な声も多いと感じます。

 そういう中、文部科学省では、高等学校等の生徒向け副教材「私たちが拓く日本の未来」を昨年9月にHP上に公表し、12月に各高等学校等に配布されたと聞きます。同教材によると、「自分の考えに近い意見を持つ者、関心が強い分野に詳しい者、日頃好ましいと思っている政党に所属している者、どのような基準でも、それが皆さんの政治参加です。」とあります。私は、若者に主体的に投票行動を取らせるため、このような基準を様々な角度から示していくことが、教育として重要ではないかと考えます。

 また、その際に、教育における政治的中立性が議論となっており、指導資料では留意点として、「教員が特定の見解を述べることは避けることが必要」と記載されています。公益財団法人明るい選挙推進協会情報誌Votersで会長の佐々木毅氏は、「長い間、いわゆる政治的中立という重い問題があったために、敬して遠ざけるという習慣が教育現場に瀰漫したのであった。」と述べられています。私は、生徒に主体的な投票行動をとらせるための手段として、生徒の間での議論を活発化させ、政治に興味を持たせるためという目的を逸脱しない範囲で、教師も個人としての意見を述べながら、授業を進めていくことも必要と考えます。例えば、憲法改正議論や、原子力発電所問題、安保法制等国論を二分する課題がありますが、教員がまず両方の意見を述べたとして、生徒は必ず先生はどちらの考えかと聞いてくると考えます。その時には、教師も個人としての意見を述べることではじめて真剣な議論となると考えます。いずれにしても、これからの日本を支える若者を先に述べたような、生徒を無関心な状態のままにすることは、決して避けなくてはならず、政治に対して主体的に自ら考えることを仕掛けていかなくてはなりません。

 そこで、この副教材を活用したシチズンシップ教育に関して、公表後の取組みの現状と、今後、改正公選法施行までの間に、若者の主体的な投票参加につなげる教育をいかに進めていこうとしているのか伺います。

 答弁:高井教育長

 高等学校では、教科「公民」などの授業やホームルーム活動の中で、主体的な社会参加に向けた知識、態度を育むとともに、選挙管理委員会とも連携して選挙の意義、投票方法を講義する出前授業を実施して、選挙や政治をより身近に感じさせる取組も行っています。

 昨年9月、国が副教材の内容を公表したところですが、県として教員がこの副教材を授業、あるいは、ホームルームの時間などでより効果的に活用できるよう、実際の授業での展開事例、あるいは政治的教養を育む教育に関するQ&A、指導上の留意事項などで構成する教員向けの指導事例集を今年度中の完成を目途に、今、鋭意作業をしているところです。

 今後は、管理職及び教員を対象に国作成の副教材、それから私どもが作成する指導事例集の効果的な活用についての実践研究会を実施して、政治的教養を育む教育内容の充実を図るとともに、選挙管理委員会とも一層連携をすすめ、生徒が社会の構成員として自覚と責任をもって主体的に行動し、積極的に社会に参画していく態度を育んでいきたいと考えています。

 なお、授業における現実の具体的な政治的課題を取り上げる場合に、知識や経験の少ない生徒だけの議論では、ともすれば、話合いが表面的あるいは一面的な観点に終始して議論が深まらないことも考えられますので、その際は、教員が話合いに先立って、あるいは議論の展開状況に応じて、様々な見解があるということを生徒に提示することは必要であると考えています。ただ、教員の言動は生徒に与える影響が極めて大きいこともあり、ご質問でも述べられましたが、教員が個人的な見解や判断を生徒に示すことは適切ではないというふうに国副教材の指導上の留意事項においても示されているところです。われわれも基本的には同様に考えており、県作成の指導事例集においてもそのことを明確に示し、研修等を通じてその徹底を図っていきます。複数の考え方がある、その背景にはそれぞれのメリット、デメリットがあるということを丁寧に説明することを通じて、真剣な議論が高校生ともなると十分に可能ではないかと考えているところです。

 7.安全・安心の警察について

 (1)信号機のスクラップ・アンド・ビルドによる交通安全の確保について

 平成27年中の県下の交通事故死亡者数は、171人で、前年と比べ、11人減少しましたが、これに占める高齢者の死者数は、84人と依然として高い割合となっています。そのため、高齢者への安全対策が講じられる一方で、事故の発生場所として最も多い交差点及びその周辺のハード面での整備が重要ではないかと考えます。

 そういう中、交差点の安全確保対策のひとつに信号機の整備がありますが、平成27年度では757基の設置が要望されるのに対して実際に設置された数が21基であるなど、ここ数年は数十基程度で推移しており、あまりにも乖離した現状があります。この757基という数について、もちろん地域としては必要として要望されていると思いますが、一度要望すれば毎年要望したままとなっているなど、本当に設置が必要な数かどうかということも考える必要があるのではないでしょうか。また、要望としての取り扱い方ですが、私たちの地元の郡部では、まず、自治会で集約したものをさらに市町で集約し、優先順位をつけた上で警察署に要望する運びとなっています。しかし、都市部では自治会からならまだ良いが、個人から直接の要望もあると聞きます。その辺りも含めて757基を精査する必要があるのではないでしょうか。ただ、現在の財政状況では、今まで設置してきた信号機の老朽化等に伴う維持管理にも経費が必要であり、新設信号機となると、厳しいこのような数字になるだろうと考えます。

  信号機設置要望の中には、信号機の必要性が低かったり、道路管理者による道路の改良見込みがないなど、物理的に設置が不可能な場所も当然にあるため、要望している県民から見れば、信号機がなかなか設置されないなという思いになります。

 平成28年度の新設信号機の予定数は20基と聞いています。信号機設置指針があることは承知していますが、新設信号機を効果的に設置するためには、新設に関しては必要と訴える住民や道路管理者の要望、交通事故の発生状況、交通量の実態を的確に把握して、真に必要性がある交差点を警察として判断し、信号機を新設すべきと私は考えます。

また、こんな声を耳にしたことがあります。「信号待ちをしても、交差道路に車両が通行しない。歩行者の横断がない。」との理由から、信号機のある交差点であるにもかかわらず、信号無視をして、交差点に進入したために重大事故が発生したということであります。このような事例は、まさしく、その交差点は、いわゆる「守られない、信号機が必要のない交差点」であります。なぜ、そのようなことが起こるのか、これは、朝夕の出退勤時等にはそれなりの交通量がありますが、他の時間帯はそうではないことから信号無視となっている等のケースであります。さらに、車の交通量や歩行者が少ないが故に重大な死亡事故が交差点で起こり、信号機が設置されていればそのような事故が起こらなかったとする考えのもとから、設置に至ったケースもあるのではないかと考えます。このような場所においては、信号機以外の対策、交通マナーの徹底や道路管理者と連携したラウンドアバウトなどの改良も必要があるのではと考えます。

  県警察では、平成24年度から現在までに必要性が低くなった信号機を75基撤去したと聞いています。信号機の老朽化対策も含め、限られた予算で交通の安全と円滑を確保するには、有効かつ効果的に予算を使うべきで、これまで以上の信号機のスクラップ・アンド・ビルド、特にスクラップを精力的に進め、交通安全の確保を図っていくべきではないかと考えます。

  そこで、信号機のスクラップ・アンド・ビルドに対するあり方について、県警察のご所見をお伺いします。

 答弁:太田本部長

 信号機は、交差点の安全を確保する上において、効果の高い交通安全施設と認識しています。県警察では、毎年多くの信号機の設置要望が寄せられ、ストック数も増加していますが、財政事情により現有の更新すら行き届かず、老朽化が進んでおり、維持管理が課題となっています。

  このような状況の中、信号機の新設については、道路の新設等、真に必要不可欠な箇所に絞って設置し、また、既設については、交通環境等を精査し、必要性の低い箇所は撤去に努めています。

 もっとも、撤去に当たっては、交通事故防止の観点からは、一定の時間帯の交通量が少ないことを捉えて、直ちに撤去すべきとは言えず、また、地域の方々の合意も必要であり、スクラップの推進が必ずしも容易でないことはご理解いただきますうにお願いします。

  いずれにしても、厳しい財政状況の中、引き続き、スクラップ・アンド・ビルドの考えを念頭に、既設信号機の削減にも配慮しつつ信号機の適正な整備に努め、交通の安全と円滑を図っていきます。

 (2)欠員解消による安心の確保について

 行財政構造改革において一般事務職は3割削減となりましたが、県民の安全・安心と命を守る重要な警察官は削減しないよう、我が会派は強く求めてきたところですし、また定数という面ではそのように対応されています。

 しかし、平成17年度から平成27年度間の4月時点の欠員の平均は約300人となっており、平成27年度も約240人の欠員が生じています。また、国の平成28年度予算編成において本県に40人の地方警察官の増員が容認され、定数は11,921人となり、人口減少社会においても、治安の維持、国民・県民の安心確保は、国全体として最重要課題となっていると認識します。

 一方、採用においては、警察官受験者数は、過去11年間で、平成27年度の最小3,368人から平成22年度の最大6,547人まで、平均で4,697人、合格者数は、平成23年度の最小432人から平成17年度の最大771人まで、11年間で6,568人、平均で597人となっており、倍率も7.9倍の高倍率になっています。この11年間で常に300人前後の欠員状態が続いているにも関わらず、採用に当たっても常に高倍率の状況で、その欠員を埋める形にはなっていません。

 さらに、採用後に入校する警察学校学生の退職者数が、平成18年度の最小38人から平成25年度の最大123人まで、11年間で計755人、平均69人となっており、県警察官の継続的な欠員状態に拍車をかける大きな要因と指摘されています。

 そこで、過去11年間で警察学校への入校者数の平均14.1%もの退職者が生じていることの認識と、欠員が継続している現状認識とその解消に向けた今後の取り組みについて伺います。

 答弁:太田本部長

 警察官の欠員については、警察官定員の増員が認められる一方、昭和期に増員された警察官が定年で大量退職し、毎年多くの欠員が発生していますが、採用試験では警察官として必要な資質等の確保が必要であるため、欠員を充足する人材の確保が困難であったことなどにより、未だ欠員の解消には至っていません。

  そのような中、警察学校入校中に退職する警察官は、過去11年間の平均が14.1%となっていますが、学校では、警察官として必要な規律、能力等を習得させるため、厳しい教育訓練を課すことが不可避な面もあることはご理解をいただきますようお願いします。

  もっとも、有為の人材が卒業を待たずして職を去ることは大きな損失であり、入校中の退職を減少させるため、採用内定式等の実施など、採用予定者が警察組織に馴染むよう努めています。

  また、入校後も、一学級30人程度とし、きめ細かな指導を行うほか、訓練も習熟度により強度を増す段階的な指導に努めるなど、入校生の個性に応じた指導に努めるよう工夫しています。

 欠員は治安維持上の大きな課題であり、早期の解消は非常に重要と認識しており、県警察では、採用募集活動の強化などの対策を推進し、県民の安全を守る力強い警察を確立していきます。

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2016年03月08日(火) カテゴリー: 活動報告 | コメントはまだありません »


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